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知財ニュース311号

発行:特許庁委託(公財)日本台湾交流協会
台湾知的財産権ニュース
(No.311)
発行年月日:2021年3月31日発行

 

主要ニュース目次

1. 智慧局ニュース
(2021年3月16日 智慧局ニュース全訳)
1-1 智慧局・工業局共催の「修理条項に関する国際立法の意見交換会」が無事終了
(2021年3月17日 智慧局ニュース全訳)
1-2 日台意匠優先権証明書類の電子的交換は2022年1月から対外的にサービス開始予定
(2021年3月18日 智慧局ニュース全訳)
1-3 「国際意匠分類(ロカルノ分類)第13版」の公告
(2021年3月19日 智慧局ニュース全訳)
1-4 「スタートアップ企業積極型専利審査試行作業方案」の受付終了
(2021年3月9日 智慧局ニュース全訳)
1-5 本局「専利公開情報検索」に無効審判請求案件及び行政救済情報の検索を追加
2. 法律・制度
(2021年3月16日 経済日報第A14面全訳)
2-1 修理条項導入に関する交流会を開催
3. 知的財産権紛争
(2021年3月10日 経済日報第A13面、2021年3月19日 経済日報第C4面の要訳)
3-1 昇陽半導体が世界先進を告訴

 

1.智慧局ニュース

(2021.03.16 智慧局ニュース全訳)
1-1 智慧局・工業局共催の「修理条項に関する国際立法の意見交換会」が無事終了
www.tipo.gov.tw/tw/cp-85-888260-2ac64-1.html
一、 経済部の智慧財産局及び工業局が3月15日に共同主催した「修理条項に関する国際立法の意見交換会」には、産官学の代表計63名が招聘された。
二、 今回出席した機関は以下のとおり:知的財産権及び公平法(不競法)の学者、公平交易委員会、行政院消費者保護処、全国工業総会、台北汽車代理商業同業公会(TADA)、汽車修理工業同業公会(台湾区自動車修理工業同業公会)、車両研究測試中心(ARTC)、台湾智慧移動産業協会(SMAT)、駐台外国公館及び商会のほか、帝宝工業(DEPO)、中華汽車(CMC)が台湾区車両工業同業公会(TTVMA)を代表して会議に出席した。
三、 意見交換において、智慧局・工業局はまず、修理条項についての世界の最新状況、及び各修理部品の意匠出願及び産業の現況についての報告を行った。意見交換の際、駐台外国公館及び商会、知的財産分野従事者らは、修理条項は政府が奨励するイノベーション研究開発政策に反しているとして反対的立場を示したが、全国工業総会及びAM業者(アフターマーケット業者:修理部品製造業者)らは政府に対し消費者権益及び産業発展に基づいて修理条項の導入ができるよう検討して欲しいと意向を示した。
四、 意見は賛否両論分かれたものの、出席者らは主催者が異なる利害団体者を招聘し充分な意見交換ができたことを高く評価した。また、関連意見は今後、異なる利害関係者らの利益及びニーズの参考とする。

 

(2021.03.17 智慧局ニュース全訳)
1-2 日台意匠優先権証明書類の電子的交換は2022年1月から対外的にサービス開始予定
www.tipo.gov.tw/tw/cp-85-888262-88a19-1.html
日台における意匠優先権証明書類の電子的交換について、双方の作業計画に基づき2022年1月から対外的にサービス開始する予定。正式な施行日と関連する詳細については、追って智慧局から別途発表する。

 

(2021.03.18 智慧局ニュース全訳)
1-3 「国際意匠分類(ロカルノ分類)第13版」の公告
www.tipo.gov.tw/tw/cp-85-888268-e0430-1.html
世界知的所有権機関(WIPO)が2021年1月1日に発効した「意匠の国際分類(ロカルノ分類)第13版」に対応するため、智慧局では台湾意匠で本来使用していた第11版を第13版の分類表に更新した。なお、この第13版の分類は2021年9月1日より正式適用となる。分類の詳細については、上記智慧局ウェブサイトからリンク先PDFファイルを参照のこと。

 

(2021.03.19 智慧局ニュース全訳)
1-4 「スタートアップ企業積極型専利審査試行作業方案」の受付終了
www.tipo.gov.tw/tw/cp-85-888275-b2c70-1.html
1. 2021年1月5日から試行開始した「スタートアップ企業積極型専利審査試行作業方案」は、スタートアップ企業からの申請が相次ぎ、すでに試行件数上限に達したため、これ以上は受理しないこととする。
2. 智慧局では今後、試行状況を評価・検討した後、本方案を引き続き実施又は改訂するか決定する見込み。

 

(2021.03.24 智慧局ニュース全訳)
1-5 本局「専利公開情報検索」に無効審判請求案件及び行政救済情報の検索を追加
www.tipo.gov.tw/tw/cp-85-887454-9acef-1.html
1. 更に多くの専利案件公開情報を提供するため、本局は「専利公開情報検索サービス」において、無効審判請求案件及び行政救済情報の照会サービスを即日より追加する。2011年3月1日以降に審決された無効審判の発行・受理文書履歴、訴願又は行政訴訟案件の決定書及び判決番号情報を提供する。
「専利公開情報検索サービス(中国語:專利公開資訊查詢)」は以下のリンク先サイトを参照。
tiponet.tipo.gov.tw/S092_OUT/out

2. 新機能の特色は以下のとおり:
● 無効審判案件番号での検索機能を新設し、無効審判案件の発行・受理文書履歴(ファイル閲読の提供は無し)を提供し、中華民国検索システムにリンクして無効審判審決書の内容閲覧が可能となる。
●訴願決定書及び裁判所の判決書に対応した決定書及び判決番号を提供する。

 

2.法律・制度

(2021.03.16 経済日報第A14面全訳)
2-1 修理条項導入に関する交流会を開催
自動車用ランプ大手の帝宝工業(DEPO)がドイツのダイムラーから権利侵害で提訴された後、台湾の自動車AM部品産業の「修理条項」への関心が高まっている。経済部智慧財産局は3月15日、修理条項に関する国際立法についての意見交流会を開催した。自動車AM部品業者はオリジナルメーカーから目を付けられることを恐れ、その参加はなかった。しかし業者は依然として産業が重視されておらず、修理条項による保護がなければ、年間2,000億台湾元(約7,725億円)の生産高を有する台湾自動車AM部品業者は重大な打撃を受けることになると懸念している。
世界で自動車産業が最も発達しているドイツでは、昨年末に「修理条項」が法改正で可決され、スペアパーツ業者に生存スペースが確保された。智慧局は15日、意匠出願は図面をもって新規性等の有無を審査するだけであり、安全問題とは無関係であると指摘。ドイツが導入した修理条項は、主にAM部品業者が獲得した利益に起因するものであり、また、修理条項は交通産業イノベーションと安全にマイナスの影響をもたらすには至らないものである。
交流会の参加者には、学界、欧州商会、米国商会、日本工商会、オリジナル部品業者等が含まれていたが、AM業者は招聘されていなかった。台湾区自動車部品修理権益協会の陳映志・理事は、政府には広く各方面からの意見を収集し、消費者及び自動車AM部品業者のニーズも重視していただきたい。修理条項は国際的な趨勢であり、消費者の権益を保護し産業発展を促進するものであると述べた。

 

3.知的財産権紛争

(2021.03 .10 経済日報第A13面 、2021. 03 .19 経済日報第C4面の要訳)
3-1 昇陽半導体が世界先進を告訴
昇陽国際半導体(PSI、以下「昇陽」と略称)が9日、宜特科技(iST)及び関連者により自社の営業秘密を侵害され損害を受けたとして新竹地方法院へ刑事附帯民事訴訟を提起し、56億台湾元(約214億円)あまりの損害賠償を請求したと発表。昇陽の元従業員が世界先進積体電路(VIS、以下「世界先進」と略称)に転職していたことから、その後、世界先進にも訴訟を提起した。世界先進は3月17日、昇陽が新竹地方法院へ「宜特及び世界先進を離職した元職員2人が昇陽の使用許諾を経ず、営業秘密を複製・使用をした」と主張する刑事附帯民事起訴状を受け取った。昇陽は関連者及び世界先進に対し、連帯責任として被害総額1億9,450万台湾元(約7.4億円)余り及び逸失利益を賠償請求した。
これを受け世界先進は、昇陽による提訴は、自社の財務、業務状況に重大な影響は与えず、関連の運営活動はいずれも正常に行うと発表した。
また世界先進は、現在ある資料によると昇陽が主張する情報は機密に触れておらず、営業秘密を構成するか否かは明らかに議論せねばならず、またこれはすでに離職した2人の元職員の個人的行為であり、世界先進に対し賠償請求をする理由もないと指摘した。

 

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