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知財ニュース416号

発行:特許庁委託(公財)日本台湾交流協会
台湾知的財産権ニュース
(No.416)
発行年月日:2026年10月29日発行

主要ニュース目次

1. 智慧局ニュース
(2026年10月22日 智慧局ニュース全訳)
1-1 2026年10月22日の行政院院会で「専利法一部条文改正草案」可決

2. 模倣品関連
(2026年10月13日 刑事警察局ニュース全訳)
2-1 日本の衛星信号B-CASカードがクラッキングされる 刑事局は衛星信号を窃取したグループを摘発 権利侵害市場価格は6億台湾元超え
(2026年10月15日 刑事警察局ニュース全訳)
2-2 YouTubeのインフルエンサーも事件に関与!刑事局は違法なセットトップボックスを販売したグループを摘発 権利侵害市場価格は53億台湾元超え
(2026年10月16日 聯合報全訳)
2-3 ブランドバッグすべてが偽物!内政部警政署保安警察第三総隊が中国からの密輸ブランド模倣品1800点を水際摘発
(2026年10月22日 中国時報第A7面全訳)
2-4 3社が海外ソフトを盗用 権利侵害市場価格は8億台湾元

1.智慧局ニュース

(2026.10.22 智慧局ニュース全訳)
1-1 2026年10月22日の行政院院会で「専利法一部条文改正草案」可決
www.tipo.gov.tw/tw/tipo1/891-99651.html
www.tipo.gov.tw/tw/tipo1/890-99652.html
デジタル技術の発展に対応し、意匠保護を強化する国際潮流を踏まえ、本日(22日)第4026回行政院院会(閣議に相当)において「専利法一部条文改正草案」が可決した。

経済部によると、今後の立法手続の完了により、国際基準に整合し、出願人の手続きが簡素化され、また、デジタル技術の発展動向や実務上のニーズに合致し、デザイン産業界の発展に寄与するものになる。今回の法改正の5つのポイントは以下のとおり:

1. VR、AR等のデジタル技術デザインの多様化に対応するため、現行の意匠における「物品」(例:ディスプレイ装置)に適用されたものという制限を緩和し、「コンピュータグラフィックス」及び「グラフィカルユーザーインターフェース」が単独で意匠の保護対象になることができるようにし、産業界の発展動向に適合させる。

2. デザイン業界においては、模倣を防ぐために複数の類似意匠で商品を保護することが常である。ハーグ協定、欧州連合、米国等の国際立法例を参考にし、現行の「一意匠一出願」の原則を緩和し、「2つ以上の類似意匠について、一出願で出願できる」ことを認めることで、産業界のニーズに合致し、また出願手続も簡略化できる。

3. 意匠のグレースピリオドを現行の6か月から12か月に緩和することで国際基準との整合を図り、出願人が商品を公表又は展示した後であっても、当該公表の事実が新規性又は創作性の喪失にはならず、意匠を取得できる可能性があることとした。

4. 意匠登録査定書の送達後3か月以内であれば、分割出願を提出することができるように緩和する。出願人は、より十分な時間を確保し、フレキシブルな意匠専利のポートフォリオ戦略を行うことができる。

5. 専利権の帰属に関する私法紛争は、請負、冒用出願、資金提供による研究開発委託といった状況において生じる可能性があるが、紛争の当事者間で合意が成立した場合には、いずれも権利者名義の変更を申請することができる。

*「専利法一部条文改正草案」の総説明の日本語訳は下記を参照。総説明及び新旧対照表は智慧局ウェブサイト(https://www.tipo.gov.tw/tw/tipo1/890-99652.html)の「檔案下載(ファイルダウンロード)」からダウンロード可能(中国語PDF)。

                              専利法一部条文改正草案に関する総説
専利法(以下「本法」という)は、1944年5月29日に制定公布され、1949年1月1日に施行されて以来、これまで15回の法改正を重ねてきた。直近の法改正公布日は2022年5月4日で、同年7月1日が施行日である。新興のデジタル産業の急速な発展に伴い、デジタル技術を活用した画像意匠がより多様化しているため、国際的な意匠保護の動向を参考にし、産業のニーズに応じた意匠制度に改正するとともに、台湾産業の実務ニーズを考慮し、ここに本法一部条文改正草案を起草する。改正ポイントは以下のとおり。:

1. コンピュータグラフィックス及びグラフィカルユーザーインターフェースを単独で意匠保護の対象とすることができるよう改正
「コンピュータグラフィックス」及び「グラフィカルユーザーインターフェース」を「物品」として単独で意匠の保護対象になることができるようにし、産業界の発展動向と適合させる。(改正条文第121条及び第124条)

2. 「類似意匠合併出願」制度を新設
ハーグ協定、欧州連合、米国等の国際的な立法例を参考にし、「類似意匠一括出願」の意匠制度を新設するとともに、訂正、無効審判等に関する規定を併せて改訂。(改正条文第127条、第129条、第139条、第140条、第141条の1及び第141条の2)

3. 意匠のグレースピリオドを12か月に緩和
意匠権のグレースピリオド期間を、現行の6か月から12か月に緩和。(改正条文第122条及び第142条)

4. 意匠登録査定の後の分割出願要件の緩和
意匠の分割出願の出願できる時期を改正し、現行では、原出願が再審査の査定前までに分割出願しなければならないところ、原出願又は再審査の登録査定の送達後3か月以内であれば、分割出願を出願できるよう緩和するとともに、意匠を付与しない事由及び無効審判事由を併せて改正。(改正条文第130条、第134条及び第141条)

5. 権利者名義を変更申請できる権利の帰属に関する紛争の対象範囲の拡大
実務上は、専利出願権又は専利権の帰属の争いに係る私法関係又は紛争において、雇用関係に限らず請負、冒用出願等の情況の可能性があることから、真の権利者が民事手続を通じて、専利主務官庁に権利者名義の変更を申請できる要件を緩和するとともに、関連措置規定を新設。(改正条文第10条、第69条及び第140条)

6. 経過措置の追加
無効審判事由の削除に伴い、本改正条文の施行前に付与された専利権に対する無効審判請求の取扱いを明文化。また、意匠登録出願が、今回の改正によるグレースピリオド、類似意匠の一括出願制度、及び分割出願の期限が適用される場合について明文化。(改正条文第157条の5)

2.模倣品関連

(2026.10.13 刑事警察局ニュース全訳)
2-1 日本の衛星信号B-CASカードがクラッキングされる 刑事局は衛星信号を窃取したグループを摘発 権利侵害市場価格は6億台湾元超え
www.cib.npa.gov.tw/ch/app/news/view?module=news&id=1885&serno=6bda4c6e-059a-4b4e-8410-f6a3de5fd304
1. 捜査部署:台湾台中地方検察署、刑事警察局知的財産権捜査大隊。
2. 捜査時期:2026年6月23日。
3. 捜査場所:台中市西屯区。
4. 容疑者:林(男、1967年生まれ)、林(女、1978年生まれ)、林(男、1976年生まれ)、林(女、1981年生まれ)等4人。
5. 押収された証拠物:デスクトップPC1台、B-CAS衛星不正改ざんカード29枚、変換カード15枚、衛星信号チューナー1組および衛星放送受信アンテナ1組等。
6. 事件の概要:
(一) 刑事警察局知的財産権捜査大隊が主動する捜査により、ネットショッピングのプラットフォームで販売者が不正に改ざんした日本の衛星信号B-CASカードを販売し、「特殊カードで全てのBS放送を無料で視聴でき、NHKチャンネルには透かしが出ません。」等の内容で宣伝していることを発見した。日本B-CAS会社へ証拠を送り鑑定した結果、不正改ざんカードであったことから、日本一般社団法人コンテンツ海外流通促進機構(日本CODA)および中華民国衛星放送テレビ事業商業同業公会(STBA)に通知し、テレビ局が告訴の委任を受けた後、直ちにプロジェクトチームを立ち上げ、台湾台中地方検察署闕股の林忠義・検察官に捜査の指揮を要請した。

(二) 本件は、販売者の実際の経営・販売拠点を分析・絞り込みを行い、プロジェクトチームの長期におよぶ張り込みと証拠収集を経て、林容疑者らが衛星機材を販売する会社を設立し、合法を装って不正改ざんしたB-CASカードを違法に販売していたことを突き止めた。証拠収集完了後、検察官の指示で2026年6月23日に台湾台中地方裁判所の捜査令状を携えて、容疑者の実際の経営場所や住居等の捜査を行い、林容疑者ら計4人を摘発し、出頭させた。関連の不正改ざんカード29枚および衛星アンテナ等の犯罪用具を押収し、同日に検察官の再取り調べが完了し、事件に関する権利侵害資料の鑑識が終了した後、本件を著作権法および偽造文書違反の容疑で台湾台中地方検察署へ送致するよう指示した。

(三) 日本CODAの代表理事は、今回不正改ざんした日本衛星B-CASカードを販売したグループの取り締まりを特に重視しており、近いうちに感謝と称賛の意を伝えるため刑事警察局を表敬訪問する見込み。本件の窃取された台湾内外の計6社のテレビ局の著作権侵害を調査したところ、容疑者の販売期間は3年にもおよんだ。権利者によると、権利侵害市場価格は6億台湾元(約29億1,600万円)にものぼるとみられる。本件の摘発は、台湾の国際間における知的財産権保護の信頼を高め、これにより悪質行為を抑止し、同様な風潮を根絶するだけでなく、台湾の知的財産権保護のイメージを向上させることにつながる。

(四) 刑事局は、市民に対し、うっかり著作権侵害の商品を使用して著作権法侵害に加担してしまうことのないよう、また視聴の品質およびサービスを保障する正規ルートの商品を使用するよう注意を喚起した。刑事局は引き続き関連事件の取り締まりを強化し、台湾の知的財産権保護の完備を確保していく。

(2026.10.15 刑事警察局ニュース全訳)
2-2 YouTubeのインフルエンサーも事件に関与!刑事局は違法なセットトップボックスを販売したグループを摘発 権利侵害市場価格は53億台湾元超え
www.cib.npa.gov.tw/ch/app/news/view?module=news&id=1885&serno=3f2d6373-3dbd-4bc9-9915-638f64ac2b1a

1. 捜査部署:台湾新北地方検察署(暑股)、刑事警察局知的財産権捜査大隊、新北市政府警察局土城分署
2. 捜査時期:2026年1月13日、2月6日。
3. 捜査場所:新北市蘆洲区、三重区および五股区。
4. 容疑者:蔡(男、1988年生まれ)、張(男、1990年生まれ)、温(男、1995年生まれ)、李(女、1989年生まれ)、郭(男、1987年生まれ)、および陳(男、1987年生まれ)等6人。
5. 押収された証拠物:解説動画9本、セットトップボックス(STB)1台、デスクトップPC1台、電子帳簿が保存されたUSBメモリ1本および犯行に使用された携帯電話3台等。
6. 事件の概要:
(一) 刑事警察局知的財産権捜査大隊は、違法なストリーミングSNSに対して長期にわたり証拠収集を行ったところ、インフルエンサーがYouTubeチャンネルを利用して違法なセットトップボックス(STB)を宣伝し、共犯者に指示をして非公開のコミュニティを通じて販売させていた事を発見した。本件は、日本の一般社団法人コンテンツ海外流通促進機構(CODA)の台湾代表および中華民国衛星広播電視事業商業同業公会(STBA)より委任された「民間全民電視股份有限公司(民視、FTV)」等17社のテレビ局がそれぞれ訴訟を提起した。台湾内外の合計22社のテレビ局の著作権が侵害を受け、プロジェクトチームは直ちに台湾新北地方検察署に捜査指揮を要請した。

(二) プロジェクトチームは長期にわたり調査・証拠収集し、容疑者の住居および経営拠点を確認した後、2026年1月13日に台湾新北地方裁判所の捜査令状に基づき、捜査・摘発行動を執行した。容疑者の蔡ら6人および販売拠点1か所を摘発し、現場で解説動画9本、STB1台、デスクトップPC1台、電子帳簿が保存されたUSBメモリ1本および犯行に使用された携帯電話3台等の事件に関わる証拠物を押収した。本件は事情聴取後、著作権法および商標法違反等の容疑で台湾新北地方検察署へ送致された。

(三) 主犯の蔡は摘発を逃れるため、動画撮影を通じて買い手のアクセス数を増やした後、独立した秘密の販売ルートに誘導して販売していた。調査によると、蔡容疑者らは、開封動画を撮影し、違法なSTBおよび権利侵害アプリを7年にわたって販売しており、実際の販売件数は把握できていない。権利者によると、本件の権利侵害市場価格は53億台湾元(約258億円)にのぼると見られている!

(四) 刑事局は、セキュリティ認証のない権利侵害アプリをインストールすることは情報セキュリティが漏洩する可能性があるだけでなく、個人情報も漏洩するリスクもあることから、違法なSTBを使用しないよう市民に注意喚起した。刑事局は引き続き関連事件の取締りを強化し、台湾の知的財産権保護の完備を確保していく。

(2026.10.16 聯合報全訳)
2-3 ブランドバッグすべてが偽物!内政部警政署保安警察第三総隊が中国からの密輸ブランド模倣品1,800点を水際摘発
内政部警政署保安警察第三総隊(以下「保三総隊」という)第一大隊は、ビッグデータを利用して高リスクの輸入コンテナの分析を行い、現地検査を実施したところ、中国から輸入された海上コンテナから密輸されたブランド模倣品事件4件を摘発し、劣悪な商品の市場流入を食い止めた。合計1,800点の模倣品の権利侵害市場価格は1千万台湾元(約4,870万円)を超えるとみられ、商標法、税関密輸防止条例(中国語:海關緝私條例)違反で財政部関務署基隆税関へ送致された。

保三総隊第一中隊中華小隊と台北港小隊が高リスクのコンテナについて分析したところ、業者が「他の雑貨に紛れ込ませる」やり方で、中国から未申告のブランド模倣品を密輸しようとしていると判断した。人員を派遣して現地で検査をしたところ、7月から10月にChanel、Gucci、Dior、YSL、Fendi、Loewe、Celine、Miu Miu、Ralph Lauren、Polo等のブランドの服飾、バッグ、ベルト、タオル等の1,800点余りが水際の第一線で無事に差し押さえられ、権利侵害価格は1千万台湾元(約4,870万円)を超えるとみられている。

保三総隊第一大隊安全検査組の李則旻組長は次のように指摘した。業者は「並行輸入」又は「格安倉庫一掃」として民衆の購買欲を引き付けるが、実際には品質に懸念のある模倣品を販売していた。これらの商品はコスト削減のため、往々にして基準越えのホルムアルデヒド、可塑剤、及び重金属(鉛、クロムなど)が含まれ、質の悪い染料や化学粘着剤を使用している。人が身につけると、皮膚アレルギーを誘発しやすく、センスの良さを見せようとした選択が、かえって健康を損なうリスクとなってしまうことになる。

保三総隊は、ブランド品を購入する際には、正規ルートの証明を確認すべきで、出所不明の安い買い物や価格が明らかに不合理な商品を購入して、「お金を使って模倣品をつかまされた上に、身体も傷つく」ことのないよう、自身の消費者の権益と健康・安全を守るよう注意喚起した。

(2026.10.22 中国時報第A7面全訳)
2-4 3社が海外ソフトを盗用 権利侵害市場価格は8億台湾元
刑事警察局知的財産権捜査大隊は、ベルギー及びフィンランドの有名メーカーが開発したハイエンド3Dプリンティングと建築物情報モデリングソフト(BIM)の使用許諾を得ずに、違法に使用した疑いで台湾域内のIT企業3社を摘発した。分析の結果、権利侵害回数は1,000回を超え、権利侵害市場価格は8億台湾元(約38億6,300万円)にのぼると見られている。プロジェクトチームは台北市内湖区、新北市の3社の企業を手分けして捜索し、パソコン等の証拠物を押収し、周ら3人の責任者および23人の職員を連行した。本件は、《著作権法》違反で地検へ送致され、捜査が行われている。

刑事警察局知的財産権捜査大隊は先日、ベルギー及びフィンランドのメーカーから、台湾域内の複数の企業が長期に渡り、合法的な使用許諾を得ず、同メーカーが開発したハイエンド3Dプリンティング、モデルリング処理および建築物情報モデリングソフト(BIM)を盗用しているとの通報を受けた。
警察の調査によると、盗用されたソフトは、ベルギーメーカーが研究開発した3Dプリンティングとモデリング処理専用の「Magics」および「3-Matics」ソフトを含み、1セット価格は約240万台湾元(約1,158万円)および450万台湾元(約2,170万円)である。また、フィンランドメーカーが研究開発した「Tekla Structures」は建築物情報専用のモデリングソフト(BIM)で、1セット価格は約110万台湾元(約530万円)である。

プロジェクトチームは、台湾域内の3社が、まず海賊版ソフトを検索し、海外のWebサイトにアクセスして不正取得したファイルをダウンロードした後、営業活動で違法に使用していたことを把握した。権利者がデジタル管理システム記録を通じて分析したところ、ソフトは1,000回以上も不正使用され、権利侵害市場価格は合計約8億台湾元(約38億5,900万円)にのぼることが発覚した。

プロジェクトチームは今年7月初め、3段階にわたる摘発作戦を発動し、それぞれ台北市内湖区、新北市土城区および鴬歌区のIT企業3社の拠点に向かい捜査を実施し、その場で海賊版ソフトを違法にインストールしたデスクトップPC、ノートPC、NAS(ネットワーク接続型ストレージ)、ハードディスク等の証拠物を押収した。また、周(64歳)、張(37歳)および周(72歳)ら3社の責任者と3社の職員の合計23人を連行した。事件は《著作権法》違反で関係する地検へ送致され、捜査が行われている。

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