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知財ニュース415号

発行:特許庁委託(公財)日本台湾交流協会
台湾知的財産権ニュース
(No.415)
発行年月日:2026年10月15日発行

主要ニュース目次

1. 智慧局ニュース
(2026年9月29日 智慧局ニュース全訳)
1-1 智慧局が官民提携を推進 企業の営業秘密保護の整備を支援
(2026年10月1日 智慧局ニュース全訳)
1-2 智慧局が「商標案件の可視化統計」の新バージョンを公開。より使いやすく便利な商標統計情報サービスを、ぜひご活用いただきたい。

2. 知的財産権紛争
(2026年10月11日 経済日報全訳)
2-1 米国関税法337条:輸入行為に不正競争が認められれば調査を実施
(2026年10月11日 経済日報全訳)
2-2 米国が第337条項による調査を開始 鴻海、デルタ電子、クアンタなどの台湾企業がリスト入り 経済部がコメント

3. 模倣品関連
(2026年9月29日 刑事警察局ニュース全訳)
3-1 刑事局が大規模な信号傍受施設を摘発!違法信号源を宿泊業者へレンタル 権利侵害市場価格は1億台湾元を超える

1.智慧局ニュース

(2026.09.29 智慧局ニュース全訳)
1-1 智慧局が官民提携を推進 企業の営業秘密保護の整備を支援
www.tipo.gov.tw/tw/tipo1/891-96479.html
経済部智慧財産局は本日(29日)、台湾内外の営業秘密侵害に係る司法事例の分析成果を発表した。在職職員、元職員又は協力業者などが主体となって漏洩するケースがよく見受けられ、企業の対策を支援するため、智慧局は「台湾営業秘密保護促進協会(TTSP)」と協力し、台湾全域の産業パークで企業向けの啓蒙活動をすでに28回開催している。智慧局は、企業から寄せられた実務課題を毎回収集し、「営業秘密保護実務実践マニュアル3.0」や「中小企業向けの営業秘密保護メカニズムチェックリスト」等の具体的な指針を策定し、「官民提携」を通じて、営業秘密保護メカニズムを強化し、台湾のグローバルな競争力を確保していく。

智慧局は長年にわたり台湾内外の営業秘密の司法事例を収集・分析しており、実務上、在職職員、元職員又は協力業者などが行為主体となって漏洩しているケースがよく見受けられており、漏洩のパターンを以下のようにまとめた。
一、 職員が離職前にUSBメモリ、PC画面のスクリーンショット、又は携帯電話での撮影などの方法により営業秘密ファイルを複製する行為;会社の管理措置を回避するために、「中・高機密」レベルに指定された営業秘密ファイルの区分を「一般」レベルに変更し、外部の人物へ電子メールで送信する行為;会社から同意を得ずソフトウェアを使用して会社の営業秘密ファイルをダウンロードし、個人のハードディスクに保存する行為;紙媒体にコピーして持ち出し、新たに勤務する会社で使用する行為。
二、 職員が離職後に、在職時のIDやパスワードで元会社のサーバーにアクセスし、営業秘密を窃取する行為;元会社の職員が送信した営業秘密を不正に取得し、それを新たに勤務する会社職員へ転送して漏洩する行為;元会社から所有する営業秘密資料を削除または廃棄する通知を受け取りつつもそれらを削除、廃棄せず隠匿する行為。
三、 業務委託先が業務遂行の過程で、委託企業の営業秘密を取得し、不正に使用またはこれに基づき専利出願する行為;会社メンテナンス設備に入る機会を利用し、機器の製造データを密かに個人のノートに記録し、営業秘密を窃取する行為;互いに競合する複数の会社の生産設備のメンテナンスを請け負う協力業者が、その中の会社の生産ラインの営業秘密ファイルを個人のUSBメモリに複製し、別の会社に提供する行為。

智慧局は、企業による営業秘密保護メカニズムの健全化に協力するため、前述したよく見受けられる漏洩ケースについて、「営業秘密保護実務実践マニュアル3.0」、「中小企業向けの営業秘密保護メカニズムチェックリスト」、「学術研究機関の営業秘密管理実践要領」等の具体的指針を策定して、企業と学術研究機関へ参考のため提供している。対外サービスを拡大するため、智慧局はさらに公式ウェブサイトに「営業秘密専門コーナー(中国語:營業秘密主題網)」を構築し、長年にわたり研究・収集してきた台湾内外の司法判決について、年度ごとの厳選判決集、重要事例時事集をまとめている。営業秘密法の施行から30周年となる今年は、さらに「営業秘密管理の必修課程-価値の保護から価値の創造へ」という記念書籍を出版したほか、アクティブで多元的な動画も提供しているので、各界の皆様にご参考にしていただきたい。

営業秘密は、現場における自己防衛メカニズムが何よりも重要である。企業の優れた経験を学ぶため、智慧局は2016年より「台湾営業秘密保護促進協会(TTSP)」と連携し、台湾のサイエンスパーク、産業パーク、工業団地にて、営業秘密保護に関する啓発活動を共同で開催し、台湾積体電路製造(TSMC)、聯發科(MediaTek)、日月光(ASE)、康寧(Corning)などの企業を招聘して成功事例を共有してもらい、多くの参加企業から好評を博している。

智慧局は、世界的な産業競争とサプライチェーン再構築という複雑な国際情勢に直面する中、企業は情報漏洩を防止するだけでなく、営業秘密の管理メカニズムをコーポレート・ガバナンスの一環として位置づける必要があると指摘している。また、「官民提携」を通じて、当局と企業とが啓蒙活動を強化することは、企業の健全なメカニズム構築を支援し、競争の優位性を確保することにつながり、企業が営業秘密の管理メカニズムを完備することは、単に「価値の保護」だけでなく、「価値の創造」にもつながる。

*智慧局によるパワーポイント資料は上記リンク先の智慧局ウェブサイトの「檔案下載(ファイルダウンロード)」からダウンロード可能(中国語PPT)。

(2026.10.01 智慧局ニュース全訳)
1-2 智慧局が「商標案件の可視化統計」の新バージョンを公開。より使いやすく便利な商標統計情報サービスを、ぜひご活用いただきたい。
www.tipo.gov.tw/tw/tipo1/799-96486.html
知的財産権情報サービスの継続的な向上を図るため、本局は「商標案件の可視化統計」の新バージョンを公開した。既存の「商標登録出願」統計情報だけでなく、新たに「商標公告登録概要」、「歴年の商標公告登録の動向」及び「商標公告登録数上位10の統計」の3種類の統計情報を追加し、合計13の統計表を提供する。これにより、ユーザーは、全体の概要、歴代の変化、統計ランキング等、異なる側面から商標公告登録情報を把握でき、検索がより便利になり、データ理解も容易になっている。
新バージョンのウェブサイトでは、シングルページレイアウトや、重要データ情報エリアと可視化に配慮したデザインを導入しており、重要な統計情報をより直感的に表現することで、資料を探す時間を減少させ、統計情報の検索の利便性と実用性を向上させている。より使いやすく便利になった商標統計情報サービスをぜひご活用いただきたい。
*「商標案件の可視化統計」サイト:
tiponet.tipo.gov.tw/downloads/037/visualization/index.html

2.知的財産権紛争

(2026.10.11 経済日報全訳)
2-1 米国関税法337条:輸入行為に不正競争が認められれば調査を実施
米国関税法第337条は、米国現地での「行政救済」措置の一つであり、当初は1930年に米国関税法第337章に規定されていた。複数回の改正を経て、現在は、輸入行為に不正競争が認められ、かつ、米国域内に対応する又は構築中の産業があれば、米国国際貿易委員会(USITC)が米国の国内企業の申し立てを受けて調査を実施すると規定されている。その範囲には著作権、商標、特許等の権利侵害行為に加え、営業秘密、虚偽広告などの行為も含まれる。

第337条項案件の90%以上が特許権侵害に係るもので、60%の案件では、原告と被告とが和解に達して裁判の訴訟手続には進まず、その多くがライセンス料の支払いで決着がついたものである。訴訟手続に入った場合、原告と被告の勝訴の割合は五分である。

USITCがある製品について裁決を下した場合、この製品は米国への輸入が禁止される可能性がある。第337条違反の要件には、これらの製品が有効な米国特許を侵害していること、製品が米国に輸入されていること、及びその知的財産権が米国内の産業によって使用されていることが含まれる。

(2026.10.11 経済日報全訳)
2-2 米国が第337条項による調査を開始 鴻海、デルタ電子、クアンタなどの台湾企業がリスト入り 経済部がコメント
米国国際貿易委員会(USITC)が米国関税法第337条に基づく調査を開始し、台湾のハイテク企業の鴻海、台達電(デルタ電子)、廣達(クアンタ)なども対象にリストアップされた。経済部は11日、第337条項調査の審理期間が通常は12から16か月で完了するとし、政府は引き続き今後の進展に注目していくと共に、関連企業と密接に連絡を取り合い、必要に応じて適切な支援を行っていくと述べた。

経済部によると、本件は企業間の特許権紛争および米国第337条項に関する手続であり、現段階は審理中であるため、政府は関連手続を尊重するとしている。原告が勝訴した場合、米国国際貿易委員会(USITC)は、関連製品の米国市場への輸入又は販売継続を制限する命令を発令する可能性がある。

経済部の説明によると、本件は米国国際貿易委員会(USITC)が10月9日に発表したもので、特定の垂直給電システム及び関連のコンピューティングシステムを対象に、第337条に基づく調査が始動されたものであり、人工知能(AI)サーバーの給電技術に関するものである。台湾企業の鴻海、台達電(デルタ電子)、廣達(クアンタ)、中国の立訊精密(Luxshare-ICT)、工業富聯など、計20社企業と関連法人が調査対象としてリストアップされている。

経済部によると、米国の電源技術メーカーであるVicor Corporation(ヴィコール)社が、9月9日にUSITCに対し申し立てを提出し、関連企業が米国に輸入及び米国で販売している垂直給電システム、部品及び当該技術を搭載したコンピューティングシステムが同社の特許権を侵害している疑いがあるとして、米国の≪1930年関税法≫第337条の規定に基づき、USITCに対し限定的排除命令及び侵害停止命令の発令を求めた。

経済部によると、第337条項に基づく調査の審理期間が通常は12から16か月で完了し、USITCは「限定的排除命令」と「禁止令」を発効する行政権限を有するため、原告が勝訴した場合、USITCは関連製品を米国市場へ輸入又は米国で継続販売することを制限する命令を発令することができる。

経済部によると、本件は企業間の特許権紛争及び米国337条に関する手続に該当し、現段階ではまだ審理中であることから、政府としては関連手続を尊重するとしている。政府は今後の進展を引き続き注視し、関連企業と連絡を取り合い、必要に応じて適切な支援を行っていくとしている。

3.模倣品関連

(2026.09.29 刑事警察局ニュース全訳)
3-1 刑事局が大規模な信号傍受施設を摘発!違法信号源を宿泊業者へレンタル 権利侵害市場価格は1億台湾元を超える
www.cib.npa.gov.tw/ch/app/news/view?module=news&id=1885&serno=e4c30f72-2224-4236-a121-bedece2b274e

1. 捜査部署:
台湾新北地方検察署、刑事局知的財産権捜査大隊(偵一隊)、
新北市政府警察局海山分署
2. 捜査時期:2025年11月18日
3. 捜査場所:新北市
4. 容疑者:曽(男、1980年生まれ)計1名
5. 押収された証拠物:携帯電話、デスクトップPC、ノートPC、サーバー、NAS(ネットワーク接続型ストレージ)の各1台、MODセットトップボックス(STB)25台、JHTVスマートマルチメディアSTB10台、衛星チューナー2台、衛星中継器2台、等。
6. 事件の概要:
(一) 刑事警察局知的財産権捜査大隊が主動する捜査により、曽容疑者が違法な信号傍受施設を構築し、各大手テレビ局の番組を無料で視聴できるよう信号源を不特定多数の人に提供していたことを発見した。中華民国衛星広播電視事業商業同業公会(STBA)が関連の権利侵害状況について告訴を提出したことを受け、新北市政府警察局海山分署は直ちにプロジェクトチームを立ち上げ、台湾新北地方検察署の王宗雄・検察官の指揮による捜査を要請した。
(二) プロジェクトチームは機が熟したと見て、台湾新北地方裁判所が発行した捜査令状に基づく捜査を実施した。現場では携帯電話、デスクトップPC、ノートPC、サーバー、NAS(ネットワーク接続型ストレージ)の各1台、MODセットトップボックス25台、JHTVスマートマルチメディアSTB10台、衛星チューナー2台、衛星中継器2台、等の証拠物を押収した。捜査実施の際、信号傍受施設の設備は高速回線接続中で、信号の窃取及び伝送の「稼働中」状態であり、検察官は直ちに現場で曽容疑者の逮捕を指示した。
(三) プロジェクトチームの調査の結果、曽容疑者は住居に信号傍受施設を構築し、中国、日本及び台湾のテレビ信号源を傍受し、違法に取得したテレビ信号を「STB」プランとしてパッケージ化し、北部、中部、南部の複数の旅館やホテル等の業者にレンタル利用をさせ、不法な利益を荒稼ぎしていた。本件の権利侵害市場価格は1億台湾元(約4億9,400万円)を超えるとみられている。事件は著作権法違反の容疑で台湾新北地方検察署へ送致され、捜査が行われている。
(四) 刑事警察局は、使用許諾を得ず無断でテレビの信号を傍受し、公衆送信や営利目的の販売を行う行為は、著作権法第91条、第92条等の規定に違反しており、最高で3年以下の懲役、拘留、または75万台湾元(約370万円)以下の罰金を併科することができる。また同時に、宿泊業者や各種営業施設に対し、テレビや映像のシステムを購入する際には、業者が合法的にチャンネルの公開放送及び公開伝送の使用許諾を取得済みかを確認し、安さを追求して出所不明のSTBを使用して法に触れることのないよう注意喚起した。刑事警察局はインターネット上の海賊版及び信号傍受施設の取締りを継続し、知的財産権を侵害する犯罪を根絶することで、知的財産権を保護する環境を確保していく。

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