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知財ニュース342号

発行:特許庁委託(公財)日本台湾交流協会
台湾知的財産権ニュース
(No.342)
発行年月日:2023年3月15日・31日合併号

主要ニュース目次

1. 智慧局ニュース
(2023年3月21日 智慧局ニュース全訳)
1-1 本局の旧版「専利商標権利状態及び証書検索」サービスは2023年3月23日に終了、今後は新版システムをご利用のこと
(2023年3月21日 智慧局ニュース全訳)
1-2 新版の「手数料オンライン納付システム」で「紙書類送付のオンライン納付、引き落とし口座の登録申請、定期引き落しの設定」の機能が拡大
(2023年3月23日 智慧局ニュース全訳)
1-3 2023年3月23日より本局の「知財権情報サービスクラウド」にて「商標検索システム」サービスを開始
(2023年3月24日 智慧局ニュース全訳)
1-4 「2023台欧標準必須特許セミナー」の申込み
(2023年3月25日 智慧局ニュース全訳)
1-5 専利法施行細則第17条、第28条、第90条の改正公布、2023年5月1日施行
(2023年3月27日 智慧局ニュース全訳)
1-6 智慧局の廖承威局長及び李淑美副局長が2023年3月27日付けで就任

2. 法律・制度
(2023年3月9日 行政院プレスリリース全訳)
2-1 専利・商標の救済制度及び商標代理人制度の再構築 行政院が「専利法」及び「商標法」の一部条文改正草案、「商標法」一部条文改正草案を可決

1.智慧局ニュース

(2023.03.21 智慧局ニュース全訳)
1-1 本局の旧版「専利商標権利状態及び証書検索」サービスは2023年3月23日に終了、今後は新版システムをご利用のこと
www.tipo.gov.tw/tw/cp-85-920888-ff31a-1.html
サイトのサービス機能及びサービス品質を向上させるため、本局は2022年12月に新版「専利商標権状態及び証書検索」サービスを対外的に開放し、また電子証書の発行に合わせ、2023年1月に電子証書の検証及び電子証書ダウンロードの機能を新設した。
旧版「専利商標権利状態及び証書検索」サービスは2023年3月23日に終了し、旧サイトは自動的に新サイトに引き継がれ、証書のQRコードスキャンも新版の権利証書検索ページに引き継がれ、最新の証書の権利状態が表示されるため、ユーザーは何も変更する必要はない。
新版のシステムを利用の際に、支援の必要又はご意見がある場合、電子出願カスタマーサービス(電話:02-8176-9009)にご連絡いただくか、システム右上の「資料錯誤通報」機能をクリックしご連絡いただきたい。

(2023.03.21 智慧局ニュース全訳)
1-2 新版「手数料オンライン納付システム」で「紙書類送付のオンライン納付、引き落とし口座の登録申請、定期引き落しの設定」の機能が拡大
www.tipo.gov.tw/tw/cp-85-920883-a09d1-1.html
手数料納付作業の利便性を高めるため、智慧局は昨年(2022年)11月28日から新版の「手数料オンライン納付システム」の対外サービスを開始し、納付すべき手数料情報、納付、納付の注意事項、手数料情報検索、専利年金試算及び電子レシート検索等の機能を提供し、クロスブラウザ及び携帯デバイスでの使用にも対応している。
新版のシステムは今年(2023年)3月21日から「紙書類送付のオンライン納付、引き落し口座の登録申請、定期引き落しの設定」機能を新設し、より多元的で便利な手数料納付作業をご提供する。多いにご利用いただきたい。

(2023.03.23 智慧局ニュース全訳)
1-3 2023年3月23日より本局の「知財権情報サービスクラウド」にて「商標検索システム」サービスを開始
www.tipo.gov.tw/tw/cp-85-920897-f6df9-1.html
1. 政府のクラウド政策及び民衆へのサービス品質向上に対応し、本局は2021年より「知財権情報サービスクラウド計画」を推進し、パブリッククラウドで構築したクラウドサービス応用プラットフォームを運用し、知財権公開資料、商標検索、産業知財権知識等のサービスを年毎に続々と導入する計画をたて、外界がより迅速に且つ着実に知財権情報を取得できるよう、台湾知的財産権デジタル化環境の完備という目標を実現していく。
2. 本局はパブリッククラウドにおいて「知財権情報サービスクラウド」の構築をすでに順調に完成させ、「商標検索システム」サイトを当該プラットフォームに移行運営させ、即日より対外的に開放して試行開始する。パブリッククラウドプラットフォーム及びクラウド化技術を通して、本局の情報サービスの高可用性を向上させ、能力強化を目指す。各界大いにご利用いただきたい。
※「商標検索システム」については、下記リンク先サイト「商標檢索系統」
(中国語)を参照。
cloud.tipo.gov.tw/S282/OS0/OS0101.jsp

(2023.03.24 智慧局ニュース全訳)
1-4 「2023台欧標準必須特許セミナー」の申込み
www.tipo.gov.tw/tw/cp-85-920898-0fe2e-1.html
5G技術及びIoTの応用場面が日々拡大するに伴い、標準必須特許の産業に与える影響が大きくなっている。台湾の産業は輸出主導型及びOEM専門を特性としており、世界の主要消費市場の標準必須特許関連の争議において重大な挑戦に直面している。
産業が迅速に外国の政策又は法的立場に適応する一助となるよう、経済部智慧財産局、欧州経貿弁事処(EETO)及びEU在台ビジネス&法規協力計画(EBRC)は2023年4月25日午後に台湾大学法律学院霖澤館国際会議ホールにおいて「2023台欧標準必須特許セミナー」を開催する。
今回のセミナーでは、台湾及び欧州の専門家を招聘し、標準必須特許に関する議題を詳しく討論し、標準必須特許及び実務操作に対する各界の理解を深め、討論により議題のコンセンサスが凝集することを期待する。
EU及び台湾の標準必須特許の議題について興味がある方は奮ってご参加いただきたい。
※アジェンダ、申込みについては、上記リンク先の智慧局サイト「檔案下載(ファイルをダウンロード)」の「1.議程」、「2.報名簡介」及び「相關連接」の「1.報名網址」(中国語)を参照。

(2023.03.25 智慧局ニュース全訳)
1-5 専利法施行細則第17条、第28条、第90条の改訂公布、2023年5月1日施行
www.tipo.gov.tw/tw/cp-86-920903-78cfc-1.html
専利審査の実務ニーズ、審査効率向上にあわせ、専利法施行細則改訂草案を2023年3月24日に公布し、2023年5月1日より施行する。要点は以下のとおり。
1. 分割後の子出願の審査効率を向上し、分割後の出願が原出願の出願時の明細書で開示された範囲を超えるか否かの判断に寄与するため、分割出願時は明細書の差異部分に下線を引いたページを添付しなければならず、差異部分に関する説明をすることができると明文化する。
2. 専利法第27条第5項規定により、微生物寄託について台湾と微生物寄託の相互承認の効力を有する外国が指定する当該国の寄託機関に寄託し、法定期限内に当該寄託機関が発行する証明書類を提出する場合、台湾内で重複して寄託する必要はないとされている。現在、台湾と相互承認している外国の寄託機関はいずれもブダペスト条約締約国が認可した国際寄託機関であり、いずれも寄託証明及び生存証明の両証明書を合一する制度を採用しており、実務に利するため、該寄託機関が発行した証明書類には生存証明を含むべきと明文化する。

(2023.03.27 智慧局ニュース全訳)
1-6 智慧局の廖承威局長及び李淑美副局長が2023年3月27日付けで就任
www.tipo.gov.tw/tw/cp-85-920901-96c65-1.html
智慧局新任局長の就任発表及び就任宣誓式典が、経済部陳正祺次長による発表及び立ち合いのもと、2023年3月27日午前11時に智慧局18階ホールで開催された。
廖承威・新局長は、中原大学医用生体工学科博士で、1990年に経済部専利商標審査官試験3等試験に合格し、智慧局にて専利審査官補、専利審査官、専利シニア審査官、組長、副局長等の役職を経てきた。任職期間において、専利の審査待ち案件解消計画の実施、財団法人専利検索センター設立の監督、専利オンライン審査の推進、及び二当事者対審方案の検討等重大なプロジェクトを実行し、各国特許庁との協力関係を積極的に開拓してきた。豊富で完璧な学歴と職歴を有する廖局長は、国際的感覚と指導力も備えている。
李淑美・新副局長は、米国ワイオミング大学国際学科修士で、1991年中央各機関公務員試験に合格し、智慧局の前身である中央標準局で科員、商標審査官、智慧局科長、商標シニア審査官、副組長、組長、主任秘書等の役職を経てきた。李副局長は専門素質及び豊富な実務経験を備えており、長期的に知財商標等の分野に精通しており、経済部模範公務員に選出されたこともあり、とても優秀である。
智慧局が掌握する専利、商標、著作権、営業秘密、集積回路の配置利用等の重要業務は、グローバル化した産業競争趨勢に対応するため、また、産業発展に適合するため、智慧局では今後も引き続き発明者、産学研界及び企業とのパートナーシップを積極的に構築し、健全なる著作保護と許諾メカニズム、並びに各国の専利機関との実質的な交流提携を深化して、台湾の優良な知的財産権保護環境を構築していく。

2.法律・制度

(2023.03.09 行政院プレスリリース全訳)
2-1 専利・商標の救済制度及び商標代理人制度の再構築 行政院が「専利法」及び「商標法」の一部条文改正草案、「商標法」一部条文改正草案を可決

より迅速で専門的な専利・商標の救済制度を再構築し、商標代理人制度の導入による商標出願人の権益を保障するため、行政院会は本日(9日)、経済部が起草した「専利法」及び「商標法」の2つの条文改正草案、及び「商標法」一部条文改正草案を可決し立法院での審議へと送った。
陳建仁・行政院長は、専利権と商標権は産業発展及び国際市場でのポートフォリオ展開に関わるもので、今回の改正は主に国際調和と実務ニーズを考慮し、迅速で専門的な専利・商標の救済制度を再構築して専利及び商標案件を専門に扱い、手続き保障を強化し、産業発展に寄与するものであると述べた。
陳院長は、産業界のニーズに応えるため、今回の法改正において早期審査メカニズムを新設し、法制環境を完備すべく、商標代理人制度を導入して商標出願人の権益を保障する。本案は立法院での審議へ送られた後、早期の法改正が完成するよう、経済部により立法院与野党との積極的な意思疎通・調整を進める。
専利・商標案件の救済制度を再構築した「専利法」及び「商標法」一部改正草案のポイントは以下の通り。
(1) 複審及び争議案件を専門に担当する独立部署を設立
外国の専利・商標救済制度を参考に、主務官庁内に「複審及び争議審議会」を設立し、専利及び商標案件を専門に審理すると共に、関連する職務掌握根拠を明文化。
(2) 専門的で効率よく厳格な審理手続を再構築
専利・商標の争議案件の手続保障を強化し、時間的効率向上も兼ねるため、複審案件又は争議案件の審理は、審判官3名又は5名による合議体でこれを行い、口頭審理、予備手続を導入し、審理手続の過程における適度な心証公開、及び審理終結通知等のやり方で、審理手続きをより厳格なものとする。
(3) 審決に不服の場合、訴願手続ではなく直接訴訟提起
複審及び争議案件が主務部署による審理を経るが、厳格で専門的な審理過程において、当事者の手続保障確保の下、救済の効率向上のため、審決を不服とする場合、訴願手続を経ずに直接訴訟提起すべきと明文化。
(4) 「複審訴訟」及び「争議訴訟」の特殊訴訟を新設
主務官庁が争議案件について下した審決は、私権争いの行政裁決手続に属することを明確にし、権利に争いがある場合、他方当事者を被告として「争議訴訟」を提起し、現行の行政訴訟から民事訴訟手続を準用することに改める。複審案件の審決を不服とする場合、「複審訴訟」を提起し、救済制度が過度に複雑になり裁判結果の不一致とならぬよう、現行の行政訴訟から民事訴訟手続きを準用することに改め、終審裁判所は最高行政裁判所から最高裁判所へと改める。
(5) 専利争議訴訟事件に弁護士又は弁理士の強制代理を採用
専利争議訴訟事件は、高度な技術と法律の専門性を有することから、智慧財産案件審理法の改正に合わせ、当事者の権益を保護し、審理効率を促進のため、専利争議訴訟事件に弁護士又は弁理士の強制代理を採用することを明文化。専利又は商標の争議訴訟又は複審訴訟の控訴審事件についても弁護士強制代理を採用する。
(6) 意匠のグレースピリオドを12か月に緩和
意匠産業の発展を促進するため、並びに国際調和のため、意匠出願のグレースピリオドを現行の6か月から12か月に緩和する。
(7) 商標の異議申立手続を廃止
現行の商標異議申立案件の97%は、相対的登録不可事由として提起された争議で、無効審判の事由とほぼ重なることから、異議申立手続を廃止する。また、絶対的な登録不可事由について、異議申立による公衆審査制度のニーズを減少できるよう、「何人も」無効審判を請求することができるよう緩和し、出願審査の段階で第三者からの意見書を受け付けることができるようにした。

商標代理人について規範する「商標法」一部条文改正草案の改正ポイントは以下のとおり。
(1) 加速審査制度を新設し、外界からの迅速な商標権取得へのニーズに応える。
(2) 商標代理人の資格条件を完備し、商標出願人の権益を保障するため、商標主務官庁に登録管理を付与し、関連する管理弁法の制定依拠を明文化する。
(3) 出願人主体の適格性、登録商標の廃止(不使用による取消)請求、及び税関での権利侵害認定等の手続を簡略化し、規制緩和の実務ニーズに応える。

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