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知財ニュース341号

発行:特許庁委託(公財)日本台湾交流協会
台湾知的財産権ニュース
(No.341)
発行年月日:2023年2月24日発行

主要ニュース目次

1. 智慧局ニュース
(2023年2月10日 智慧局ニュース全訳)
1-1 2022年第4四半期の知的財産権動向
(2023年2月14日 智慧局ニュース全訳)
1-2 「著作権法第47条第4項の使用報酬率」の名称を「著作権法第47条第3項の使用報酬率」と改正し即日より発効
(2023年2月17日 智慧局ニュース全訳)
1-3 「商品及び役務の日台ニース分類類似群コード対応表(第12-2023版)」の公告
2. 模倣品関連
(2023年2月21日 中天新聞ネットニュース全訳)
2-1 美容痩身も安全に注意 警察が不法痩身マシンを摘発

1.智慧局ニュース

(2023.02 .10 智慧局ニュース全訳)
1-1 2022年第4四半期の知的財産権動向
www.tipo.gov.tw/tw/cp-85-918823-a89fc-1.html
2022年第4四半期における特許、実用新案、意匠の三種類の専利出願件数は19,130件で前年同期比横ばいとなり、そのうち特許出願件数は13,370件で前年同期比3%増となり、商標登録出願件数は22,890件で前年同期比8%減となった。特許出願においては、工業技術研究院(ITRI)が出願件数213件で引き続き台湾法人での1位となり、外国法人ではサムスン電子が212件で1位となった。商標登録出願は、台湾人・外国人別でそれぞれ国泰人寿が128件、尋找中本聡実験室有限公司(FINDSATOSHI LAB LIMITED)が37件で最多となった。

<専利出願>
台湾人による専利出願件数は前年比6%増
台湾が出願受理した特許、実用新案、意匠の三種類の専利出願件数は19,130件で、全体で前年同期比0.4%微減となった。件数が最も多かった特許は13,370件(前年同期比3%増)で、台湾人による出願件数(5,265件)及び外国人による出願件数(8,105件)はいずれもプラス成長し、台湾人による出願件数の増加幅(前年同期比6%増)が比較的大きかった(表1参照)。
台湾人による特許及び意匠出願件数はそれぞれITRI及びACERが最多
台湾人出願人による特許出願件数上位10社では、工業技術研究院(ITRI、213件)が1位となり、英業達(INVENTEC、76件)は前年同期比171%増となった(図2参照)。また、聯發科(MEDIA TEK、147件)及び南亞塑膠(NAN YA PLASTICS、64件)の出願件数はいずれも直近10年の最高となった。このほか、意匠出願件数上位5社のうち、宏碁(ACER)は40件で最多となり、神基科技(GETAC、30件)及び達擎(AUO Display Plus、13件)はいずれも出願件数上位5社への初のランクインとなった(図3参照)。
台湾企業及び高等教育機関の特許出願件数はいずれも前年同期比10%増
台湾人出願人による特許出願件数では、企業(3,896件)及び高等教育機関(541件)のいずれもが前年同期比10%増となった。高等教育機関においては国立成功大学(49件)が高等教育機関でのトップとなり、私立大学においては、南開科技大学(24件)が最多となった。成長率では国立台北科技大学(23件)が前年同期比130%増と成長が最も著しく(表2参照)、研究機関(416件)は前年同期比8%減となり、工業技術研究院(ITRI、213件)がその他の出願人をリードした(表3参照)。このほか、金融三業は(51件)前年同期比13%増となり、兆豊国際商業銀行(11件)が最多となった(表4、図4参照)。
外国人出願人による特許及び意匠出願件数はそれぞれサムスン電子及びフォードグローバルがトップ
外国人出願人による特許出願件数は8,105件で、前年同期比1%微増となり、日本(2,942件)がその他の国(地域)をリードした(図1参照)。また、出願件数上位10社のうち、韓国のサムスン電子(212件)が初の1位に躍進し、積極的な姿勢がみられ、韓国のLGディスプレイ(82件)及び米国のLAM RESEARCH CORP.(71件)の出願件数もそれぞれの直近10年の最高を記録した(図2参照)。また、意匠出願件数上位5社のうち、米国のフォードグローバルが44件で最多となり、フランスのPSA自動車(22件)が前年同期比120%増となり、日本航空電子の24件は過去最多になったほか、初の上位5社へのランクインとなった(図3参照)。

<商標登録出願>
商標登録出願件数は減少
商標登録出願受理件数は22,890件(29,252区分)で、基準となる前年件数が比較的高かったことから、前年同期比8%減となった。台湾人による出願件数(18,088件)及び外国人による出願件数(4,802件)はいずれも前年同期比減となった(表1参照)。
国泰人寿が台湾人による商標登録出願件数におけるトップ
台湾人による出願件数上位10社においては、国泰人寿が128件でトップとなった。件数では多くがプラス成長となり、上位10社のうち6社は前年同期で未出願であった(表6参照)。台湾人による出願区分では、第35類(広告、企業経営及び小売・卸売役務等)が3,734件で最多となった(図5参照)。
尋找中本聡実験室有限公司が外国人による商標登録出願件数における最多
外国人出願人による商標登録出願においては、中国が909件で最多となった(図1参照)。出願件数上位10社においては、バージン諸島の尋找中本聡実験室有限公司(FINDSATOSHI LAB LIMITED)が37件で1位となり、件数ではいずれもプラス成長となり、上位10社のうち7社は前年同期で未出願であった(表7参照)。外国人による出願区分では、第9類(コンピュータ及びテクノロジー製品等)が1,065件で最多となった(図5参照)。
「農業食材」及び「技術研究」産業が商標登録出願件数における台湾人、外国人の1位
産業においては、台湾が受理した商標登録出願は「農業食材」(6,116件)が主で、次いで「商業金融」(4,982件)及び「健康医療事務」(4,595件)等であった(図6参照)。台湾人出願人では「農業食材」(5,243件)の出願件数が最多となり、主にレストラン及び宿泊の商標に集中している。外国人出願人による出願件数では、「技術研究」(1,738件)産業が多かった(図7参照)。

2022年第4四半期知的財産権趨勢図表は、上記リンク先の智慧局サイトの「檔案下載(ファイルダウンロード)を参照。(中国語:智慧局公布111年第4季智慧財產權趨勢-圖表)

(2023.02.14 智慧局ニュース全訳)
1-2 「著作権法第47条第4項の使用報酬率」の名称を「著作権法第47条第3項の使用報酬率」と改正し即日より発効
www.tipo.gov.tw/tw/cp-86-918989-430ed-1.html
主旨:「著作権法第47条第4項の使用報酬率」の名称を「著作権法第47条第3項の使用報酬率」と改正し、即日より発効する。
依拠:著作権法第47条第3項。
公告事項:
一、2022年6月15日に改正公布された著作権法第47条に合わせ、教科書を公開伝送する際の法定実施許諾使用報酬率を新設する必要性があり、並びに台湾の社会経済の変遷に合わせるため、規定に掲げられた使用報酬率の全面改正を検討した。
二、「著作権法第47条第3項の使用報酬率」は、上記リンク先サイト「檔案下載」(ファイルをダウンロード)の「附件_著作權法第四十七條第三項之使用報酬率参照(中国語))を参照。

(2023.02.17 智慧局ニュース全訳)
1-3 「商品及び役務の日台ニース分類類似群コード対応表(第12-2023版)」の公告
www.tipo.gov.tw/tw/cp-85-918995-ea770-1.html
公告内容:
世界知的所有権機関(WIPO)によるニース協定の商品及び役務の国際分類第12版-2023(Nice Classification, 12th Edition-Version 2023)の改訂に合わせ、智慧局は出願人が商標登録出願を提出する際の参考となるよう「商品及び役務の日台ニース分類類似群コード対応表第12-2023版」を更新した。
※上記リンク先の智慧局サイト「臺日尼斯分類商品及服務類似組群碼對應表第12-2023版」(中国語)を参照。

2.模倣品関連

(2023.02.21 中天新聞ネットニュース全訳)
2-1 美容痩身も安全に注意 警察が不法痩身マシンを摘発
警察は偽痩身マシン事件を摘発した。近年、市場において美容医療業者が磁気エネルギーを利用して脂肪減少効果を達成する「BTL」社のエムスカルプト痩身マシンは、わずか30分の治療行程で、2万回の筋肉収縮効果を得ることができるとうたっており、多くの美容家達が殺到している。しかし、警察は不法業者が劣悪な模倣品を購買して営利を貪っていることを発見し、先日、台北、新北市で次々と3か所の美容医療機関で使用されている「BTL」エムスカルプト痩身マシンを摘発した。
内政部警察署保安警察第二総隊(以下「保二刑大」と略称)は以前、「BTL」社から、北部の複数の美容医療クリニック、及び個人美容サロンが独自に出所不明の「BTL」エムスカルプト痩身マシンの模倣品を導入し、販売、痩身コースを提供し、ひいては不法販売者が直接痩身マシンの模倣品を販売して暴利を貪っているとの通報を受けた。警察は通報を受けてから、証拠収集調査に乗り出したところ、模倣痩身マシンは淘宝網(タオバオ)で購買された後、中国の販売者が「測量機器」の名義で質の悪い痩身マシンを輸入申告し、正規品の「BTL」エムスカルプト痩身マシンの市場価格が800万台湾元(約3,500万円)のところ、模倣品は僅か10万元余り(約44万円)で販売していたことが分かった。
警察は2022年3月~11月の間、台北市大安区、新北市新荘区にある美容医療クリニック及び個人美容サロンの計3か所で捜索を行い、「BTL」エムスカルプト痩身マシンの模倣品3台を摘発し押収した。押収した痩身マシンは医療機器に属するため、まずは衛生福利部による検証・承認が必要で、また、「医療器材商」の資格があって始めて製造又は輸入できる。幸い摘発が間に合ってよかったが、検証の済んでない痩身マシンが消費者に使用され安全上のリスクが生じる可能性があった。
警察によると、正規品の台座の背面にはメーカーの表示があり、使用説明書が付属し、医療器材許可証がついているはずで、マシンのプローブにはナンバーがふってあり、プローブコードの長さも中くらいで、起動時の画面にはオリジナルメーカーの商標が浮かび上がってくる。一方、模倣品は、台座背面にはメーカー表示はなく、使用説明書及び医療機器許可証もなく、マシンのプローブ番号はオリジナルのものと符合せず、プローブコードも長すぎで、モニター画質も悪く、簡体字が使用されており、複数回連続使用するとシャットダウンするものであった。模倣品の「BTL」エムスカルプト痩身マシンを使用していた美容医療クリニックは、2021年頃に購買し、1コース1~2万台湾元(約4.4~8.8万円)で1コースの美容行程は約5~8回のコースで使用販売しており、販売コース数と不法所得は見積りが難しくなっている。
警察によると、商標法の規定に基づき、模倣商品と明らかに知りながら販売した場合、1年以下の有期懲役、拘留又は5万台湾元(約22万円)以下の罰金を科し又は併せて科すことができ、また、医療器材許可証を取得せずに勝手に医療器材を輸入したため、薬事法及び医療器材管理法に違反する。警察は、医療機器の輸入には医療器材許可証が必要であり、合法的な許諾製品であるか否かに注意すべきで、民衆も関連の美容医療課程を受ける際には、身体に危害の及ばぬよう、まずは十分に自身の状況を理解し検討するよう呼び掛けた。

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