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知財ニュース317号

発行:特許庁委託(公財)日本台湾交流協会
台湾知的財産権ニュース
(No.317)
発行年月日:2021年8月15日・31日合併号

 

主要ニュース目次

 

1. その他一般
(2021年8月16日 自由時報電子報全訳)
1-1 麟・洋ペアの決勝点「Taiwan in」は商標登録可能か?経済部がポイントを指摘
(2021年8月22日 聯合報第A2面全訳)
1-2 ドメインネームの差押推進計画 違法サイトへのリンクを禁止

 

1.その他一般

(2021.08 .16 自由時報電子報全訳)
1-1 麟・洋ペアの決勝点「Taiwan in」は商標登録可能か?経済部がポイントを指摘
台湾バドミントン男子ダブルスの王齊麟・李洋ペアが東京オリンピックで金メダルを獲得した際の決勝戦の最後に決勝点でラインインとなった場面をモチーフとした図面である「Taiwan in」は台湾全土を湧き立たせ、同図面を商標登録出願する者も現れた。これについて経済部は16日、民衆が「Taiwan in」の図面を商標出願することは権利であるが、審査のポイントは「識別性」であるため、商標審査を通過する機会はそれほど高くないと示した。
経済部は本日、東京オリンピックの競技はすでに終了したが、台湾の選手達の見事な活躍は依然として興奮をもたらし、中でもバドミントン男子ダブルスの王齊麟・李洋ペアの決勝点はブームを巻き起こし、頭が切れる人は先を争って商標登録出願しているとFacebookに掲載した。しかし、金メダルの決勝点となった「Taiwan in」の図面は本当に商標登録が可能なのか。
経済部は、出願は権利であるが、審査が通過するか否かは専門の審査が必要で、審査のポイントは「識別性」にあり、このようなすでに幅広く使用されている流行語又は図面のコンピュータによる判定図は、特定の概念を表しており、社会のコンセンサスを形成し、特定の出所を示す機能を有しにくいことから、商標審査を通過する機会は高くないと説明した。
また経済部は例を挙げ、よく見受けられる文字、図形、マークのほか、実際は音も商標登録が可能であり、簡単で短い広告の曲、旋律、人の会話の音、ベル、呼出音又は動物の泣き声等、識別性を有しさえすればいずれも商標となり、「ほかにも色彩、立体形状、動き、ホログラム、さらには嗅覚、触覚、味覚等で感知できる形態でも出所識別機能を有していれば、いずれも商標になるチャンスがあると述べた。

 

(2021.08.22 聯合報第A2面全訳)
1-2 ドメインネームの差押推進計画 違法サイトへのリンクを禁止
近年、オンラインコミュニティの活発な発展により、多くの違法者が詐欺、薬物取引又はポルノ犯罪に手を染め、多国籍企業が関与していることから、情報提供の要請が容易ではなく、捜査に困難をもたらしている。台湾高等検察署(以下、「高検署」と略す)は「ドメインネームの差押え」という新形態のテクノロジー捜査の推進を計画しており、特定の人が違法コンテンツを読み取れる特定のサイトにリンクできないようにし、大衆がこれらの犯罪コンテンツにアクセスするのを減少させることを目標としている。
内政部警政署刑事警察局は、昨年国内最大の映画・ドラマの海賊版視聴サイト「楓林網 (8 maple)」を摘発し、ドメインネーム差押えの成功事例として知られていた。しかし、法律関係者はサイトが見られない事はドメインネームの差押えとは言えず、これは警察側がサイト経営者を探し出し、ドメインネームの制御権を取得し、URLを法執行部門の設定したページにするという電磁記録的な変更にすぎないと指摘した。
真のドメインネームの差押えとは、該ドメインネームの登録管理機関を探し出し、該ドメインネームを制御する権限を取得することであるが、実際は非常に困難で、通常国外で発生することが多い。国内で発生する場合のやり方は、権利侵害コンテンツ、賭博サイト、悪意あるプログラム、ランディングページ等を大衆にアクセスさせず、危害の継続的発生を防止することである。
しかし、サイトのコンテンツが法律上の「有形物」として差押えることができるか否かは、現在、学術界及び実務界のいずれにおいても議論されており、高検署は今後、法的見解をまとめ、司法実務がドメインネームの「差押可能及び没収可能」の新しい観念を意識し受け入れることを望んでいる。

 

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