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知財ニュース405号

発行:特許庁委託(公財)日本台湾交流協会
台湾知的財産権ニュース
(No.405)
発行年月日:2026年5月15日発行

主要ニュース目次

1. 智慧局ニュース
(2026年5月6日 智慧局ニュース全訳)
1-1 デザインの創造性を高める!「2026次世代デザイン展」に専利サービスが登場
(2026年5月7日 智慧局ニュース全訳)
1-2 「2026年度著作権に関する講演」の参加者募集!

2. 知的財産権紛争
(2026年4月23日 中国時報第A7面全訳)
2-1 リチウムイオン電池の技術を中国企業に漏洩 長春化工の元管理職2人が起訴される
(2026年4月27日 知的財産及び商業裁判所ニュース全訳)
2-2 知的財産及び商業裁判所114年(2025年)度刑国営訴字第1号、第2号、115年(2026年)度刑国営訴字第1号の陳力銘ら被告の国家安全法等の違反事件の判決に関するプレスリリース

3. 模倣品関連
(2026年4月27日 刑事警察局ニュース全訳)
3-1 刑事局は海賊版ゲームのプライベートサーバー産業チェーンを捜査し、ゲームサーバールーム、運営会社及びソフトウェア会社を取り締まった 権利侵害市場価格は1億台湾元超
(2026年4月28日 聯合報全訳)
3-2 450万台湾元のブランド腕時計が2万台湾元?ロレックス、リシャール・ミルを完全コピー 8,000万台湾元の権利侵害を行った偽造腕時計グループが検挙された

1.智慧局ニュース

(2026.05.06 智慧局ニュース全訳)
1-1 デザインの創造性を高める!「2026次世代デザイン展」に専利サービスが登場
www.tipo.gov.tw/tw/tipo1/799-83783.html
より多くの新人デザイナーやクリエーターに専利の重要性を理解してもらうため、智慧局は「2026次世代デザイン展」に「台湾専利超級站」を設置し、実用的で親切な「専利充電サービス」を展開して、インスピレーションの着想から価値の実現に至るまで、全クリエーターに伴走する。

専利充電サービス:
一、 意匠コンサルティングコーナー
展覧会の期間中、専門職員が常駐し、意匠の出願、審査及び検索等に関する無料コンサルティングサービスを提供し、専利出願の流れと実務上の問題を明らかにし、専利の活用能力の向上を支援する。
日時:5/22(金)~5/25(月)10:00-17:00
場所:台湾専利超級站(南港展覧館2館1F S-07ブース)

二、 デザイナーが知っておくべき知的財産講座
デザインを仕事にしている者のニーズに応えて、意匠制度とその実務的な応用について説明を、創作保護意識と産業競争力の向上を支援する。創作の完成後、どのように保護するかがポイントである!作品の価値と競争力を高めるため、意匠の実務的な応用について一度で深く理解できるよう、説明する。
講師:経済部智慧財産局 施怡如 専利審査官補
講義テーマ:意匠はすばらしい イノベーションを保護し価値を高める
日時:5/22(金)16:00-16:50
場所:南港展覧館2館4Fサロン区

(2026.05.07 智慧局ニュース全訳)
1-2 「2026年度著作権に関する講演」の参加者募集!
www.tipo.gov.tw/tw/tipo1/799-83719.html
デジタルクリエーションとコンテンツ経営が急速に発展する時代において、グラフィッククリエーションからセルフメディア運営、ネットオークション、生成AIの応用に至るまで、全てが著作権と深く関わっている。他人の作品、素材の使用、商品の画像・説明文の掲載、又はAI創作等から派生する著作権問題は、いずれも良く見受けられるが見落としやすいポイントである。
重要な概念を理解することを支援するため、智慧局は2026年6月、7月に、淡江大学台北学舎において3回の無料著作権講座を開催する。テーマはそれぞれ、「デジタルカルチャーとクリエーティブ産業」、「AI(人工知能)」、「セルフメディアとネットオークション」である。専門家を招聘し、法律のポイント及び実務事例について情報共有する。著作権の理解を深め、創作と使用をより安心して行えるようにするとともに、他人の知的財産権を尊重する概念を形成することができる。
イベントのオンライン申し込み(計3回)を開始した。定員数に達した時点で募集を締め切る。関連業界の従事者や興味のある方々の参加をお待ちしている!

イベントの詳細及び参加申込のリンク先は以下のとおり:

第1回(6/12「デジタルカルチャーとクリエーティブ産業:画像IPとイラスト創作の著作権問題」https://gov.tw/Zr2

第2回(7/2)「著作権から見るAI(人工知能)」 https://gov.tw/dAf

第3回(7/23)「セルフメディアとネットオークション販売者のための著作権必修ガイド」https://gov.tw/i7e

問合せ先:経済部智慧財産局著作権組 Mr.江
電話:02-2376-7147

※詳細(中国語)については、上記リンク先の「檔案下載(ファイルダウンロード)」を参照。

2.知的財産権紛争

(2026.04.23 中国時報第A7面全訳)
2-1 リチウムイオン電池の技術を中国企業に漏洩 長春化工の元管理職2人が起訴される
台湾三大石化グループの一つである「長春化工(Chang Chun Group)」の劉、卓という元課長には、長期間にわたり同社が独自に研究開発したリチウムイオン電池のパッケージング技術を中国広東省の「盈華電子」に漏洩した疑いがあった。2人は相次いで引き抜きを受け盈華電子に転職した。苗栗地方検察署は《営業秘密法》、《著作権法》、《両岸人民関係条例》等に基づく罪で2人を起訴した。
長春化工は台湾の有名企業で、苗栗市及び中国東北部等の地域に工場を有しており、同社はリチウムイオン電池の封止材料と技術を独自開発しており、リチウムイオン電池世界シェア1位の中国企業「寧德時代新能源科技股份有限公司(CATL)」が使用するリチウム電池用絶縁材の重要なサプライヤーである。長春化工はこの独自技術により、台湾の化学工業界が全体的に不振の中でも依然として目覚ましい業績を維持してきた。長春化工は、この独自技術が窃取されることにより推定するのが困難なほどの商業的損失を被ったと主張している。
長春化工は1年余り前、元課長の卓、劉の2人が同社のリチウムイオン電池封止等の重要技術を盗んで中国広東省の盈華電子に漏洩し、その後相次いで離職して盈華電子に転職した疑いがあることを発見した。長春化工は苗栗県の調査局に告訴し、苗栗地方検察署の呉珈維・検察官が捜査を指揮した。
検察・調査機関の捜査の結果、長春化工の課長であった劉(男性)と卓(男性)の2人は、それぞれ2018年から2024年12月と2022年から2024年12月までの間、生産方法、技術、製造工程、配合等の情報を含む同社のリチウムイオン電池用封止材料及び技術等の営業秘密を、同社の社用電子メールから個人の電子メールに送信して携帯電話に保存し、通信ソフトWeChatで中国広東省の盈華電子の職員に送信し、営業秘密を漏洩し長春化工の著作財産権を侵害した疑いがあることが判明した。
卓は長春化工を離職後に盈華電子に転職し、2023年8月に劉を引き抜いて盈華電子に採用した。劉は主務官庁の許可なく台湾に事務所を設立し、違法に盈華電子の業務に従事し、前勤務先の営業秘密を盈華電子に漏洩した。

(2026.04.27 知的財産及び商業裁判所ニュース全訳)
2-2 知的財産及び商業裁判所114年(2025年)度刑国営訴字第1号、第2号、115年(2026年)度刑国営訴字第1号の陳力銘ら被告の国家安全法等の違反事件の判決に関するプレスリリース
ipc.judicial.gov.tw/tw/cp-663-2849455-f5180-091.html
本裁判所の114年(2025年)度刑国営訴字第1号、第2号、115年(2026年)度刑国営訴字第1号の陳力銘ら被告の国家安全法違反等の事件について、合議体による審理を経て、2026年4月27日午前11時に判決が言い渡された。判決のポイントを以下のとおり簡単に説明する:

1.判決結果

  宣告された罪名 宣告された刑 執行される刑/執行猶予
陳力銘 ①域外での使用を意図した営業秘密侵害罪 懲役2年6か月 懲役10年
②営業秘密侵害罪 懲役1年6か月
③域外での使用を意図した国家安全に関する営業秘密侵害罪 懲役3年
④域外での使用を意図した国家安全に関する営業秘密侵害罪 懲役3年6か月
⑤域外での使用を意図した国家安全に関する営業秘密侵害罪 無罪
呉秉駿 域外での使用を意図した営業秘密侵害罪 懲役1年6か月 懲役3年
域外での使用を意図した国家安全に関する営業秘密侵害罪 懲役2年
戈一平 域外での使用を意図した国家安全に関する営業秘密侵害罪 懲役2年  
陳韋傑 域外での使用を意図した国家安全に関する営業秘密侵害罪 懲役6年  
盧怡尹 刑事証拠隠滅罪 懲役10か月 執行猶予3年、執行猶予期間中は保護観察に付す。また判決確定の日から1年以内に国庫へ100万台湾元(約498万円)を納付し、法治教育課程6回に参加すること。
東京エレクトロン株部式会社(以下「東京エレクトロン」という。) 従業員が業務遂行の過程で営業秘密法第13条の2、第13条の1第1項、国家安全法第8条第2項等に違反する罪を犯した。 ①罰金4,000万台湾元

(約1億9,937万円)

罰金1億5,000万台湾元(約7億4,766万円)、執行猶予3年。また判決確定の日から1年以内にTSMCに1億台湾元(約4億9,800万円)を支払い、国庫へ5,000万台湾元(約2億4,916万円)納付すること。
②罰金800万台湾元
(約3,987万円)
③罰金4,000万台湾元
(約1億9,937万円)
④罰金4,000万台湾元
(約1億9,937万円)
⑤罰金3,500万台湾元(約1億7,445万円)

 

2.事実概要表

番号 犯行時期 犯行場所 行為者及び主な行為の態樣 情報の性質 域外使用の意図
2023年8月 TSMC新竹科学園区の外部会議室 呉秉駿が業務用ノートパソコンでファイルを開き、陳力銘が携帯電話で撮影した。 営業秘密
2024年5月 新竹市の某日本串焼き居酒屋 廖というエンジニア(TSMCから提訴されていない)が会社のメールの添付ファイルを開き、陳力銘が携帯電話で撮影。 営業秘密
2025年2月 呉秉駿の自宅 呉秉駿が業務用ノートパソコンを使用して、リモートでファイルにアクセスし、陳力銘がスマートフォンで撮影した。 国家安全に関する営業秘密
2025年5月 戈一平の自宅 戈一平が業務用ノートパソコンを使用して、リモートでファイルにアクセスし、陳力銘がスマートフォンで撮影した。 国家安全に関する営業秘密
2024年5月から2025年6月 TSMC台南パッケージング・テスト工場 陳韋傑はTSMCのデータベースにアクセス権限を持っていなかったが、事情を知らない同僚のアカウントとパスワードを借りてTSMCのデータベースにアクセスし、画像ファイルを撮影して陳力銘に転送した。 国家安全に関する営業秘密
2025年6月 盧怡尹の自宅 盧怡尹は、東京エレクトロンのクラウドシステムに保存されている画像が他人の刑事事件に関連する証拠である可能性が非常に高いと主観的に予見していたが、東京エレクトロンから過失を追及されることを避けるために証拠を削除した。    

 

3. 理由の要旨
本裁判所の合議体は、被告の陳力銘、呉秉駿、戈一平、盧怡尹、東京エレクトロンがいずれも犯行を認めており、事件ファイルの証拠資料と一致していることを考慮した。また、被告の陳韋傑は、TSMC内部の国家核心技術に関する営業秘密を無断複製し取得したという客観的事実は認めたものの、域外で使用する意図は否定した。しかし、被告陳力銘の在職時、TSMC向けエッチング装置の供給元がいずれも外国企業であったという陳韋傑の認識と、本件画像ファイルに関係する情報の内容等の証拠を考慮すると、被告陳韋傑の弁護は信憑性に欠けており、各被告に対する証拠は明確である。各被告らの犯した各犯罪に対する量刑、執行されるべき刑及び執行猶予について、以下のとおり概説する:

(1) 被告陳力銘
被告陳力銘は、検察官に犯行⑤を自発的に自白し、共犯者陳韋傑の逮捕につながったため、国家安全法第8条第5項後段に基づき、処罰を免除されるべきである。また、国家安全法第8条第2項に関係する犯行③④については、捜査及び各審理の過程で自白しており、いずれも国家安全法第8条第6項前段に基づく刑事責任の減刑事由がある。被告陳力銘は個人的な業務成績の向上のために犯行に及び、TSMCの営業秘密が外部に漏洩する潜在的リスクを生み出し、産業界の国際競争力と国家の経済安全を危険にさらしたことを考慮する。しかしながら、TSMCは東京エレクトロンが半導体製造装置サプライヤーの台湾におけるサービス会社であり競合企業ではないことを文書で表明し、調査の結果、被告陳力銘が収集した営業秘密は、東京エレクトロン及びその親会社である日本東京エレクトロン株式会社(以下「日本東京エレクトロン」という。)以外の第三者には漏洩していなかったことが判明し、さらに、被告陳力銘は調査に十分に協力し、TSMCも陳力銘の謝罪を受け入れる意思を示した。これらを踏まえ、判決の結果に示された刑と執行すべき刑を量定した。

(2) 被告呉秉駿
被告呉秉駿は捜査及び審理の過程で自白しており、国家安全法第8条第2項に関係する犯行③については、国家安全法第8条第6項前段に基づく刑事責任の減刑事由がある。被告呉秉駿はTSMCの2ナノプロセスの機密情報が外部に漏洩し競争優位性を喪失する危険にさらしたが、調査に十分に協力し、犯罪事実の解明と捜査機関による本件の調査の加速化にも相当貢献しており、TSMCも書面で許しを求めたことを踏まえ、判決の結果に示された刑と執行すべき刑を量定した。

(3) 被告戈一平
被告戈一平は、捜査及び審理の過程で自白し、その結果共犯者陳力銘の逮捕につながったため、国家安全法第8条第6項後段に基づき減刑されるべきある。被告戈一平はTSMCの2ナノメートルプロセスの機密情報が外部に漏洩し競争優位性を喪失する危険にさらしたが、調査に十分に協力し、犯罪事実の解明と捜査機関による本件の調査の加速化にも相当貢献しており、TSMCも署名で許しを求めたことを踏まえ、判決の結果に示された刑と執行すべき刑を量定した。

(4) 被告陳韋傑
被告陳韋傑は客観的事実を認めたのみである上、無断で複製した営業秘密は14オングストロームプロセスに関する機密情報であって、TSMCの半導体製造プロセスが「ナノメートル」から「オングストローム」の時代へ移行するための先端技術ノードであり、世界の最先端プロセスにおける主導的地位を維持・継続するための核心的技術であり、さらに、現在に至るまでTSMCからの許しも得ていないことを踏まえ、判決の結果に示された刑を量定した。

(5) 被告盧怡尹
被告盧怡尹は、陳力銘が撮影したTSMCの営業秘密の画像ファイルを削除し、陳力銘の事件に関わる刑事証拠を隠滅し、国家の司法権の行使を著しく妨害した。しかし、削除された電磁記録が何らかの理由で復元されたことを発見した後に自発的に東京エレクトロンに通報し、東京エレクトロンは事件の経緯を捜査機関に書面で報告している。また、本裁判所における第2回準備手続において罪を自白したことは、判決確定前の自白の事由に該当する。したがって、刑法第166条の規定に基づいて減刑又は免除されるべきであり、判決の結果に示された刑を量定した。また、捜査や審理の手続きを経たことで、警戒心を強め再犯のおそれはないはずであり、刑の執行を当面停止することが適切であるため、執行猶予と保護観察処分が言い渡された。

(6) 被告東京エレクトロン
被告東京エレクトロンは、従業員の監督の点で企業の社会的責任を果たしておらず、かつ、同社の陳力銘への業績評価には、「既存の顧客リソースを効果的に活用して、プロジェクト判断に役立つ価値ある情報を入手した」、「顧客と競合他社の情報など、社内では容易に入手できない情報を収集できた」等の評価コメントが記載されており、被告東京エレクトロンが、従業員の陳力銘が過去の関係を利用してTSMCの入手困難な社内情報を不正に収集し、TSMCの営業秘密を侵害した可能性があることを十分に認識していたことが明らかである。しかし、被告東京エレクトロンは罪を認め、積極的に検察官の捜査とTSMCの内部調査に協力し、本件がTSMC、半導体産業の国際競争力、国家の経済安全に与える危害の低減に尽力し、親会社である日本東京エレクトロンがTSMCと和解して相当額の支払いに同意しただけでなく、積極的に防止措置の検討及び構築というという積極的な具体的行動を起こしていることを踏まえ、判決の結果に示された刑と執行すべき刑を量定した。また、捜査や審理の手続きを経たことで、警戒心を強め再犯のおそれはないはずであり、刑の執行を当面停止することが適切である点、従業員である陳力銘の行為はTSMCの営業秘密の侵害し国家核心技術に関わる犯行であり、TSMCに一定程度の危害をもたらした点を考慮し、執行猶予と条件付きの判決が言い渡され、判決確定の日から1年以内にTSMCに1億台湾元(約4億9,800万円)を支払い、国庫に5,000万台湾元(約2億4,916円)を納付するよう命じられた。

4. 合議体:張銘晃・審判長、馮浩庭・裁判官、彭凱璐・裁判官

5. 本判決は上訴可能

3.模倣品関連

(2026.04.27 刑事警察局ニュース全訳)
3-1 刑事局は海賊版ゲームのプライベートサーバー産業チェーンを捜査し、ゲームサーバールーム、運営会社及びソフトウェア会社を取り締まった 権利侵害市場価格は1億台湾元超
www.cib.npa.gov.tw/ch/app/news/view?module=news&id=1885&serno=725f53cc-2b1a-4757-86dd-c112905e1e1e
1. 捜査部署:刑事警察局知的財産権捜査大隊(偵三隊)
2. 捜査期間:2025年11月~2026年3月。
3. 捜査した場所:台北市内湖区、台北市大安区、台北市北投区、桃園市中壢区、桃園市蘆竹区、台中市北区、台中市西屯区。
4. 容疑者:劉(1994年生まれ)、林(1995年生まれ)、陳(1991年生まれ)、陳(1985年生まれ)、陳(1994年生まれ)、黄(1985年生まれ)、余(1988年生まれ)ら7人。
5. 押収された証拠物:ゲームサーバールームのサーバー本体18台、PC本体4台、携帯電話6台、通帳一式、現金43万9,200台湾元(約218万円)、運営会社の銀行口座の358万7,000台湾元(約1,782万円)。
6. 事件の概要:
(一) 台湾の著名なオンラインゲーム会社は先日、所有する有名なオンラインゲームのゲームコンテンツ、素材等の著作物及び商標が海賊版のプライベートサーバーにおいて違法に複製されており、ゲーム内にはオリジナルメーカーの商標が表示され、ゲームコンテンツ及び画面は完全に同一で、オリジナルメーカーの著作権及び商標権が侵害されていると主張して告訴した。これを受け、台湾台北地方検察署は、プロジェクトチームを立ち上げて捜査するよう、即座に偵三隊に指示した。
(二) プロジェクトチームによる半年に及ぶ捜査の結果、海賊版のプライベートサーバーは運営会社の劉ら5人の容疑者が中心となって運営されており、彼らは海賊版ゲームソフト会社の黄から海賊版ゲームの運営プログラムを購入又はレンタルした後、黄の仲介で海賊版ゲームサーバールーム会社の余からサーバーをレンタルし、ゲーム運営プログラムをサーバーに搭載した後、プレーヤーが接続して遊ぶことができる海賊版ゲームのプライベートサーバーの運用を開始し、バーチャルアイテムを販売して違法に利益を得ていた。捜査を経て、2025年初めの運営開始から2025年11月までの間に約1,000万台湾元(約4,970万円)を違法に得ていたことが判明した。十分に証拠を収集した上で、2025年11月20日、2026年1月14日及び3月26日に、台北市、桃園市及び台中市等7か所を三回捜索した。運営会社の劉、林、陳、陳、陳、ゲームソフト会社の黄及びサーバー会社の余ら7人の身柄を確保し、ゲームサーバールームのサーバー本体18台、PC本体4台、携帯電話6台、通帳一式、現金43万9,200台湾元(約218万円)等の大量の証拠物を差し押さえた。権利侵害市場価格は1億台湾元(約4億9,700万円)に達すると推定される。違法所得を確実に追徴するため、台湾台北地方裁判所は運営会社の銀行口座の358万7,000台湾元(約1,782万円)の差押えを決定した。本件は著作権法及び商標法違反等の容疑で台湾台北地方検察署に送られた。
(三) 刑事警察局は民衆に対し、出所不明又は違法に構築されたオンラインゲームのプライベートサーバーを使用せず、正規品を支持し、知的財産権を尊重するよう呼びかけた。違法プライベートサーバーは権利を侵害し利益を得るだけでなく、プレーヤーのアカウント、アイテム、金銭の安全について保障せず、サーバーが閉鎖又は摘発された場合に損害賠償請求することはできない。正規ルートで合法のゲームをダウンロードすることで初めて安全が確保される。

(2026.04.28 聯合報全訳)
3-2 450万台湾元のブランド腕時計が2万台湾元?ロレックス、リシャール・ミルを完全コピー 8,000万台湾元の権利侵害を行った偽造腕時計グループが検挙された
台中市の陳(男)、屏東県の蘇夫婦は偽造腕時計グループを立ち上げ、陳がインターネットで受注して中国から部品を輸入し、蘇夫婦は改造を担当して、ロレックス、パテック・フィリップ、リシャール・ミル等の高級ブランド腕時計を偽造していた。正規品では数十万台湾元から数百万台湾元(1台湾元は約4.97円)する腕時計をわずか数万台湾元で販売しており、その中には、正規品で450万台湾元(約2,237万円)するリシャール・ミルの高級ブランド腕時計の偽造品をわずか2万台湾元(約9.94万円)で販売していたケースも存在していた。2022年から現在に至るまで犯行に及んでいた疑いがある。刑事局は情報を把握した後、昨年2回捜索し、偽造腕時計、部品等の証拠物を押収した。権利侵害市場価格は8,000万台湾元(約3億9,800万円)を超えた。警察の取り調べの後、商標法違反の罪で送検された。
刑事局知的財産権捜査大隊は昨年7、8月にある偽造品グループがFacebookでグループを作成し、ロレックス、パテック・フィリップ、リシャール・ミル等の高級ブランド腕時計を販売しており、「オリジナルメーカーの復刻版腕時計の販売、加工・改造を提供する」とうたって客を勧誘しているとの通報を受けた。証拠を収集してオリジナルメーカーに送り鑑定したところ、確かに偽造品であることが確認された。プロジェクトチームが立ち上がり、捜査が開始された。
プロジェクトチームによる長期間の調査、証拠収集、張り込み・尾行の結果、本件は陳(男、27歳)が中国から高級ブランド腕時計の偽造品や部品を輸入し、Facebookにグループを作成した後、屏東県の蘇(男、51歳)、雷(女、53歳)夫婦に改造を委託しており、陳は偽造腕時計1本につき3,000元(約14,900円)の利益を得、部品等のコストを差し引いた残りの利益を蘇夫婦が等分した。
プロジェクトチームは昨年10月に2回捜索を行い、陳ら3人を連行し、ロレックス、パテック・フィリップ、リシャール・ミル等の偽造ブランド腕時計61本、部品300点余り、腕時計の蓋・針・バンドの着脱工具等の器具を押収した。警察による取り調べの後、商標法違反の容疑で台中地方検察署に送られる予定である。
警察の調査によると、陳らが偽造した国際的に有名なブランド腕時計の真正品は単価が30万台湾元(約149万円)から数百万台湾元まで様々であるが、偽造品の販売価格はわずか8,000台湾元(約39,800円)から2万6,000台湾元(約12万9,000円)で、真正品との価格差は数十倍から数百倍であり、なかでも、リシャール・ミルの高級ブランド腕時計の一本の偽造品に関しては、正規品の価格が450万台湾元(約2,240万円)のところ、わずか2万台湾元(約9万9,400円)で販売されていた。本件の権利侵害市場価格は8,000万台湾元(約3億9,800万円)を超えると推定され、商標権者の法益の侵害は甚大である。
刑事局は、本件は商標権侵害に関わるものであり、このような偽造行為は知的財産権を侵害するだけでなく台湾の国際イメージと産業の競争力を低減させ、悪貨は良貨を駆逐するという悪循環を形成すると訴えており、消費者に対し、公式の販路であるかを確認して出所不明の商品を購入しないよう呼びかけ、共に台湾の知的財産権を保護していくよう呼びかけた。

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