発行:特許庁委託(公財)日本台湾交流協会
台湾知的財産権ニュース
(No.350)
発行年月日:2023年8月31日発行
主要ニュース目次
1. 智慧局ニュース
(2023年8月23日 智慧局ニュース全訳)
1-1 智慧局「専利出願書類チェック補助システム」の研修を開始
(2023年8月24日 智慧局ニュース全訳)
1-2 「早く遅く/自由自在」意匠出願の加速審査と改訂後の実体審査繰り延べ請求を2023年9月1日に開始
2. 模倣品関連
(2023年8月24日 聯合報要訳)
2-1 納車景品の模倣品に注意 警察が押収した模倣品3,729件の市場価値700万台湾元
1.智慧局ニュース
(2023.08.23 智慧局ニュース全訳)
1-1 智慧局「専利出願書類チェック補助システム」の研修を開始
www.tipo.gov.tw/tw/cp-85-925648-66756-1.html
出願人(代理人)による出願時の文字の記載ミスの減少に寄与するよう、専利法関連規定に基づき専利書類をチェックし、ミスを指摘することは、出願書類が専利法及び専利法施行細則などの関連規定に符合し、出願人(代理人)による出願書類の品質と効率の更なる向上に繋がり、智慧局との公文書のやり取りの時間を減少させることにもなる双方ウィンウィンの結果が望めるものである。
本局が開発した「専利出願書類チェック補助システム」は、上述した目的を達成できる可能性があり、当該システムは要約、明細書及び専利請求の範囲の各部分の内容についてチェックするもので、主に形式上の問題を重点的にチェックするものである。出願人(代理人)に速やかに当該システムの操作に慣れ、使用方法を習得してもらうべく、9月13日、27日(水)14時~17時の2回にわたり、智慧局18Fのホールにて研修を開催するので、各界奮ってご参加いただきたい。(上記リンク先の「相關連結(関連リンク)」から希望の回をクリックして申し込みすること)
※専利出願書類チェック補助システムについては智慧局ウェブサイトの「112年業務座談會之業務報告」(https://www.tipo.gov.tw/tw/cp-69-924765-1aed5-1.html)の「簡報5_專利商標小提醒」39~42ページで紹介されている。39ページの抜粋翻訳は以下のとおり。
「専利出願書類チェック補助システム」の構築について
<目的>
・ あらかじめ専利の要約、明細書及び専利請求の範囲の各部分のテキスト内容について用語の不一致や重複をチェックして出願人に提供し、専利出願の審査の際の文字の記載ミスによる補正のやり取りの時間を減少させる。
・ 本システムは専利法関連法規に基づき専利書類(要約、明細書及び専利請求の範囲)の内容についてチェックを行い、専利書類が専利法及びその関連規定に符合するようミスを指摘するものである。
・ 本システムのチェック項目は主に「形式上の問題」であり、実体内容についてはやはり出願人自ら確認しなければならない。
<注意事項>
・本システムはすでに設計完了しており、現在「システムテスト」を実施中。
・2023年下半期には構築完了し、外界への提供並びに研修を予定。
(2023.08.24 智慧局ニュース全訳)
1-2 「早く遅く/自由自在」意匠出願の加速審査と改訂後の実体審査繰り延べ請求を2023年9月1日に開始
topic.tipo.gov.tw/patents-tw/cp-750-925650-1fdcd-101.html
意匠出願人の出願戦略、ポートフォリオ展開及び商品化スケジュールを考慮し、智慧局は2023年9月1日、加速審査請求の受理及び意匠出願の実体審査繰り延べ請求期間の調整を含む意匠の多元的な審査サービスを開始する。各界に広く利用いただきたい。
1. 意匠出願の加速審査請求
出願人は以下の3種類の事由のいずれか一つに該当すれば、関連書類を完備した後2か月以内に審査結果の通知を受け取ることができる。
(1) 第三者による商業実施
(2) 国内外で著名なデザイン賞を受賞した意匠
(3) スタートアップ企業の意匠出願
2. 意匠出願の実体審査繰り延べ請求
出願が優先権を主張しているか否かを問わず、審査繰り延べ請求の期間は一律に出願日から1年以内とする。
※各作業方案及び関連資料は上記智慧局ウェブサイトのリンク先の「檔案下載(ファイルダウンロード)」からダウンロード可能(中国語)。作業方案及び「設計專利加速審查試行作業方案答客問」の日本語訳は、「台湾知的財産権情報サイト(https://chizai.tw/)」の法令・審査基準等/施行細則・行政規則等(https://chizai.tw/legal/)からダウンロード可能。
2.模倣品関連
(2023.08.24 聯合報要訳)
2-1 納車景品の模倣品に注意 警察が押収した模倣品3,729件の市場価値700万台湾元
林という男は、BMWの抱き枕、MINIのぬいぐるみ及びPorscheの傘等、自動車関連の模倣品を中国のインターネットショッピングで購入し、インターネット上で市場より3割安い価格で自動車業界の営業マンに納車時の景品として販売し、半年間で100万台湾元(約459万円)近い利益を得ていた。保二総隊(保安警察第二總隊)偵三隊はドイツのBMW社からの通報を受け、インターネット上で数多くの自動車関連ブランド商品を販売している林を突き止め逮捕した。押収した模倣品は3,729件、市場価格にして700万台湾元(約3,210万円)を超えるものであった。
警察の調査によると林は2022年10月から2023年3月までの間、中国から150~300台湾元(約690円~1,380円)で模倣品を購入し、真正品の帽子が市場価格1,800台湾元(約8,260円)、傘は販売価格3,700元(約17,000円)であるのに対し、500~1,000元(約2,300~4,590円)程度の価格で販売していた。
保二総隊が押収した模倣品を鑑定に送った結果、真正品にはオリジナルメーカーのシリアルナンバー、セキュリティーラベル及びバーコードが付き、傘にはパッケージ袋と箱パッケージがあるのに対し、模倣品はセキュリティーラベル、シリアルナンバーは無く、ただタグがあるのみで、模倣品の傘は傘袋がついてるだけであった。
警察の取り調べ後、林は商標法違反により書類送検された。警察は自動車のブランド品を購入する際は、購入する商品の品質及び真実性を確保するため、公式サイトより購入するよう民衆に呼びかけ、また騙されないよう消費者は商品の商標とパッケージが完璧な表示及び識別があるかに充分注意するよう注意を促した。
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