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知財ニュース340号

発行:特許庁委託(公財)日本台湾交流協会
台湾知的財産権ニュース
(No.340)
発行年月日:2023年1月31日・2月15日合併号

主要ニュース目次

1. 智慧局ニュース
(2023年2月6日 智慧局ニュース全訳)
1-1 「専利権存続期間延長許可弁法」第4条、第10条改訂草案の改訂予告
(2023年2月6日 智慧局ニュース全訳)
1-2 ユーザーの専利・商標案件状況把握の一助となるよう、本局は「ダッシュボード」サービスを新設、即日より対外サービス開始
(2023年2月10日 智慧局ニュース全訳)
1-3 2022年智慧局が受理した専利商標出願概況
(2023年2月10日 智慧局ニュース全訳)
1-4 智慧局公布の2022年専利出願ランキング上位100社

2. 知的財産権紛争
(2023年2月5日 聯合報全訳)
2-1 映画・ドラマの権利侵害 安博盒子の責任者を起訴

1. 智慧局ニュース

(2023.02.06 智慧局ニュース全訳)
1-1 「専利権存続期間延長許可弁法」第4条、第10条改訂草案の改訂予告
www.tipo.gov.tw/tw/cp-86-918116-8aab5-1.html
経済部 公告
発行日:2023年2月6日付け経授智字第11252800060号による公告予告
主旨:「専利権存続期間延長許可弁法」第4条、第10条の改訂草案
依拠:行政手続法第151条第2項を準用する第154条第1項
公告事項:
一、 改正機関:経済部
二、 改正依拠:専利法第53条
三、 専利権存続期間延長許可弁法第4条、第10条改訂草案は、上記リンク先の智慧局サイトの「檔案下載(ファイルダウンロード)」を参照のこと。本案は別途、経済部智慧財産局全球資訊網(http://www.tipo.gov.tw
)、及び経済部主管法規査詢系列/草案預告論壇(https://law.moea.gov.tw/DraftForum.aspx)(又は「経済部全球資訊網トップページ/法規及び訴願/草案預告」に掲載しておりウェブページからリンク可能(全て中国語)。
四、 公告内容にご意見又はご提案がある場合、本公告の掲載後60日以内に下記に意見陳述又はお問い合わせ願いたい。
(1) 担当部署:経済部智慧財産局法務室
(2) 住所:台北市辛亥路二段185号3F
(3) 電話:(02)2376-7771
(4) FAX:(02)2735-1946
(5) E-mail:ipold@tipo.gov.tw

                           専利権存続期間延長許可弁法第4条、第10条改訂草案総説明
専利権存続期間延長許可弁法(以下、「本弁法」と略称)は1997年1月1日に施行公布、4回の改訂を経ており、直近の改訂施行日は2018年4月1日である。専利権存続期間延長の審査実務のニーズに合わせ、また行政手続作業を簡略化し、審査効率を向上させるため、本弁法第4条、第10条を改訂する。改訂の要点は以下となる。
一、 専利主務官庁は、出願人が提出した医薬品中央目的事業主務官庁が薬品許可証発行に必要な国内外の臨床試験期間であると確認した審査・許可済資料に基づき、専利権存続期間延長の認定基準とすることができ、出願人から送付された資料を、再度医薬品中央目的事業主務官庁に送付して確認を要請する必要はない。(改訂条文第4条)
二、 今回の改訂施行日を明文化。(改訂条文第10条)

(2023.02.06 智慧局ニュース全訳)
1-2 ユーザーの専利・商標案件状況把握の一助となるよう、本局は「ダッシュボード」サービスを新設、即日より対外サービス開始
www.tipo.gov.tw/tw/cp-85-918103-4e2b8-1.html
ユーザーが自分の案件状況を簡単・迅速に把握する一助となり、自発的・個人的に専用情報を提供し、正確かつ迅速に専利・商標案件情報を提供するため、本局は智慧財産權e通網站(智的財産権eネットサイト)に「我的儀表板(ダッシュボード)機能を新設し、2023年2月6日より正式に対外サービスを提供する。
「我的儀表板」サービスはクロスブラウザ対応で、知財権情報、専利・商標公文書及び納付情報を提供し、認証を通してウェブページ上で電子公文書の署名・ダウンロードを行い、出願中の案件検索、又はオンライン手数料決済システムにリンクし費用検索、オンライン決済及び電子領収書のダウンロードを行うことができる。新たに電子申請システム(E‐SET)をインストールする必要はなく、ユーザーがより気軽に専利・商標案件の進捗及び最新の知財権情報を把握でき、案件管理の効率を向上させるものとなっている。各界多いに利用していただきたい。
※智的財産権eネットサイト及び該サービス機能の紹介は、上記リンク先の智慧局サイトの「檔案下載(ファイルダウンロード)(中国語:智權管理數位服務平台-我的儀表板功能簡介)、「相關連結(関連リンク)」(中国語:智慧財産權e通網站)を参照。

(2023.02.10 智慧局ニュース全文)
1-3 2022年智慧局が受理した専利商標出願概況
www.tipo.gov.tw/tw/cp-87-918130-98719-1.html
2022年智慧局が受理した専利(特許、実用新案、意匠の3種を含む)出願件数は72,059件で、前年比0.8%の微減となり、そのうち特許(50,242件)が2%増で直近10年の最高となり、実用新案(14,662件)、意匠(7,155件)はいずれも7%減となった。商標登録出願は122,320区分(94,778件)で横ばいであった。審査実績については、特許の平均FA期間は8.8か月で、商標は5.2か月となり、合理的な審査期間を安定的に維持した。

台湾人による特許出願は安定横ばい
台湾人による特許出願件数は19,400件で前年比0.8%の微減となったが、それは主に個人、研究機関による出願件数が減少したもので、企業は1%増、教育機関も7%増となった。実用新案出願件数は13,669件(前年比6%減)で、意匠出願件数は3,411件(前年比3%減)となり、個人及び企業による出願件数の減少が主因となったが、減少幅は2021年と比べると落ち着いてきている(表1参照)。

外国人による特許出願件数が成長 日本が国別で第一位
外国人による特許出願件数は30,842件で4%の成長となり、専利3種の中で主要な出願タイプとなった。実用新案、意匠はそれぞれ993件、3,744件と減少した(表1、図3参照)。
外国人による出願の国別上位5国(地域)では、日本が引き続き第1位となり、3種の専利の合計出願件数は13,128件で前年比1%減となった。次いで米国(8,517件:7%増)、中国(4,424件:4%増)、そして韓国(2,775件)は前年比16%増で、国別上位5位の中で最高の成長率となった。専利の類型を見てみると、特許及び意匠の出願件数はいずれも日本が最多で、実用新案は中国が最多である(図4参照)。

台湾が受理した商標登録出願件数が安定 台湾人出願人の件数増加
商標については、台湾が受理した商標登録件数が122,320区分(94,778件)で、直近20年で2021年の123,217区分(95,917件)に次ぐ最多件数となった。そのうち、台湾人出願人によるものが74,326件で前年比1%増、外国人出願人によるものが20,452件で前年比9%減となった(表1、図5、図7参照)。
国別(地域)商標登録出願件数では、中国が4,324件で最多となり、第2位、の米国(3,572件)、第5位の香港(1,120件)はいずれも減少したが、第3位の日本(3,546件)は3%増となった(図8参照)。

台湾法人による商標登録出願は統一企業が連続3年首位 外国法人による出願ではAplus digitalが最多
台湾法人の統一企業による登録出願は834区分で、2020年から第1位となっており、次いで王品餐飲(189区分)、金車公司(163区分)となった。外国法人ではAplus digitalの出願が150区分で最多となり、次いでテンセント、ジョンソンエンドジョンソン(それぞれ94区分)となった(図9、図10参照)。
台湾法人による商標登録出願の主な区分では、第35類(広告、企業経営等)が15,220区分で最多となり、次いで第30類(コーヒー、茶及びケーキ等)が7,308区分、第43類(レストラン、宿泊等)が7,206区分となり、コロナ禍によりネットショッピング、遠隔テクノロジー、電子ゲーム等第41類(教育、娯楽)及び第9類(コンピュータ及びテクノロジー製品等)がそれぞれ7.5%と2.0%成長した(図11参照)。
外国法人については、第9類(コンピュータ及びテクノロジー製品等)が4,493区分で最多となり、類別上位5位は、第42類(科学及び技術的役務)を除き、いずれも2%~21%減となった(図12参照)。

専利・商標審査は合理的審査終結期間を安定維持 企業の産業レイアウトを適時サポート
審査の質及び効率の両立化のもと、企業が迅速に権利取得してタイムリーな産業レイアウトを実施できるよう特許、商標の平均審査終結期間は14.3か月、6.5か月を維持している。

智慧局公布の2022年専利商標出願概況の詳細については、上記リンク先の智慧局サイトの檔案下載(ファイルダウンロード)「受理專利商標申請概況(圖表)」(中国語)を参照。

(2023.02.10 智慧局ニュース全訳)
1-4 智慧局公布の2022年専利出願ランキング上位100社
www.tipo.gov.tw/tw/cp-87-918131-97175-1.html
智慧局が公布した2022年専利出願及び証書発行統計ランキングの、特許、実用新案、意匠の3種の専利において、台湾法人ではTSMCが1,534件で7度目の第1位となり、外国法人ではアプライドマテリアルズが881件で初の第1位となった。3種の専利の証書発行数について、TSMCが1,196件及びクアルコムが573件でそれぞれ台湾法人及び外国法人のトップとなった。

台湾法人上位100社による3種の専利出願件数は5年連続プラス成長 TSMCは7年連続第1位
台湾法人による3種の専利の上位10社は半導体、ディスプレイ及び情報通信産業に集中している。そのうちTSMCの専利出願件数は1,534件で、2016年から安定の第1位となっており、次いでエイサー(530件)、AUO(505件)となった。メディアテック(412件)もまた前年比58%増で直近3年の最高となった。Nanya(371件)、イノラックス(336件)の出願件数もいずれも直近10年で最高記録となった(表1参照)。
2022年の台湾法人上位100社による3種の専利の出願件数は12,771件で、前年比4%増となった。企業と教育機関による出願件数が増加しており、特許(9,555件)、意匠(793件)がそれぞれ4%、14%の成長となった。このほかに、企業と研究機関もまた実用新案(2,423件)の前年比3%増をもたらした(図1、図2参照)。

台湾の銀行による3種の専利出願第1位は合作金庫 兆豊銀行は特許出願件数で第1位
台湾の銀行6行が、3種の専利出願件数上位100社にランクインした。そのうち合作金庫は220件で銀行での第1位となり、次いで台湾銀行が214件、兆豊銀行205件が第3位となり、兆豊銀行の特許出願件数は第1位となった(53件)。このほかに、台新銀行は87件で3種の専利出願件数上位100社に初のランクインとなった(表3参照)。

城市科大が台湾の教育機関による3種の専利出願件数の第1位 成功大学は特許出願件数最多
台湾の3種の専利出願件数上位100社にランクインした28校の教育機関において、城市科大(162件)は連続3年第1位となった。特許では、成功大学が135件で第1位となり、次いで陽明交通大学(125件)、清華大学(108件)、台湾大学(77件)となった(表4参照)。

工研院が3種の専利出願件数で研究機関の第1位
研究機関においては、台湾人による3種の専利出願上位100社に2機構がランクインした。工研院(331件)が第8位で、安定した各研究機関の首位を守り、次いで金属センター(87件)が第41位にランクインした(表5参照)。

外国法人による3種の専利出願件数は3年連続プラス成長 アプライドマテリアルズが初の外国法人トップ
外国法人による3種の専利出願件数上位10社は、半導体、情報通信及び化学産業に集中している。その中で、アプライドマテリアルズは881件で初の首位になり、直近10年の最高記録となった。通信産業のクアルコムは763件で第2位となった。サムスン電子は675件で直近10年の最高なり、第3位に浮上した。このほかにメタ・プラットフォームズ(293件)、信越化学(275件)が初の上位10位ランクインとなった(表2参照)。
2022年の外国法人上位100社による3種の専利出願件数は14,556件で、前年比3%増となり、特許(13,069件、全体比90%)の6%増の成長、実用新案(181件)も22%増となったことが主因であった。

智慧局公布の2022年専利出願ランキング上位100社の関連図表・統計については、上記リンク先智慧局サイトの檔案下載「專利百大排名(圖表)」(中国語)を参照。

2.知的財産権紛争

(2023.2.5 聯合報全訳)
2-1 映画・ドラマの権利侵害 安博盒子の責任者を起訴
セットトップボックス業者の台湾安博盒子(UBOX)の責任者、黄博詮は中国の犯罪グループと協力し、映画・ドラマの会員登録を利用し、台湾企業にPCサーバーをレンタルして映画・ドラマの信号源ファイルを搾取し、UBOXユーザーの鑑賞に提供した疑いがあり、新北地検署は昨日(4日)、著作権法違反で黄を起訴した。同案件に協力し、UBOXを販売・インストールした圓陽科技の陳店長及び店員の頼、鄭も併せて起訴した。
起訴では、黄博詮らはUBOXの使用許諾認証を販売し、荒稼ぎするため、「許諾取得版」をかたり、悪徳海賊版業者と権利侵害する川上・川下産業サプライチェーンを形成し、台湾知的財産権の国際的な名声を大いに傷つけたと指摘。4人の被告のうち頼だけが罪を認め、黄はスマホのロック解除を拒否し、残りの3人は態度が悪いことから量刑を重くするよう嘆願した。
芸能人の陳建州がUBOXを使用しオリンピック鑑賞をしてSNSにアップしたことが話題となり、検察・警察は、黄博詮ら3人が一昨年のオリンピック中継放送期間に愛爾達(ALTA)等企業の会員登録を利用し、緯来電視台、八大電視テレビ局等72社の映画・ドラマの信号源ファイルを搾取し、中継サーバールームを通して、UBOXセットトップボックスを購入したユーザーに鑑賞提供するといった方法で映画・ドラマの著作物を違法複製、公開伝送したことを発見した。
検察・警察の追跡調査によると、黄博詮は中国の犯罪グループと協力し、友人らを利用し頭数に充て、ALTA等の複数の合法的OTT(オーバー・ザ・トップ)プラットフォームにアカウントを申請後、アカウント及びパスワードを中国の犯罪グループに提供し、台湾企業にPCサーバーをレンタルし、映画・ドラマの信号源ファイルを搾取し、UBOXを使用して関連コンピュータプログラムをインストールした消費者の鑑賞に提供したことが分かった。

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