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知財ニュース413号

発行:特許庁委託(公財)日本台湾交流協会
台湾知的財産権ニュース
(No.413)
発行年月日:2026年9月15日発行

主要ニュース目次

1. 智慧局ニュース
(2026年8月28日 智慧局ニュース全訳)
1-1 2026年9月2日より専利出願人による「グリーンテクノロジー」分類番号の自発的表記の新制度開始、企業の持続可能なポートフォリオを加速
(2026年9月2日 智慧局ニュース全訳)
1-2 「特許再審査の加速審査(AEPRe)」プログラムを2026年9月1日から1年再試行 ぜひご活用いただきたい
(2026年9月2日 智慧局ニュース全訳)
1-3 「特許願書」、「実用新案願書」の計2様式および出願時の注意事項を改訂する旨を公告し、2026年9月2日より発効。
(2026年9月4日 智慧局ニュース全訳)
1-4 「特許願書」、「実用新案願書」、「意匠願書」、「関連意匠願書」、「優先権主張回復請求書」、「専利補正書」「優先権証明書類請求書」の計7様式およびその出願・請求時の注意事項を改訂する旨を公告し、2026年9月4日より発効。
(2026年9月4日 智慧局ニュース全訳)
1-5 専利出願がより便利に 台米電子交換システムの始動で企業のグローバルポートフォリオ戦略の効率アップ
(2026年9月7日 智慧局ニュース全訳)
1-6 「専利審査基準」第二篇特許の実体審査第1章及び第五篇無効審判第1章の一部内容の改訂予告

2. 知的財産権紛争
(2026年9月2日 経済日報全訳)
2-1 栄成の前管理職者の営業秘密容疑についての一審判決 永豊余工紙はデータ取得について反論

3. 模倣品関連
(2026年9月7日 刑事警察局ニュース全訳)
3-1 悪徳ニセ腕時計チェーン店を経営!刑事局は模倣品ブランド腕時計の大型販売集団を摘発 権利侵害市場価格は1億台湾元を超える

1.智慧局ニュース

(2026.08.28 智慧局ニュース全訳)
1-1 2026年9月2日より専利出願人による「グリーンテクノロジー」分類番号の自発的表記の新制度開始、企業の持続可能なポートフォリオを加速
www.tipo.gov.tw/tw/tipo1/799-93527.html
気候変動に対応し、企業のグリーンテクノロジーに対する研究とイノベーションを支援し、産業のグリーントランスフォーメーションと持続可能な発展をもたらすため、グリーン知的財産権ポートフォリオ戦略を通じて、企業の持続可能な発展という目標を達成させる。グリーンテクノロジーの専利出願について、2026年9月2日より、出願人が特許または実用新案を出願する際、その発明または創作をグリーンテクノロジー分類番号として表記し、本局の審査・確認を経た後、その情報は当該専利出願の公開または公告資料とともに表示される。
本局は、産業界が迅速にグリーンテクノロジー専利であることを識別できるよう、気候変動の緩和または適応技術や応用に関連する共同特許分類(CPC)であるY02類から補足情報を導入する。下記のグリーンテクノロジーに関する専利出願の条件を満たした場合、出願人は出願時の専利出願書類に、共同特許分類のY02分類の内容に基づいて記載することで、その発明または創作がグリーンテクノロジーに属する旨を記載することができる。
(1) 省エネ技術、新エネルギー、新エネルギー自動車等の技術分野に関わる特許または実用新案の出願。
(2) 脱酸素技術及び使用する資源の節約に関わる特許または実用新案の出願。

詳細については、上記リンク先の智慧局サイトの「檔案下載(ファイルダウンロード)」からダウンロード可能(中国語)。

(2026.09.02 智慧局ニュース全訳)
1-2 「特許再審査の加速審査(AEPRe)」プログラムを2026年9月1日から1年再試行 ぜひご活用いただきたい
www.tipo.gov.tw/tw/tipo1/799-93595.html
1. 本局は、2024年9月1日から「特許再審査の加速審査(AEPRe)」プログラムを試行している。試行開始以来、出願人が提出したAEPReプログラムの申請から審査結果までの平均期間はわずか24.5日であり、出願人・代理人から高く評価されている。本プログラムの良好な実績を鑑み、本局は引き続き1年試行することを決定した。各界の皆様におかれては、専利審査とポートフォリオ戦略を加速し、イノベーション産業の競争力向上のため、多いにご利用いただきたい。
2. AEPReプログラムは、初審の査定理由で一部の請求項のみ拒絶され、一部の請求項は拒絶されていない再審査案件について、再審査の際に、初審の意見に基づき自ら特許請求の範囲を初審で認定された登録査定の範囲に修正することを出願人に奨励するものである。出願人がAEPReプログラムをその申請戦略として採用する場合、AEPReプログラムにより再審査案件は加速審査の対象となる。
3. 2024年9月1日から2026年8月31日までの24か月の期間において、本局は合計83件のAEPRe申請を受理した。申請時点で不適格であった2件と、最初の審査意見が未発行であった3件を除き、残りの78件は出願人がAEPRe申請を提出してから審査結果を受け取るまでの平均審査期間がわずか24.5日であった。一般の再審査案件では、審査結果の受け取りまで約10~13か月かかることと比較すると、AEPReを実施することは出願人にとって大きな利益をもたらしており、出願人が専利を迅速に取得するのに有効である。

※AEPReプログラム、Q&A及び請求項の補正例、並びに、AEPReの申請書、申請の注意事項及び記入例については、上記リンク先の「相關連接(関連リンク)」を参照。

(2026.09.02 智慧局ニュース全訳)
1-3 「特許願書」、「実用新案願書」の計2様式および出願時の注意事項を改訂する旨を公告し、2026年9月2日より発効。
www.tipo.gov.tw/tw/tipo1/799-93588.html
主旨:「特許願書」、「実用新案願書」の計2様式および出願時の注意事項を改訂する旨を公告し、2026年9月2日より発効。

根拠法:専利法施行細則第2条第2項。

公告内容:
2026年9月2日発布のグリーンテクノロジー専利出願の申請事項に基づき、「特許願書」および「実用新案願書」に、出願人がグリーン専利を主張するための関連欄を追加する。

上記で公告した改訂願書については、下記智慧局サイトから「專利主題網」/「申請表單」/「專利申請表格暨申請須知」の順でダウンロード可能(中国語)。
www.tipo.gov.tw/tw/patents

(2026.09.04 智慧局ニュース全訳)
1-4 「特許願書」、「実用新案願書」、「意匠願書」、「関連意匠願書」、「優先権主張回復請求書」、「専利補正書」「優先権証明書類請求書」の計7様式およびその出願・請求時の注意事項を改訂する旨を公告し、2026年9月4日より発効。
www.tipo.gov.tw/tw/tipo1/799-93631.html
主旨:「特許願書」、「実用新案願書」、「意匠願書」、「関連意匠願書」、「優先権主張回復請求書」、「専利補正書」「優先権証明書類請求書」の計7様式およびその出願時の注意事項を改訂する旨を公告し、2026年9月4日より発効。

根拠法:専利法施行細則第2条第2項。

公告内容:
一. 2026年9月4日発布の台米専利優先権証明書類電子交換作業要点に基づき、上記の書類において、優先権主張の基礎となる案件が米国案件の場合、優先権電子的交換(PDX)を申告する欄を追加する。
二. 上記で公告した改訂書類については、下記智慧局サイトから「專利主題網」/「申請表單」/「專利申請表格暨申請須知」の順でダウンロード可能(中国語)。
www.tipo.gov.tw/tw/patents

(2026.09.04 智慧局ニュース全訳)
1-5 専利出願がより便利に 台米電子交換システムの始動で企業のグローバルポートフォリオ戦略の効率アップ
www.tipo.gov.tw/tw/tipo1/891-93619.html
台湾と米国の専利審査協力が新たな段階に突入!智慧局は本日(4日)、2023年11月22日に、駐米国台北経済文化代表処(TECRO)と米国在台協会(AIT)の間で「台米専利情報の安全交換に関する覚書」が締結されたことを受け、智慧局と米国特許商標庁がサービス提供および情報システム連携の構築などの準備作業を完了したと発表した。これにより、2026年9月4日から「台米専利の優先権証明書類の電子的交換(Priority Document Exchange:PDX)」のサービスを正式に開始し、台湾の専利に関する国際審査協力の新たなページが開かれた。

智慧局は、グローバル企業の専利出願効率を向上させるため、各国の専利主務官庁が提携協力に尽力していると説明した。2013年から、台湾は日本、韓国と専利の優先権証明書類の電子的交換をすでに展開している。電子的交換の作業を通じて、両国の専利出願人が国際優先権を主張する際に必須となっている優先権証明書類の提出の越境出願手続きが簡略化され、出願人が紙の証明書類を提出する時間とコストの削減を可能にし、また専利審査の業務にも資するものとなっている。

またさらに智慧局は次のように説明した。米国は長らく台湾人による外国への専利出願最多国であり、毎年の出願件数は約2万件である一方で、米国人出願人による台湾への出願件数は毎年約7千件で、台湾における外国人出願第2位となっている。さらに、台湾と米国の出願人間の専利出願手続きをさらに簡素化し、台湾と主要特許庁間の審査協力を継続的に拡大するため、台米双方は今年(2026年)9月4日に、専利の優先権証明書類の電子的交換の提携を成功裏に開始した。今後は、出願人により電子的交換が申告された案件については、台湾、米国の双方の専利主務官庁が直接電子的に書類交換を行い、出願人の負担を大幅に低減させ、台湾人が米国での専利出願する際の利便性が向上すると共に、米国から台湾への専利出願の際にも役立ち、台米出願人にとってウィンウィンの状況が促進される。

今回の提携の各作業説明について、智慧局はすでに「台米専利の優先権証明書類の電子的交換の作業要点(中国語:臺美專利優先權證明文件電子交換作業要點)」、作業説明とQ&Aを公布しているので、出願人は智慧局の専利主題網(https://www.tipo.gov.tw/tw/patents/)の優先権(https://www.tipo.gov.tw/tw/patents/531.html)を参考とすることが可能である。

*直近5年の台湾、米国の専利出願案件の統計は上記智慧局リンク先の檔案下載(ファイルダウンロード)から参照可能(中国語PDF)。

(2026.09.07 智慧局ニュース全訳)
1-6 「専利審査基準」第二篇特許の実体審査第1章及び第五篇無効審判第1章の一部内容の改訂予告
www.tipo.gov.tw/tw/tipo1/799-93641.html
審査実務のニーズを適時反映し、見解の一致をはかるとともに、審査の質を向上させるため、専利審査基準第二篇の特許の実体審査第1章「明細書、特許請求の範囲、要約及び図面」と第五篇の無効審判第1章「専利権の無効審判」の一部内容を改訂し、審査基準の更なる改善を図る。

本基準の改訂草案と草案の変更履歴あり版、改訂のポイント説明と改訂前後の対照表は上記智慧局リンク先の檔案下載(ファイルダウンロード)からダウンロード可能(中国語PDF)。本基準の改訂草案の予告内容について何かご意見ご提案がある場合は、2026年9月25日までに以下までご連絡もしくはお問い合わせいただきたい。

(1)担当部署:経済部智慧財産局専利争議審査組
(2)住所:台北市辛亥路二段185号3F
(3)担当者と電話:林佳慧・専利シニア審査官(02)23767670
(4)FAX:(02)23771496
(5)電子メール:chlin30257@tipo.gov.tw

2.知的財産権紛争

(2026.09.02 経済日報全訳)
2-1 栄成の前管理職者の営業秘密容疑についての一審判決 永豊余工紙はデータ取得について反論
栄成紙業(Longchen Paper & Packaging Co., Ltd. /以下、栄成という)の前管理職者の王(男)の営業秘密漏洩疑惑について、昨日一審判決が下され、懲役6か月(罰金への換刑が可能)が言い渡され、併科として150万台湾元(約738万円)の罰金が課された。栄成側は、王が永豊余工業用紙(YFY PACKAGING INC. /以下、永豊余工紙という)に転職後、一部の資料を永豊余工紙の職員に転送したと指摘した。永豊余工紙は反論の声明を発表し、この主張は検察側の起訴状の内容とは異なると述べ、会社および職員は関連する営業秘密資料を入手または使用していないことを強調した。

栄成の主張によると、王・前管理職者は董事長の身近で重要なコア研究開発員として栄成で勤務していたが、2024年末の離職前に、規則に違反して業務用ノートパソコンに百度網盤(Baidu Netdisk)等のソフトウェアをインストールし、外付けモバイルハードディスクを接続して大量の技術ファイルをコピーし、その後すぐに永豊余工紙へ転職したとのこと。

王が大量の技術ファイルを永豊余工紙の業務用ノートパソコンに保存し、さらに一部のデータを永豊余工紙の職員に転送したと栄成は指摘している。栄成は状況を把握次第、自主的に司法機関へ通報した。台北地方検察署は捜査を開始し、関連の証拠物を差し押さえた後、法に基づき公訴を提起した。

栄成が述べるには、知的財産および商業裁判所の審理の結果、王は研究開発管理者および品質管理職員であるにもかかわらず、秘密保持義務を遵守しなかったと認定された。また、王は審理中も栄成の技術情報ファイルを大量に窃取したことを認めたことから、栄成が長年にわたる巨額の投資によって築き上げた市場における競争優位性を深刻に侵害したと認定され、法に基づき懲役6か月(罰金への換刑が可能)に処され、さらに150万台湾元(約738万円)の罰金を併科するとの判決を下された。

しかし、王が「一部のデータを永豊余工紙の職員に転送した」との栄成の主張に対し、永豊余工紙は、検察側の起訴状には、王職員が前職の会社のデータを永豊余工紙または永豊余工紙のいかなる職員にも提供していないと記載されており、栄成の主張は起訴状の内容と異なると述べている。

永豊余工紙の指摘によると、会社が王職員に支給した個人の業務用ノートパソコンおよび個人所有のハードディスクを検察・警察の鑑識で復元したが、コア技術ファイルを誰かに送った形跡はなく、永豊余工紙またはその職員が関連する営業秘密データを取得または使用していないことが立証されたといいう。
永豊余工紙はまた、王職員が永豊余工紙に転職して従事している職務と、元の会社での職務内容とは異なると述べた。会社は、これまで積極的に人材を育成し、対外的に広く人材募集を行ってきたが、故意に同業からヘッドハンティングしたことはないとあらためて表明した。

3.模倣品関連

(2026.09.07 刑事警察局ニュース全訳)
3-1 悪徳ニセ腕時計チェーン店を経営!刑事局は模倣品ブランド腕時計の大型販売集団を摘発 権利侵害市場価格は1億台湾元を超える
www.cib.npa.gov.tw/ch/app/news/view?module=news&id=1885&serno=fd84708a-700a-4331-b8ff-615ec7b530df
1. 捜査部署:
台湾新竹地方検察署(樸股)
刑事警察局知的財産権捜査大隊
台北市政府警察局萬華分署
新竹県政府警察局竹北分署
新竹市警察局第三分署
彰化県警察局刑事警察大隊
高雄市政府警察局左営分署
2. 捜査時期:2025年11月
3. 捜査場所:新北市板橋区、新竹県竹北市、彰化県員林市及び高雄市苓雅区。
4. 容疑者:劉(男、1995年生まれ)、葉(男、2002年生まれ)、黄(男、2003年生まれ)、鄭(女、2000年生まれ)、鄭(女、2006年生まれ)、羅(男、1999年生まれ)、江(男、1992年生まれ)、林(女、1994年生まれ)、陳(男、2001年生まれ)ら計9人。
5. 押収された証拠物:模倣品Rolex、Patek Philippe、Audemars Piguet及びRichard Mille等高級ブランド腕時計86本、検査用工具、修理用部品、修理用工具、研磨機、紙幣計算機、紙幣結束機、1,000元札(撮影用小道具)、通帳、42万台湾元(約206万円)、VIPカード、商品保証書、iPhone16のスマートフォン及びAcerノートブック等。
6. 事件の概要:
(一) 刑事警察局知的財産権捜査大隊が主動する捜査により、Instagramのアカウントに商標権者の使用許諾を得ていないRolex等の商標商品が大量に陳列、販売されているのを発見した。プロジェクトチームが証拠を収集し商標権者に送り、模倣品であることを鑑定により確認した後、直ちに台湾新竹地方検察署に捜査を依頼した。
(二) プロジェクトチームが長期に証拠収集及び張り込みを行い、容疑者の経営拠点を確認した後、2025年11月26日に台湾新竹地方裁判所の捜査令状を持参し、強制捜査に踏み切った。劉ら9人の容疑者を逮捕し、竹北旗艦店兼改造工場及び北部・中部・南部の販売拠点計4か所の現場で模倣品のRolex、Patek Philippe、Audemars Piguet及びRichard Mille等高級ブランド腕時計86本、及び加工改造工具の証拠物一式を押収し、本件は取調べの後、商標法違反の容疑により台湾新竹地方検察署へ移送した。
(三) 主犯である劉の新竹県竹北市に設置された模倣品ブランド時計の販売旗艦店の運営センターを捜査したところ、「販売、保管及び加工」の三位一体の大規模化モデルの経営を採っていた。犯罪範囲を拡大するため、劉容疑者は更にほかの容疑者と共謀し、新北市板橋区、彰化県員林市及び高雄市苓雅区等の北部・中部・南部の各地で加盟店を設置し、模倣品のブランド腕時計を共同販売していた。主犯格の劉容疑者は中国から模倣品腕時計を大量に調達していただけでなく、拠点内に専門の工房を設置し、文字盤、ベルト、ベゼル交換、及びカスタマイズの高度な模倣部品の改造と加工を行っていた。本件の権利侵害市場価格は1億台湾元(約4億9,200万円)とみられ、知的財産権の法益と市場秩序を著しく侵害した。
(四) 商標法の規定に基づき、商標権者の同意を得ず、同一商品に登録商標と同様の物を使用し、電子媒体またはインターネットを通じて、販売または販売を意図して所有、陳列、輸出または輸入をした場合、最も重刑で1年以下の懲役、拘留に処し、または5万台湾元(約24万6,000円)以下の罰金を科し、または併科することができる。刑事警察局は一般の方々に模倣品販売のリスクを軽く見ないよう注意を呼びかけ、今後も引き続き関連の違法案件について捜査を強化し、台湾の知的財産権保護の確保を充実させるとした。

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