発行:特許庁委託(公財)日本台湾交流協会
台湾知的財産権ニュース
(No.408)
発行年月日:2026年6月30日発行
主要ニュース目次
1. 智慧局ニュース
(2026年6月16日 智慧局ニュース全訳)
1-1 商標登録出願にかかる使用を指定する商品・役務名称の更新及び検索参考資料の内容変更の公告
(2026年6月22日 智慧局ニュース全訳)
1-2 本局の知的財産権e網通「我的儀表板(ダッシュボード)」に領収書のダウンロード、専利検索リンク及びインターフェースカスタマイズ等の機能を新設した。多いにご利用いただきたい!
(2026年6月24日 智慧局ニュース全訳)
1-3 台湾専利超級站が医療展に再び登場 スマート医療と精密医療のイノベーションの実力を示す
2. 知的財産権紛争
(2026年6月12日 中国時報第A3面全訳)
2-1 業界は「低レベルのミス」を犯す確率は低いとみており、TSMCはトロールを打ち負かすため、専利の無効審判の提起で反撃ができる
1.智慧局ニュース
(2026.6.16 智慧局ニュース全訳)
1-1 商標登録出願にかかる使用を指定する商品・役務名称の更新及び検索参考資料の内容変更の公告
www.tipo.gov.tw/tw/tipo1/799-87607.html
商品及び役務の分類に適時対応するため、市場の最新動向を参考にまとめ、商標登録出願にかかる使用を指定する商品・役務名称の検討を経て、総計27項目の追加、7項目の削除、14項目のグループ・小類別名称または備考事項の追加・削除・修正を行った(詳細は別表参照)。
以上の変更は2026年7月1日より実施される。商標電子出願システム内の「使用を指定する商品・役務の類別及び名称」も同時に変更する(システムデータの正式な更新日程は、本局情報室の公告を基準とする)。
出願人が「ファストトラック」の運用を希望し、商標電子出願システムによって登録出願する場合、出願前に最新の変更内容を確認すること。願書に記載した使用を指定する商品・役務の名称と電子出願システム内の内容が異なり「ファストトラック」の条件に該当しないとして減免優待を受けられないことがないようにしていただきたい。
「商標登録出願にかかる使用を指定する商品・役務名称(変更後の新バージョン)」の全ての類別資料は、本日より、商標検索システムの「商品及び役務名称分類照会(中国語:商品及服務名稱分類査詢)」
(https://cloud.tipo.gov.tw/S282/S282WV1/#/classification-inquiry/goodname-classification)よりダウンロードできるので、参考にしていただきたい。
※別表は、上記リンク先の智慧局サイトの「檔案下載(ファイルをダウンロード)」からダウンロード可能(中国語)。
(2026.06.22 智慧局ニュース全訳)
1-2 本局の知的財産権e網通「我的儀表板(ダッシュボード)」に領収書のダウンロード、専利検索リンク及びインターフェースカスタマイズ等の機能を新設した。多いにご利用いただきたい!
www.tipo.gov.tw/tw/tipo1/799-87662.html
更にパーソナライズ化された専属サービスを提供するため、本局はユーザーのニーズを中心とし、積極的、迅速にかつ正確に専利及び商標案件の情報プラットフォームを構築した。ユーザーは新電子出願システム(E-SET)をインストールせずともウェブサイトから専利、商標案件の進捗及び最新の知的財産権情報を受け取り、案件管理の効率を向上させることができる。
2023年2月6日より「我的儀表板(ダッシュボード)」を開始して以来、公文書、納付及び案件情報の三大機能を収録し、並びに知的財産権情報サービスを提供している。ユーザーは電子公文書の署名・ダウンロード、出願中の案件検索、又はオンライン手数料決済システムにリンクして手数料検索、オンライン納付及び電子領収書のダウンロードを行うことができ、専利の優先権証明書、商標シーケンス図、専利/商標の電子証書と公報等の案件情報とダウンロードサービスも提供している。
2025年から本年(2026年)の間に、本局は引き続き「我的儀表板(ダッシュボード)」機能の最適化を目指し、著作権及び情報サービスの経費類別電子領収書のダウンロード機能を新設し、各種領収書のダウンロードサービスを収録し、ワンストップのダウンロード体験を提供している。また、専利公告番号及び公開番号から「中華民国専利情報検索システム」にリンクする機能を新設し、ユーザーが迅速に専利データの検索をできるようにした。
このほか、ユーザーエクスペリエンスを向上させるため、本局は操作インターフェースを更に最適化し、動的なダッシュボード及びライト/ダークモード切り替え機能を新設し、ユーザーがニーズに基づき情報の表示内容とインターフェースのスタイルを調整し、更にシンプルで直観的にレイアウトを行うことができるようにした。各界の皆様に多いに活用していただきたい。
※智的財産権e網通及び該サービス機能の紹介は、上記リンク先の智慧局サイトの「檔案下載(ファイルダウンロード)」の「附件_智權管理數位服務平台-我的儀表板功能簡介(中国語)」を参照。
(2026.06.24 智慧局ニュース全訳)
1-3 台湾専利超級站が医療展に再び登場 スマート医療と精密医療のイノベーションの実力を示す
www.tipo.gov.tw/tw/tipo1/891-87680.html
台湾のイノベーション技術の商品化の加速と産業の販路の結びつきを促進するため、経済部智慧財産局(智慧局)は本日(24日)、以下のように発表した。6月25日から27日まで「台灣國際醫療暨健康照護展」(Medical Taiwan)に台湾専利超級站の特設会場を設ける。台湾を代表する専門の展覧会プラットフォームを通じて、専利、産業とマーケットリソースを集約し、潜在力を秘める研究開発成果が医療体系、販売代理店及び産業パートナーと連携するのを支援し、研究開発から実際の応用と市場展開に向けて加速させ、台湾のスマート医療全体の見通しを向上させるものとする。
今年、智慧局は世界の高齢化とデジタル医療の動向について、10項目のイノベーション性と商品化の潜在力を秘める優良専利を再び厳選し、技術の属性により以下の4分野に分類した:
1. 介護用品及びプロテクター分野:
「2WAY電動スクーター・歩行器」、「ポジショニング及び体位支持を調整可能な冷感補助具」及び「ポータブルトイレ」等の専利技術を含む高齢社会及び長期看護のニーズに焦点を当てたイノベーション成果で、年配者及び介護付添人の生活の品質と使用の利便性を向上させる。
2. 医療器材分野:
緊急事態の対応機能を強化する「電気コントロール式緊急避難はしご」、及び痛み治療に応用した「レーザーによる痛み緩和の光照明装置」を含む医療介護及び公共安全を向上させる重要技術を示し、医療設備のイノベーション研究開発成果を見せる。
3. AIスマート医療分野:
デジタル医療とスマートホスピタルの発展の動向に合わせ、「AIに基づいた外科手術室の機器の自動識別と総見直しシステム」を発表し、AI識別とデータ分析技術を通じて、手術室の管理効率と医療の安全レベルを効果的に向上させる。
4. 精密医療と将来を見据えた製薬分野:
「ナノ点眼剤及びその製造方法」、「ヘキサ乳糖NOTA誘導体、ヘキサ乳糖正子肝受容体造影剤のGa-68放射標示方法及びヘキサ乳糖正子肝受容体造影剤」、「口腔癌治療薬の調合のためのポリビニルピロリドン誘導体の用途」、及び「筋肉減少症及びアルコール性肝臓損傷の治療に用いられる発酵穀米加水分解物及びその保健食品組成物への応用」等の専利技術を含む台湾のバイオ研究開発の実力を示し、台湾の新薬開発、診断技術及び精密医療分野のイノベーション力を示す。
専利成果を展示するほか、展覧会二日目(26日)は大会の舞台において「専利の先導者・スマート医療の再進化―産業イノベーション応用例の共有」を開催し、専門家及び専利権者を招き、専利技術の実際の応用及び産業提携の経験について情報共有し、産学研医の分野を超えた協力と技術交流を促進する。
同時に展覧会期間中、「コーヒーを飲みながら専利を語る―専利コンサルティング無料サービス」を提供する。サービス提供時間は6月25日から26日の14時から16時、6月27日の10時から12時までである。業界関係者や一般の方の予約を歓迎する。
智慧局は、専利は企業の市場ポートフォリオの重要な資産だけでなく、更には技術の実際の活用と産業の応用を促進する重要なツールであると述べた。「台湾専利超級站」を通じて、引き続き台湾の専門的展覧会における露出とマッチングを深め、台湾の医療と産業構造に繋がる技術協力を優先すると同時に国際ビジネスチャンスにつなげ、徐々に市場範囲を拡大する。域内外のバイオ専門家、医療機関の調達担当者及び投資機構の方々は6月25日から27日に台北世界貿易センター1館「台湾専利超級站」(ブース番号B0501)にぜひお越しいただきたい。台湾のバイオイノベーションの豊かなエネルギーを共同で確認し、グローバルな健康産業の新たなビジネスチャンスを共に開拓していきたい。
詳細はMedical Taiwanの公式サイト(https://reurl.cc/j6nMDD)より閲覧可能(中国語)。
2.知的財産権紛争
(2026.06.12 中国時報第A3面全訳)
2-1 業界は「低レベルのミス」を犯す確率は低いとみており、TSMCはトロールを打ち負かすため、専利の無効審判の提起で反撃ができる
TSMCは、専利実施許諾を有するアイルランド企業2社から権利侵害訴訟を訴えられている。米国共和党議員は米国国際貿易委員会(ITC)に厳格な法執行を要求する書簡を送り、最も深刻な場合、半導体チップの米国への輸入が禁止されるが、ある半導体アナリストは下記のように指摘した。これは典型的な「パテント・トロール」であり、「お金がほしい」だけで、政治的陰謀などはない。TSMCが対応できる方法は多く、パテント・トロールがこの種の訴訟を提起したとしても敗訴することが多いが、手間を省く場合、費用を払い専利を買い取れば何の影響もでない。
業界関係者は、米国への輸入が全面禁止される確率はほぼゼロに近いが、ITCが本当にTSMC敗訴で排除命令を発した場合、NVIDA、AMD、Apple、インテル、マイクロソフト等の米国テクノロジー大手の全てはチップを入手できず、運営停止に陥ってしまうことになる。かつて米国テクノロジー大手がTSMCと共同で、このようなパテント・トロールに対抗する事例も存在していたと率直に述べた。
米国のトランプ大統領の強力な促進の下、TSMCは米国に対する投資を加速、拡大してきた。財団法人台湾経済研究院産業経済データベースの劉佩真・統括部長も、米国テクノロジー大手企業はTSMCの先端プロセス技術に相当依存しており、専利権侵害が成立した場合、米国は自分の首を絞めるようなもので、米国における先端プロセス技術のバッグアップ不足の状況の下、現在世界のAIチップのエコシステムを断ち切る恐れがあると見ている。
経済部智慧財産局の廖承威・局長もまた、この事件がどのように向かうかは「言える段階ではない」と考えている。権利侵害の可否は、原告が決めることではなく、裁判所に証拠を提出し判断が下されるものである。一般的にパテント・トロールに直面した場合、業界はおおよそ2つの対応方法がある。一つ目は、妥協し被告側が費用を払う。二つ目は「専利の無効審判」を提起し、トロールの専利主張を打ちのめす、またはその権利範囲を縮小させる。廖承威・局長は、攻撃は最も良い防御であり、TSMCは専利戦の経験も豊富で、そのほとんどで勝訴しており、「TSMCに対して自信がある」と指摘した。
半導体アナリストは、下記のように指摘した。「パテント・トロール」をたくさん見てきたが、業界ではこれらのトロールに目を付けられるというのは普通のことである。今日インテルがTSMCを権利侵害で訴えるとしたら、これは大事件であるが、このアイルランド企業は聯電(UMC)から専利を購入し、UMCは成熟プロセスに打ち込んでおり、TSMCのコア技術を脅かすことはまずありえないことから大したことではない。
業界関係者は、以下のように認識している。当該報道は主流メディアではなく、報道の中にはまだ調査されていない多くの争議が存在している。まずは権利侵害を提起しているアイルランドの専利企業が過去に幾度となく様々な専利問題の訴訟を提起しているが、この動機が単純ではない。次に専利の出所がUMCであることが更に不自然で、UMCが2021年にMarlin Semiconductor(アイルランドの特許管理会社)へ譲渡したものがTSMCの現在最も重要な3ナノメートル、2ナノメートルまたはCoWosパッケージング・テスト等の独自の先端プロセス技術に影響することは不可能である。同業界関係者は、米国の議員が圧力をかけている背後で、2社が政治広報またはロビー団体を雇い、議員に圧力をかけるよう要請した確率が非常に高いとみている。
劉佩真・統括部長は、TSMCの各部門の運営はいずれも非常に緻密で、運営上、このような低レベルのミスを犯すことは不可能であり、地政学が介入している部分も多く、これを機にTSMCの長年築いてきた名誉にダメージを与えたいと考えているのではないかと思われると述べた。
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