発行:特許庁委託(公財)日本台湾交流協会
台湾知的財産権ニュース
(No.304)
発行年月日:2020年9月30日・10月15日合併号
主要ニュース目次
1.智慧局ニュース
(2020年10月5日 智慧局ニュース全訳)
1-1 「専利審査基準」第3篇意匠実体審査第1~3、7~9章を改訂し、2020年11月1日より施行
(2020年10月14日 智慧局ニュース全訳)
1-2 「スタートアップ企業積極型専利審査試行作業方案」を制定公布し2021年1月1日より試行
1. 智慧局ニュース
(2020.10 .05 智慧局ニュース全訳)
1-1 「専利審査基準」第3篇意匠実体審査第1~3、7~9章を改訂し、2020年11月1日より施行
www.tipo.gov.tw/tw/cp-85-881881-d8fd4-1.html
一、「専利審査基準」第3篇意匠実体審査第1~3、7~9章を改訂する。
二、 公布令、第3篇意匠の実体審査第1~3、7~9章(訂正線版)、第3篇意匠の実体審査第1~3、7~9(清書版)、第3篇意匠実体審査(全体版)、予告期間における各界からの意見及び検討結果については、上記リンク先の智慧局サイト「檔案下載(ファイルダウンロード)」(中国語)を参照。
(2020.10.14 智慧局ニュース全訳)
1-2 「スタートアップ企業積極型専利審査試行作業方案」を制定公布し、2021年1月1日より試行
www.tipo.gov.tw/tw/cp-85-882548-88be2-1.html
一、 研究開発能力を有するスタートアップ企業が速やかに特許取得の可能性及び証書取得を確認できるよう協力するため、本局は「スタートアップ企業積極型専利審査試行作業方案」の制定を公布し、半年以内に30件の電子式申請を試験的に実施し、方案の対象となる出願人適格、特許出願適格及び実施内容を明確に定める。
二、 「スタートアップ企業積極型専利審査試行作業方案」及び「Q&A」についての詳細は、以下を参照のこと。
★スタートアップ企業積極型専利審査試行作業方案★
研究開発力を有するスタートアップ企業が専利取得の可能性及び証書獲得を迅速に確認できるよう、スタートアップ企業奨励のため本方案を制定する。
本方案は2021年1月1日から半年試行、試行件数30件とし、智慧局は試行状況により引き続き実施するか、本方案を改正するか評価検討を行う。
1. 申請人適格
本方案はスタートアップ企業が申請するものとし、当該スタートアップ企業は特許出願時の出願人で、かつ、本方案の申請時においてなおも当該特許出願の出願人でなければならない。
本方案が適用されるスタートアップ企業は、台湾の会社法又は外国人の本国法に基づき設立され5年未満の事業者となる。前述した5年未満とは、スタートアップ企業の設立日から出願日までが5年未満を指す。
申請案件が優先権を主張したものである場合、会社設立期間の計算は、優先日を出願日の代わりとする。
2. 専利出願適格
特許出願案件は智慧局から実体審査にまもなく入る旨の通知がきた後、まだ最初の審査意見通知が発行される前においては、特許出願人が申請人名称及び会社設立日を明記した申請書を備え、智慧局が定めた電子的方法によりこれを申請することができる。
申請人が外国企業である場合には、外国企業の設立日を証明する書類を中国語の翻訳付きで提出しなければならない。上記証明書類が正本でない場合、誓約書を提出すること。
3. 方案の実施内容
智慧局は申請人からの本方案申請案件を受理した後、上記規定に符合するか審査し、申請提出後1カ月以内に申請人へ面接資料を提供する。いわゆる面接資料とは、新規性、進歩性の検索報告とその他拒絶理由の意見説明が含まれる。
智慧局はまた別途面接時間を取り決めるが、原則的に申請人が面接資料を受け取った後1カ月以内に積極型面接を実施し、拒絶理由を告知するだけでなく、積極的に補正方法についてもアドバイスを行う。
申請人は積極型面接後の1カ月以内に応答説明又は補正を提出しなければならず、期限を過ぎて提出しない場合、既存の資料で審査続行となり、また、一般審査の手続とされる。若しくは、申請人は検討後に営業秘密方式での発明内容保護に変更するため特許出願を取り下げることもできる。
申請人による応答説明又は補正が、本方案の指定する期間に符合する場合、智慧局は原則的に補正を受理後1カ月以内に、審査結果を通知する(登録査定書又は審査意見通知書を含む)。
4. その他の注意事項
(1) 智慧局ウェブサイト上に申請人の参考となるよう、よくある質問を整理し「スタートアップ企業積極型専利審査試行作業方案Q&A」を掲載している。
(2) 積極型面接は「経済部智慧財産局専利案件面接作業要点」に関する規定に基づき実施する。
(3) 申請人は本方案の面接資料を受け取った後、特許出願を取り下げる場合、実体審査請求の費用の返還申請は適用されない。
(4) 試行件数が定数に達した場合、電子申請システムは試行件数が定数に達したため本方案に申請不可と表示し、智慧局のウェブサイトでも併せて試行件数が定数に達したことを公告する。
★スタートアップ企業積極型専利審査試行作業方案Q&A★
1. スタートアップ企業積極型専利審査とは何か(以下「スタートアップ積極審査」と略称)
回答:
智慧局が提供するスタートアップ積極審査は、スタートアップ企業のニーズに基づき設計されたもので、主な特色は、優先審査と智慧局による自発的積極型面接の実施にある。現場で詳細に拒絶理由を告知し、個別案件状況に応じて補正をアドバイスすることで、審査過程の短縮を図る。申請人がこの制度を善用して、スタートアップ企業の発展に資することを望む。
2. スタートアップ積極審査には申請費用の納付は必要か。
回答:
スタートアップ企業からの申請を奨励するため、また、スタートアップ企業の創業初期において資金は比較的少ないことを考慮し、本方案を申請する場合、申請費用は納付する必要はない。また、本方案において実施する積極型面接は審査官が職権により通知し智慧局で面接するものであるため、面接申請費用の納付も必要ない。
3. 特許出願人でない者は、当該出願案件についてスタートアップ積極審査を申請できるのか。
回答:
申請できない。適格であるスタートアップ企業の特許出願人であって初めてスタートアップ積極審査を申請することができる。
4. スタートアップ積極審査を申請できる時期はいつか。
回答:
出願人が智慧局から、まもなく実体審査に入る旨の通知を受けた後で、なおかつ最初の審査意見通知を受け取る前でなければならない。
5. 特許出願の実体審査請求と同時にスタートアップ積極審査を申請することはできるのか。
回答:
申請できない。出願人が特許出願の実体審査を請求した後、智慧局は関連手続作業を完成させて初めて当該出願案件は実体審査に入ることから、出願人は智慧局から間もなく実体審査に入る旨の通知を受けた後、初めてスタートアップ積極審査を申請することができる。
6. 台湾の出願人が本方案を申請する場合、会社設立日の証明書類を添付する必要はあるのか。
回答:
証明書類の添付は必要ない。智慧局は商工登記公示資料照会サービスサイトをとおしてチェックすることができる。
7. 外国出願人には本方案は適用されるのか。適用される場合、会社設立日の証明書類を送付する必要はあるのか。
回答:
出願人が外国籍の場合、当該外国人の本国法に基づき設立され5年未満の事業者には本方案が適用される。前述した5年未満の計算は台湾人と同じであるが、会社設立日の証明書類を中国語の翻訳付きで提出しなければならず、上記証明書類が正本でない場合、誓約書を提出しなければならない。
8. スタートアップ企業の設立から5年未満はどのように計算するのか。
回答:
会社設立日から出願日までを計算し、出願案が優先権を主張する場合、会社設立日の計算については、出願日にかわり優先日までとする。
9. 紙書類の申請書でスタートアップ積極審査を申請できるのか。
回答:
できない。政府の電子化政策に合わせ、公文書通知時間の節約のため、智慧局はすでに完備された電子的申請環境を構築している。よって、本方案は電子申請の場合にのみ適用される。電子申請を使用したことがない場合、智慧局のe網通ウェブサイト→支援→電子出願の仕方を参照のこと。
10. 規定に符合した申請であれば、いずれもスタートアップ積極審査を受けることができるのか。
回答:
本方案は試行段階であることから、試行件数30件としており、試行件数が定数に達した時、電子出願システム(E-SET)は、すでに試行件数定数に達したため試行作業方案を申請することはできないと表示し、智慧局ウェブサイトでも試行件数が定数に達したことを公告する。
11. 出願がスタートアップ積極審査に入った場合、通知されるのか。申請案は積極型面接を経ずに特許付与される可能性はあるのか。
回答:
智慧局は申請人から本方案の申請を受理した後、審査を経て規定に符合する場合、自発的に申請から1カ月以内に申請人へ面接資料を提供するが、実際の時間は申請案件の属する技術分野に応じて定めることができる。申請案件が審査を経て拒絶理由がない場合、積極型面接の実施は無益であることから、直接、登録査定書及び検索報告が発行される。
12. 面接資料とは何か。
回答:
面接資料とは、新規性、進歩性の検索報告及びその他の拒絶理由についての意見説明が含まれ、申請人は積極型面接に参加する際に、面接資料の内容に基づき応答説明及び補正の方向性を提出することができることで、双方が面接時に有効に共通認識を達成することができる助けとなる。
13. 面接資料を受け取った後、どのくらいで積極型面接が実施されるのか。
回答:
原則的に申請人が面接資料を受け取った後1カ月以内に積極型面接を実施するが、申請人が協力できない場合、智慧局は一般の専利出願により処理する旨を通知する。
14. 申請人は最初の積極型面接を受けた後、再度積極型面接の実施を要求することはできるのか。
回答:
面接は1回を原則とし、審査官が必要とした場合には、例外的に再度積極型面接の実施を通知する。
15. 本方案の積極型面接と一般の面接の違いは何か。
回答:
本方案では、積極型面接が実施される前に申請人にあらかじめ面接資料が送付され、積極型面接の際には、一般の面接とは違い、審査官が個別案件の状況に応じて補正のアドバイスを行い、その特許ポートフォリオ展開を加速化することができる。ただし、申請人が積極型面接の後、自身の商業的考慮又は特許ポートフォリオに基づき、審査官の意見によらず補正した場合、智慧局は一般審査手続に従い審査意見書を通知するが、申請人の権益を損なうものではない。注意すべきは、審査官が提供した補正アドバイスは申請人の求める特許範囲に合致しないかもしれないことから、申請人は自身の権益を保護するため自ら判断しなければならない点である。
16. 先に個人で専利出願した後、スタートアップ企業を設立した場合、本方案は適用されるのか。
回答:
本方案は特許出願の出願時の出願人が少なくとも1名のスタートアップ企業を対象としていることから、個人が専利出願をした後にスタートアップ企業を設立した場合、本方案は適用されない。
17. 現在すでに出願済みの専利出願を譲渡し、被譲渡人が本方案のスタートアップ企業の条件に適合する場合、本法案は適用されるのか。
回答:
本方案の専利出願適格の判断は特許出願時、及びスタートアップ企業積極型専利審査方案の申請時に申請人は少なくとも同一のスタートアップ企業でなければならない。ご質問の状況からみて、特許出願時に出願人がスタートアップ企業ではない場合、本方案は適用されない。
18. スタートアップ積極審査の適用対象は産業により限定されるか。
回答:
本方案はスタートアップ産業の申請を奨励するためのもので、適用対象は産業類別の制限はない。
19. スタートアップ積極審査において、積極型面接を実施した後、申請人が審査官のアドバイスに基づき補正を行う場合、審査官は再度検索を行うのか。
回答:
審査官は積極型面接を行う際、拒絶理由を克服する補正のアドバイスをできる限り提供し、申請人がアドバイスに基づき補正した後、再度検索を行うかどうかは、ほかに拒絶理由が新たに発見されたかどうかによる。例えば、第三者が先行技術を提供し、本局が改めて検索の必要があると認めた場合、再度検索を行い、積極型面接を実施する。他に新しい拒絶理由が見つからない場合は、速やかに登録査定となる。
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