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知財ニュース262号

台湾知的財産権ニュース(No.262)

発行:特許庁委託(公財)交流協会
台湾知的財産権ニュース
(No.262)
発行年月日:2018年1月15日発行

主要ニュース目次

1. 智慧局ニュース
(2017年12月14日 智慧局ニュース全訳)
1-1 専利審査基準第二篇第11章「特許権存続期間の延長」改訂予告
(2017年12月27日 智慧局ニュース全訳)
1-2 「グローバル専利検索システム」が2018年1月1日よりオンラインサービス開始
2. 模倣品関連
(2018年1月9日 中国時報第A13面要訳)
2-1 UFOキャッチャーの景品模倣品 3ヶ月で20万元の不法利益
3. その他一般
(2017年12月12日 工商時報第A5面要訳)
3-1 蔡英文総統、AITのジェームス・モリアーティ理事長と意見交換
(2018年1月11日 工商時報第A4面要訳)
3-2 マイクロソフト、アマゾンがそれぞれ台湾にAI関連センターの設立を発表

1. 智慧局ニュース

(2017.12.14 智慧局ニュース全訳)
1-1 専利審査基準第二篇第11章「特許権存続期間の延長」改訂予告
1.掲題基準の改訂草案について、智慧局は、2017年9月19日に開催した公聴会で各界から寄せられた意見を参酌し、「専利審査基準第二篇第11章特許権存続期間の延長」を完成させた。また、公聴会で寄せられた各界からの意見をまとめた「専利審査基準第二篇第11章特許権存続期間の延長と専利法延長制度の改正条文、及び専利権存続期間延長許可弁法の改訂草案」公聴会のQ&Aと検討結果の整理表を参考のために提供する。

2.今回の基準改訂のポイントは以下のとおり。
(1)専用実施権者が延長登録出願人である場合、智慧局へ専用実施権許諾の登録済みであることとは限らない。
(2)最初の許可証の所有者についての認定を緩和。
(3)最初の許可証の所有者が被許諾者である場合、延長登録出願人は出願時にすでに許諾の事実が完成していることの証明書類を添付しなければならないが、これらの許諾は智慧局にて許諾登録が完了しているものには限らない。
(4)最初の許可証の有効成分の認定について、医薬品の有効成分自体を基準とし、それが有する薬理作用(free form)を基準とするのものではない。
(5)原料薬、農薬原体の許可証は、最初の許可証に属さない旨を明文化。
(6)特許請求の範囲と最初の許可証の関連性の判断について、対応関係を網羅関係に改め、関連説明と事例を追加。
(7)国外臨床試験の開始日・終了日をICH(医薬品規制調和国際会議:International conference on harmonization of technical requirements for registration of pharmaceuticals for human use)が定める臨床試験報告書で定義された試験開始日(study initiation date)と試験終了日(study completion date)の期日とする旨を明確にした。
(8)国外臨床試験をもって延長出願する際に国外で延長許可された証明書類を具備すべき規定を削除(専利権存続期間延長許可弁法で第5条第2項の削除、第7条第2項の改訂に合わせた)。
(9)現行では農薬の実施は公告日から即、効力が発生することから、農薬登録の審査期間の終了日について、農薬許可証に記載された許可証発行日に改訂。
(10)国内外の圃場試験について各項目の試験に必要とした時間で最長のものを基準としない。(専利権存続期間延長許可弁法の第6条第3項の規定を削除する改訂に合わせた)
(11)「許可証取得の基準を満たさない資料不備」により生じた中断又は許可証取得の遅延の期間について、出願人の責に帰すことができる不作為期間とする旨を追加。
(12)農薬の「使用方法及びその範囲」について、許可公告日から農薬登録の申請者が証明書類を完備し登録した期間について、申請者の責に帰すことができる不作為期間とする旨を追加。
(13)学術用の臨床試験を検査登録用の臨床試験に転換した場合、当該学術用の臨床試験の開始日を国内臨床試験の開始日として採用できる旨を明文化。
(14)専利法第53条に定める特許は1回に限り延長可能、最初の許可証に基づき1回に限り延長可能に違反した場合の処理原則を明文化。
(15)登録許可査定書の記載方法について明文化。

3.公聴会で各界から寄せられた意見とそれに対する回答の整理表は以下の智慧局サイトのリンク先からダウンロード可能(中国語)。
www.tipo.gov.tw/ct.asp?xItem=651815&ctNode=7127&mp=1

(2017.12.27 智慧局ニュース全訳)
1-2 「グローバル専利検索システム」が2018年1月1日よりオンラインサービス開始
智慧局では、台湾産業と中小企業が迅速に産業技術の発展動向を把握できるよう、「グローバル専利検索システム(中国語:全球專利檢索系統)」の構築を完成させ、各界へ無料提供する。当該システムは、五大特許庁(米、日、欧、韓、中国)のグローバル専利の直近10年(2006年~2017年)の資料と台湾の専利資料を統合したもので、今後もデータが追加されていく予定である。このシステムは台湾の各界がグローバル専利を検索する際に、コロケーションシステムが提供する各種検索指令により、必要とされる専利データを正確に検索でき、産業の技術発展の流れを理解して競争力を向上させ、また、企業技術の研究開発と特許ポートフォリオの展開の基礎とすることができるものである。
また、「グローバル専利検索システム」では、2018年内に統計分析、図表分析及びその他の便利な機能を追加していく予定であり、ユーザーが検索後に直接各国のデータについて分析及び図表化できるようにし、産業界が迅速に産業発展の概況、専利ポートフォリオの現状と研究開発の動向について把握できるようにしている。皆様のご利用を歓迎する。
・グローバル専利検索システム:https://gpss.tipo.gov.tw/gpsskmc/gpssbkm?@@0.45357159183356344

2. 模倣品関連

(2018.01 .09 中国時報第A13面要訳)
2-1 UFOキャッチャーの景品に模倣品 3ヶ月で20万元の不法利益
昨今、新北市の街にUFOキャッチャー専門店が次々と出店してきているが、曽(33歳)という男は、景品に「リラックマぬいぐるみ」、「ONE PIECEフィギュア」等の模倣品を使用したUFOキャッチャー専門店を経営していた。
オリジナルメーカーから通報を受けた保安警察第二総隊刑事警察大隊偵査第一隊(以下「保二総隊刑警大隊偵査第一隊」と略称)が取締りをした結果、曽の住居、店舗から300点近い模倣品が押収され、3ヶ月で20万台湾元(約75万円)を越える不法利益を得ていたとみられている。
曽は、物品の多くはFacebook、LINEグループ、淘宝(タオバオ)のウェブサイトから大量購入したもので、偽物であるかどうかは自分自身も知らなかったと供述。
保二総隊刑警大隊偵査第一隊の張世傑・副総隊長は、商標法第97条の規定に基づき、模倣商品であることを明らかに知りながら、販売、又は販売を意図して所持、展示、輸出又は輸入した場合は、1年以下の懲役刑、拘留又はNT$50,000以下の罰金に処するまたは併処されるとし、今後も引き続き取締りを強化していくと述べた。

3. その他一般

(2017.12 .12 工商時報第A5面要訳)
3-1 蔡英文総統、AITのジェームス・モリアーティ理事長と意見交換
蔡英文総統は12月11日、米国在台湾協会(AIT)のジェームス・モリアーティ(James Moriarty)理事長と接見した際、新南向政策における協力強化を含む台米双方の経済貿易関係をより緊密なものに推進していきたいと示した。
モリアーティ理事長は、台湾のジェネリック医薬品等の医薬産業の法改正について強い関心を示した。蘇嘉全・立法院長(日本の国会議長に相当)がモリアーティ理事長に接見する際に同席した羅致政・立法委員によると、モリアーティ理事長は行政院(日本の内閣に相当)がすでにジェネリック医薬品に関する薬事法の法改正バージョンを推進していることに理解を示し、この法案で医薬産業の知的財産権が権利侵害を受けることなく、業者の利益を保障できることを希望していると述べた。

(2018.01 .11 工商時報第A4面要訳)
3-2 マイクロソフト、アマゾンがそれぞれ台湾にAI関連センターの設立を発表
昨年12月に台湾マイクロソフトと国家実験研究院がAI(人工知能)戦略聯盟提携MOUを締結したのに続き、昨日(1/10)、台湾マイクロソフトは台湾に「AI研究開発センター」を設立すると発表。2年以内に10億台湾元(約37.6億円)を投じ、まずは100人規模のAIチームを設立、最終目標として5年以内に200人を超えるAI研究開発チームを募集・育成する。AI研究開発担当の古卓倫・グローバルシニア副総裁は、同社が台湾を選んだ主な理由は、台湾が世界レベルの人材と世界一のハード製造を持っていることであると述べた。
台湾マイクロソフトによると、「マイクロソフトAI研究開発センター」は、文字入力システムのSwiftKey中国語版、使用者意図認知(Audience Intent Recognition)、AIの産業垂直化アプリケーションの3方面の研究開発に焦点を当てていく。
また、経済部(経済産業省に相当)の沈栄津・部長は昨日(1/10)、世界のネット通販最大手アマゾン社の傘下にあるアマゾンウェブサービス(AWS)も台湾にジョイントイノベーションセンターを設立することを発表すると明らかにした。
マイクロソフトの会見に出席した頼清徳・行政院長(首相に相当)は、AIを通じて産業が発展するよう、行政院は5年で160億台湾元(約600億円)を投じることをすでに決定していると述べた。

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