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知財ニュース244号

台湾知的財産権ニュース(No.244)

発行:特許庁委託(公財)交流協会
台湾知的財産権ニュース
(No.244)
発行年月日:2016年12月15日・28日合併号
主要ニュース目次

1. 智慧局ニュース
(2016年12月8日 智慧局ニュース全訳)
1-1 2005~2015年の台湾におけるグリーンエネルギー産業の専利動向分析
(2016年12月8日 智慧局ニュース全訳)
1-2 ニース分類第11版の改訂に伴う変更のお知らせ
(2016年12月12日 智慧局ニュース全訳)
1-3 第9回両岸専利フォーラムを台北で開催

2. 法律・制度
(2016年12月1日 工商時報第A18面要訳)
2-1 科技部が法改正 大学学長の企業董事長の兼任が可能となる

3. その他一般
(2016年11月30日 工商時報第A21面要訳)
3-1 バイオ医療特許オークション開催

1. 智慧局ニュース

(2016.12.08 智慧局ニュース全訳)
1-1 2005~2015年の台湾におけるグリーンエネルギー産業の専利動向分析
当局は、グリーンエネルギー特許出願数及びIPC(国際特許分類)の分布を通して、国内政策又は外部要因が出願数に影響を与えるのか否かを研究討論し、台湾のメガソーラー(太陽光発電)、LED照明、バイオ燃料、EICT (Energy Information and Communication Technology)、クリーンエネルギー(地熱、風力等)、水素エネルギー・燃料電池及びリチウム電池電動車等の7大グリーンエネルギー産業について、台湾における展望性のあるグリーンエネルギーテクノロジー及び関連する研究開発部門の重要な参考として、技術発展の動向及び特許ポートフォリオの分析を行った。
2005年~2015年の統計より、グリーンエネルギー関連の特許公開総数は33,505件あり、出願人を国籍別で見ると、台湾人出願人が15,434件(46%)を占め、外国人出願人は18,071件(54%)であった。総数では台湾人出願人が外国人出願人より若干少なかったが、「EICT」、「リチウム電池電動車」及び「クリーンエネルギー(地熱、風力等)」などグリーンエネルギーの技術分野では台湾人がリードしている。そのうち「EICT」は計3,483件(台湾人出願人中の22.6%)、「リチウム電池電動車」は計2,293件(台湾人出願人中の14.9%)、「クリーンエネルギー(地熱、風力等)」は計251件(台湾人出願人中の1.7%)であった。
※台湾におけるグリーンエネルギー産業の専利動向状況分析は、下記リンク先の智慧局サイト「2005~2015年我國綠能產業専利趨勢概況分析」を参照。
www.tipo.gov.tw/ct.asp?xItem=608167&ctNode=7127&mp=1

(2016.12.08 智慧局ニュース全訳)
1-2 ニース分類第11版の改訂に伴う変更のお知らせ
世界知的所有権機関(WIPO)は、最新の商品及び役務の国際分類ニース協定第11版(11-2017)を来年2017年1月1日に発効する。修正内容は、類別標記、注釈、商品及び役務の分類別名称を含み、修正範囲は広い。
※類別標記、注釈の資料については、下記リンク先の智慧局サイトの「尼斯第11版標題及注釋異動事項彙整表」を参照。
www.tipo.gov.tw/ct.asp?xItem=608152&ctNode=7127&mp=1
また、「商品・役務の国際(ニース)分類」第11版の定期修正に合わせ、商標登録出願で使用を指定する商品・役務名称総計483項目の追加、109項目の削除、その他67項目のグループ名称、備考の追加・削除・修正があった。
※変更については、下記リンク先の智慧局サイトの「附表2:変更内容(將公告於106年1月1日出版之第44卷第01期商標公報)」を参照)
www.tipo.gov.tw/ct.asp?xItem=608152&ctNode=7127&mp=1
以上の変更は、2017年1月1日からの適用となり、商標電子出願システムに構築された「指定使用商品/役務リスト及び名称」も同時に更新する。
2017年1月1日以降、商標電子出願システムを通して登録出願する場合、願書に記載した指定商品/役務名称と電子出願システムの内容が異なり、300台湾元(約1,100円)の減額優待が受けられないことがないよう、出願前に最新の変更内容を確認の上ダウンロードをしていただきたい。

(2016.12.12 智慧局ニュース全訳)
1-3 第9回両岸専利フォーラムを台北で開催
「両岸専利フォーラム」が12月6日と7日の二日間、台北にて開催された。今回のフォーラムには産官学、研究の各界から380人以上が参加し、「両岸専利フォーラム」の参加人数としては過去最高の新記録を更新し、主催者側は別途特別会場を設け、ビデオ会議実況による同時放送で、会場に収容できなかった参加者も今回のフォーラムでの知識を共有することができた。
今回、中国側からは、中国国家知識産権局専利局の徐聰・副局長、専利代理人協会の林柏楠・副会長、広東省知識産権局の何巨峰・副局長、聯想(レノボ)グループ知財部の陳媛青・総監、北方微電子公司(Beijing NMC Co.,Ltd)知財部の宋巧麗・部長、北京中金浩資産評估有限責任公司の丁堅・董事長等を含む37名が参加し、台湾側からは、全国工業総会の蔡練生・秘書長と全国工業総会の会員、経済部智慧財産局の洪淑敏・局長が率いる智慧局の局員多数の他、智慧財産法院の陳忠行・庭長、専利師公会の吳冠賜・理事長、聯発科(メディアテック)知的財産権処の劉彥顯・処長、国家実験研究院の鄭凱仁・研究員、相信光知産運営公司(Faith Intellectual Assets Corp.)の張智為CEO、工業技術研究院(ITRI)技術移転センターの王鵬瑜・主任等が参加、講演し、両岸専利界の重鎮達が一堂に会する盛大なフォーラムとなった。
「両岸専利フォーラム」は2008年の開催から、毎年一回両岸持ち回りで開催され、今年はすでに第9回目となった。持ち回り開催という方式により、両岸は知財分野において充分に交流しており、専利の法制度、審査実務、知財保護、代理業務、企業の専利管理等の面のみならず、全ての方面において探求しており、今回のフォーラムのテーマには、両岸における「産業界による専利の質と価値を高めるための経験交流」、「標準必須特許の発展と対策」、「無効審判及び行政訴訟の新しい発展について」、「企業によるグローバル特許係争への対応策とその管理」、「次世代技術の専利ポートフォリオ戦略」、「専利運営と知財権担保融資と価値評価」が含まれ、両岸の専利実務と実戦経験を有する専門家達が、長年の経験に基づく深い内容を分かり易く講演し、参加者のニーズを充分に満足させるものとなった。特に中国における知的財産権担保融資は、近年成長が目覚しく、2015年の知的財産権担保融資の金額は560億人民元(約9,480億円)に達しており、その知財評価、保険と融資方面の経験は、台湾側にとっても多いに参考になり実りある講演となった。
両岸は2010年に「海峡両岸知的財産権保護協力協議」を締結して以来、専利分野においては、相互に優先権を受け入れており、台湾側で受理した中国の優先権主張出願はすでに1万7,000件以上(2016年9月まで:17,643件)となっており、中国で受理された台湾の優先権主張出願も3万件近く(29,871件)となっており、両岸双方に出願される案件が多いことが分かり、両岸が協力を強化し、作業成果も共有できれば、審査効率の向上、審査の質の強化も図ることができ、プラス効果をもたらすことができることは間違いない。両岸専利主務官庁による審査官の交流、フォーラムによる経験共有は、→双方の相互理解の深化、関連業務経験の反映、両岸公衆へのよりよいサービスの提供に資することとなった。

2. 法律・制度

(2016.12 .01 工商時報 第A18面要訳)
2-1 科技部が法改正 大学学長の企業董事長の兼任が可能となる
行政院科技部(日本の文部科学省に相当)は、イノベーションと創業の親和的環境を主要テーマとした第10回「全国科学技術会議」を開催した。
現行の法規制では、公立大学の公務員の身分を有する教職員は企業経営に参加してはならないため、たとえ自己の特許技術がベンチャー企業に移されても董事長を兼任し特許運用の一助となることができない。そのため、科技部は《科学技術基本法》の規定を改正中であり、将来公立大学の公務員の身分を有する教職員であっても、自己の特許技術を提供した際は、企業経営に参加し董事長の兼任も可能とした。
また公立大学の教授がベンチャー企業に特許技術を提供しても、往々にしてベンチャー企業の資金不足により、対価が株式とされることがあるが、《科学技術基本法》や《国有財産法》の規定に制限があることから任意に株式を売却することができない。もしベンチャー企業の経営がうまくいかず、会社を閉じることになった場合、株式の価値はなくなってしまう。そのため教授や大学が特許を提供する意欲が抑制されてしまう。
科技部は、この問題も同様にして法改正にて改善し、株式処分の流れを緩和し、公立大学が研究成果を有効的に運用し収入を生み出すようにすると述べた。

3. その他一般

(2016.11 .30 工商時報 第A21面要訳)
3-1 バイオ医療特許オークション開催
バイオ医療産業は政府の重要発展項目である。行政院科技部(日本の文部科学省に相当)は、国立交通大学産業加速器及び専利開発戦略センターが推進する「産学研IP連盟」を支援し、12月13日~14日に国家衛生研究院との共同で「バイオ医療特許オークション」を開催。総計200件余りの特許を取りそろえ、バイオ医療関連産業のメーカーを招き、科技部の「特許ライセンス・オークションプラットフォーム(專利授權暨拍賣平台)」を通じて、特許のオークションを行った。
学術研究機関による研究開発成果の発表に協力し、同時に台湾メーカーの特許ポートフォリオの強化を支援するため、科技部は、2012年から国立交通大学に「特許ライセンス・オークションプラットフォーム」の設置を委託し、各高等教育機関及び研究機関の研究開発能力を統合し、特許提供者と希望者の第三者取引仲介として、またひいては特許価値の強化と産学提携の機会を派生させ、情報、半導体、自動車、家庭用電子機器、バイオ医療、IoT、Big data及びナノ産業等の分野にまで及ぶ産業分野における産学研IP連盟会員を結び付けることで、産学間の格差を縮め、ウィンウィンの局面が作られることを期待している。
2016年の「バイオ医療特許オークション」において精選された3大重点項目は、「先進薬物伝送技術」、「腹式呼吸訓練装置」、「リハビリ補助器具」であった。
今回の「バイオ医療特許オークション」は、国家衛生研究院、高雄医学大学、国立清華大学等、台湾内の7つの高等教育機関及び研究機関の連携により、特許の専用実施許諾又は特許権の譲渡によってバイオ医療関連特許を提供するもので、その応用分野には薬物伝送、バイオ材料、医療器材等、各国の特許が含まれる。

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