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台湾知的財産権ニュース(No.238)

発行:特許庁委託(公財)交流協会
台湾知的財産権ニュース
(No.238)
発行年月日:2016年8月15日発行
主要ニュース目次

1. 智慧局ニュース
(2016年7月28日 智慧局ニュース全訳)
1-1 2016年上半期の知的財産権趨勢
(2016年7月29日 智慧局ニュース要訳)
1-2 「共通特許分類(CPC)の発展の現況」に関する資料について
(2016年8月5日 智慧局ニュース全訳)
1-3 行政院院会で「専利法」一部条文改正草案を可決
(2016年8月11日 智慧局ニュース全訳)
1-4 行政院院会で「著作権法」一部条文改正草案と第98条改正草案を可決

2. 法律・制度
(2016年8月4日 工商時報第A18面、2016年8月5日 工商時報第A3面の要訳)
2-1 薬事法改正案が行政院で可決
(2016年8月8日 工商時報第A5面要訳)
2-2 日・台・米の特許審査ハイウェイ(PPH)の利用状況

1. 智慧局ニュース

(2016.07 .28 智慧局ニュース全訳)
1-1 2016年上半期の知的財産権趨勢
2016年上半期における特許、実用新案、意匠の三種の専利の新規出願件数は、34,494件(前年同期比2.55%減)であったが、一方、商標登録出願件数は、38,269件(前年同期比1.5%増)となった。
一、 専利出願の動向
(一) 2016年上半期における三種の専利の新規出願は、34,494件(前年同期比2.55%減)であった。その内訳は、特許が20,622件(前年同期比2.17%減)、実用新案が9,927件(前年同期比6.23%減)であったが、意匠は3,945件(前年同期比5.74%増)であった(表1参照)。
(二) 特許出願を国籍別でみると、台湾人出願人が7,447件(前年比6.84%減)であったが、外国人出願人は13,175件(前年比0.69%増)であった(表1参照)。外国人出願人のうち日本が5,994件で1位を占め、次いで米国の3,409件、韓国の807件、中国の649件、ドイツの631件となった(図1参照)。
(三) 台湾法人による特許出願件数上位5社は、鴻海(176件)、友達光電(AUO:133件)、宏碁(エイサー:109件)、工業技術研究院(ITRI:87件)、中国鋼鉄(78件)となった。外国法人の上位5位の内訳は、インテル(375件)、クアルコム(313件)、半導体エネルギー研究所(204件)、東京エレクトロン(166件)、アプライド・マテリアルズ(148件)となった(図2参照)。
(四) 台湾人による特許出願においては、企業が5,144件(前年同期比8.16%減)、高等教育機関が776件(前年同期比9.56%減)、研究機関は259件(前年同期比7.17%減)でいずれも減少した。個人による出願は1,268件(前年同期比0.96%増)であった(図3参照)。高等教育機関の内訳は、南台科技大学及び清華大学が共に52件で最も多く、次いで成功大学の40件、交通大学の32件であった(表3参照)。
二、 専利公告及び証書発行の動向
(一) 2016年上半期における三種の専利の公告及び証書発行数は、38,851件で、前年比2.14%増のプラス成長となった。その内訳は、特許が24,933件(前年比7.01%増)、意匠が4,017件(前年比11.49%増)であったが、実用新案は9,901件(前年比11.07%減)となった(表4参照)。
(二) 特許においては、台湾人出願人によるものが10,773件(前年比3.18%増)、外国人出願人によるものが14,160件(前年比10.12%増)となった(表4参照)。外国人を国籍別でみると、日本が6,050件で最高となり、次いで米国の4,187件、韓国の961件、中国の681件、ドイツの565件であった(図4参照)。
(三) 特許公告及び証書発行数の台湾法人上位5位は、鴻海(352件)、工業技術研究院(ITRI:348件)、友達光電(AUO:316件)、台積電(TSMC:304件)、緯創資通(WISTRON:291件)となった。外国法人の上位5位の内訳は、半導体エネルギー研究所(427件)、インテル(411件)、東京エレクトロン(232件)、アップル(218件)、クアルコム(201件)となった(図5参照)。
三、 商標出願の動向
(一) 2016年上半期における商標登録出願件数は、38,269件(前年比1.50%増)であった(表1参照)。
(二) 台湾人による出願は27,684件、前年比0.32%増となり、外国人による出願は、10,585件でこちらも前年比4.72%増のプラス成長となった(表1参照)。
(三) 外国人出願人を国籍別にみると、中国が2,169件と最も多く、次いで米国の1,904件、日本の1,739件、韓国の803件、香港の739件であった(図1参照)。
※2016年第2四半期及び上半期季報は、下記リンク先の智慧局サイトの「統計季報」を参照。
www.tipo.gov.tw/ct.asp?xItem=597632&ctNode=7123&mp=1

(2016.07 .29 智慧局ニュース要訳)
1-2 「共通特許分類(CPC)の発展の現況」に関する資料について
欧州特許庁(EPO)と米国特許商標庁(USPTO)は2010年10月25日、共通特許分類(Cooperation Patent Classification:以下「CPC」と略称)システムを両庁が協力して開発することに調印した。中国国家知識産権局(SIPO)及び韓国特許庁(KIPO)は前後して、それぞれ欧州特許庁及び米国特許商標局と協力備忘録を調印し同システムを導入している。
世界の五大特許庁のうち4大特許庁はすでに特許分類システムとしてCPCを次々に採用しているが、日本特許庁(JPO)は依然として独自に開発したFI/F-termを用いて分類を進めている。CPCはすでに世界の特許分類システムの趨勢となり各国の特許制度を調和させる新しい道しるべとなっており、本局は長年その発展の状態を追い続けてきた。今回「共通特許分類(CPC)発展の現況」をまとめたので各界奮ってご参照いただきたい。
※関連資料は下記智慧局サイトのリンク先からダウンロード可能。
www.tipo.gov.tw/public/Attachment/672914431641.pdf

(2016.08.05 智慧局ニュース全訳)
1-3 行政院院会で「専利法」一部条文改正草案を可決
 今年(2016年)8月4日、第3509回行政院院会議(内閣閣議)で、「専利法」一部条文改正草案が可決された。今回の専利法一部条文改正草案の提出の主な目標は、台湾の法制度を環太平洋パートナーシップ協定(Trans-Pacific Partnership Agreement, TPP)に適合させ、台湾のTPP加入への決意と努力を表すことである。本案は、今後、立法手続が完了した後、専利保護による研究開発成果の保護の促進、台湾のTPP第二次交渉加入推進のいずれに対してもプラス効果をもたらすものとなる。
 今回の専利法の改正ポイントは以下の3つである。
1. 出願人は専利出願前にその技術を公開し、並びに一般にいうグレースピリオド期間内に専利出願したものにつき、当該出願前になした公開は専利要件の判断に影響しない。今回の改正でグレースピリオドの期間及び公開事由を緩和し、業界からの要望も取り入れ、専利出願時に必要であったグレースピリオド主張の手続要件を削除する。
2. 専利権の存続期間は出願日から起算されるが、出願人は登録査定公告後に権利を取得することを考慮し、専利審査過程における不合理な遅延により、専利権者に権利行使の期間の減損をもたらすことのないよう、今回の改正で審査の遅延による専利期間延長の申請制度を導入する。今後、専利出願の審査について不合理な遅延が生じた場合、専利権者は専利権存続期間の延長を申請することができる。
3. 薬事法の改正でパテントリンケージ制度が導入されたことに合わせ、ジェネリック医薬品の許可証審査手続において、新薬の特許権者は権利侵害の有無を確定する確認訴訟を提起することができるとする法的根拠を明文化規定した。
 グレースピリオド期間に関する要件の改正は、出願人の自己の研究開発成果への専利保護の取得の助けになるもので、産業に対しても有利となることから、改正案可決後、即施行されることを要望する。その他2つの議題の改正条文については、行政院がTPP交渉及び関連措置の作業の進度を見ながら、別途施行日を決定する。

(2016.08.11 智慧局ニュース全訳)
1-4 行政院院会で「著作権法」一部条文改正草案と第98条改正草案を可決
 2016年8月11日の第3510回行政院院会(内閣閣議に相当)で、「著作権法」一部条文改正草案と第98条の改正草案が可決された。
今回の著作権法第98条の改正草案の提出は、主に「中華民国刑法」と「中華民国刑法施行法」の一部条文改正案が今年7月1日に施行され、それにより、施行日前に制定されていた他の法律における没収、追徴、抵当に関する規定が適用されなくなったが、現行著作権法第98条但書に規定されている「光ディスク公訴罪」を犯した場合に没収できる物(例えば海賊版光ディスク又は複製器材)は、刑法の新制度(第38条)を適用した場合、それが販売行為者の所有ではない時、法執行機関はそれが正当な理由なしに提供又は取得したものであると証明して始めて裁判所へ没収を申請することができることとなり、法執行機関の挙証と認定手続の負担が増加していることから、挙証が困難であることによって海賊版物品が再度市場に流通し、ひき続き著作財産権を侵害する虞があるため、「光ディスク公訴罪」を犯した場合に没収できる物について、著作権法の特別規定において職権により没収できることとして保護を強化し、刑法の適用を除外したものである。
 また、一部条文改正草案は、台湾の法制度を環太平洋パートナーシップ協定(TPP)の規定に適合させるため、対応する一部条文についての改正草案を提出したものであり、今後、立法手続が完了した後、台湾の知的財産環境と国際調和を加速させ、産業の長期的競争力を向上し、台湾のTPP第二次交渉参加の推進についてもプラスの効果がある。改正要点は以下の4つである。:
1. 営利目的、又は、業として使用し、技術的保護手段回避の規定に違反するものは、刑事責任を科す。例えば、企業が合法ソフトウエアを購買せずに不法ソフトウエアをインストールしてシリアルナンバーを入力後使用する行為は刑事責任を負うこととなる。また、電子的権利管理情報に関する規定に違反した刑事責任についても、その構成要件を技術的保護手段回避の規定と一致するよう修正した。(改正条文第96条の1)
2. 著作権侵害の非親告罪の範囲を変更(改正条文第91条、第91条の1及び第100条)
(1) 改正後、著作権法第91条第2項(販売又は貸与の目的をもってのデジタルフォーマットへの複製行為)、第91条の1第2項(デジタルフォーマットの海賊版の営利目的での頒布)は、非親告罪に改められ、並びにデジタルテクノロジーの発展によりネットワークによる海賊版が増加する状況をもたらしていることから、著作権法第92条の公開伝送権を侵害する罪も非親告罪に改めて、権利者からの提訴を必要とせず法執行員が自発的に権利侵害案件を捜索することを可能として、それにより、デジタル環境下における著作権侵害行為を効率的に阻止することを期するものである。
(2) 重大でない侵害行為が国家公権力による起訴を受けるという懸念を軽減し、同時に権利者の市場利益を保護するため、非親告罪が適用される利用形態は著作全体の原作のままの利用(例えば、許諾を得ずに音楽、小説又は映画等の全てのコンテンツをネットワークにアップロードすること)であり、侵害対象が、著作財産権者により有償提供された著作物であり、かつ、権利者に100万台湾元(約320万円)以上の損害をもたらした場合、という制限を設けた。
(3) なお、著作権侵害行為が非親告罪の範囲にならなくても、依然として親告罪の適用はあるため、智慧局としては違法行為をしないよう注意を呼びかける。
3. 衛星及びケーブル信号業者の合法的権益を保護するため、不法受信行為について、信号提供者に経済投資の回収不能をもたらし、合法的視聴者が不法視聴者の費用の支払いを肩代わりするという不公平な状況をもたらしていることから、不法視聴行為を阻止するため、暗号化された衛星信号については民事・刑事責任を、ケーブル信号については民事責任を負う規定を新設した。(改正条文第104条の1~第104条の4)
4. 改正草案の施行期日を明文化(改正条文第117条)
(1) 上述した技術的保護手段回避の規定、暗号化された衛星信号及びケーブル信号の保護等の改正条文は、著作財産権の保護及び関連産業の発展に寄与することから、立法院で三読通過(最終可決)し、総統公布後に施行する。
(2) 非親告罪の範囲の変更については、社会に対する衝撃が比較的大きいため、今後台湾のTPP加入のタイムスケジュールに合わせて、立法院の三読通過(最終可決)後に、行政院が改正条文の施行日を指定する。
 著作権の保護期間を70年に延長する部分については、現在台湾の法制度は50年で、TPPとは依然として異なるが、TPP第一次締約国の一部の国で、著作権保護期間の70年への延長に2年~8年の過渡期が享有できることを考慮した。著作権保護期間延長の、台湾の文化産業に対する影響と調和を考慮し、今後TPP交渉の過程において、この議題について過渡期を獲得できるよう、また、合わせて関連法改正を行う必要もあることから、この議題については、今回の改正草案には盛り込まないこととした。

2. 法律・制度

(2016.08.04 工商時報第A18面、2016.08.05 工商時報第A3面の要約)
2-1 薬事法改正案が行政院で可決
 行政院は8月4日、「薬事法」改正案を可決した。この「薬事法」改正案は、台湾が環太平洋パートナーシップ協定(TPP)の第二次交渉参加を目指し、台米TIFAと環太平洋パートナーシップ協定(TPP)の医薬品特許に対する保護に合わせて改正したものである。
 今回の改正では、新成分新薬と旧薬の新しい用途(新適応症)について、データ独占保護期間をそれぞれ5年と3年付与し、台湾で臨床試験を実施した場合、新適応症のデータ独占保護は5年まで延長することができることとなる。いわゆる「新適応症」とは、一般の薬品メーカーでいう「旧薬の新しい用途」である。また、新成分新薬のデータ独占保護は5年と明らかに定められた。
 改正案の規定によると、新成分新薬が薬品許可証の取得から45日以内に、衛生福利部に対し登録特許権の特許情報を添付し開示しなければならず、衛生福利部は特許権者が登録、自主的な開示ができるよう、米国のオレンジブックに倣い特許データベースを構築する。
 ジェネリック医薬品メーカーは、衛生福利部に薬品許可証を申請すると同時に衛生福利部に対し、ジェネリック医薬品について、関連特許の有無、特許権がすでに消滅しているか否か、特許権者の特許を侵害していない等について声明する必要があり、衛生福利部はそれらの資格が合致して始めて申請を受理する。
 衛生福利部が受理して20日以内に、ジェネリック医薬品メーカーは特許権者に通知しなければならず、特許権者は45日以内に「権利侵害」訴訟を提起することが可能であり、もし特許権者が訴訟を提起しない場合、ジェネリック医薬品メーカーは権利侵害をしていないことの確認訴訟を提起して、自己の権益を保障することができる。なお、ジェネリック医薬品メーカーによる研究開発投資、又は特許回避設計を奨励するため、権利者特許へのジェネリック医薬品メーカーによる挑戦が成功した場合、ジェネリック医薬品メーカーは1年の市場独占が認められる。

(2016.08 .08 工商時報 第A5面要約)
2-2 日・台・米の特許審査ハイウェイ(PPH)の利用状況
 日・台・米の特許審査ハイウェイ(PPH)の開始から4年が過ぎ、日・米の企業はPPHを利用して有利に台湾でポートフォリオを展開しているが、これとは対照的に台湾企業の日・米へのPPH出願はごくわずかで、元々双方向の利益メカニズムを目指していたが、ほぼ一方通行となっており、今後のビジネスにおける特許競争で、台湾企業はスタート時点で後れを取る可能性がある。
 政府の統計データによると2012年から2015年までに日系企業が日・台PPHを通して出願した特許件数は1,943件で、楽天、三菱総合、DICが最も多かった。同期間にこのルートを利用して、日本へ出願した特許件数は約20件で、日系企業が10件、米国企業が5件、台湾企業が6件(成功大学の出願1件を含む)であった。
 米国を例に取ると、2012年から2015年12月末までに台・米PPHを利用し台湾へ出願した特許件数は1,000件近くあり、半導体が中心であった。一方、約4年間で台・米PPHにより米国へ出願した件数は約28件、香港企業の1件以外は、全て台湾企業であった。
なお、行政院科技部が各国の資料を整理したところ、米国における台湾産業の特許ポートフォリオは半導体等に偏っており、2015年の半導体産業の特許出願件数は2,458件、次いでコンピューター技術の1,784件、電力設備業の1,326件であったが、医療技術、製薬、食品加工、化学工学等の分野の特許件数は明らかに不足しており、業者はポートフォリオ展開の足取りを加速させるべきである、との見解を示した。

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