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台湾知的財産権ニュース(No.231)

発行:特許庁委託(公財)交流協会
台湾知的財産権ニュース
(No.231)
発行年月日:2016年3月31日発行
主要ニュース目次

1. 智慧局ニュース
(2016年2月26日 智慧局ニュース、2016年3月2日 聯合報第AA2面、2016年3月9日 智慧局ニュースの要約)
1-1 台湾音楽著作権人連合総会(MCAT)設立許可廃止並びに解散命令についての説明
(2016年3月21日 智慧局ニュース全訳)
1-2 2016年4月1日から特許出願におけるAEP、PPH、TW-SUPAの早期審査申請時の早期公開要件は不要

2. 知的財産権紛争
(2016年2月23日 工商時報第A16面、判決文書の要約)
2-1 武術教室と商標が類似するため登録が許可されなかったヨガ教室が勝訴

3. 模倣品関連
(2016年2月17日 中国時報第A10面要約)
3-1 模倣品の蜆サプリをネットショッピングで正規品と混ぜて販売した男を摘発

4. その他一般
(2016年3月2日 工商時報第A4面要約)
4-1 国民党の曾立法委員が「フィンテック専利公聴会」を開催

1. 智慧局ニュース

(2016.02 .26 智慧局ニュース、2016.03.02 聯合報第AA2面、2016.03.09 智慧局ニュースの要約)
1-1 台湾音楽著作権人連合総会(MCAT)設立許可廃止並びに解散命令についての説明
台湾の音楽著作権集中管理団体の一つである「社団法人台湾音楽著作権人連合総会(MCAT)」は、集中管理業務が重大な過失により、損益合計が6,870万台湾元(約2億3,800万円)に達し、度重なる智慧局からの改正命令に従わず、改善できなかったとして智慧局は2月24日、智著字第10516001450号書簡にてMCATの設立許可の廃止並びに解散命令の行政処分を下した。
智慧局によると、MCATの200名以上の会員が、本来受け取るはずであった権利金分配について、現段階ではそれらの回収は難しいため、会員に訴訟を通して権利主張することを勧めており、智慧局としても個別案件として相談にのり協力していくと述べた。
また、本来、「社団法人中華音楽著作権協会(MUST)」、「社団法人台湾音楽著作権人聯合総会(MCAT)」、「社団法人台湾音楽著作権協会(TMCS)」の3つの集中管理団体で決定していた「公益性を目的として利用するカラオケ装置」の公開演出の共同使用料率等の関連事項については、MCATの解散命令に伴い、智慧局が職権によりMCATに関する部分を廃止し、今後以下のように取り扱われることとなる。
(1) 単一窓口:本来どおりMUSTが担当。
(2) 共同使用料率:本来の内部分配比率であるMUST:MCAT:TMCS(5:3:2)の割合に基づき、MCATの分配率30%を削除し、原使用料の70%で計算する。つまり利用者は原使用料の70%を支払えばよい。
(3) 使用料分配率:MUSTとTMCSは本来の内部分配比率である5:2の割合で分配する。
(4) 実施日:MCATの廃止処分発効日(2016年2月25日)から、変更後の共同使用料に関する事項が適用となる。
 なお、2016年2月25日前にすでに交わされた共同使用料率の許諾契約については、MUSTとTMCSの許諾には変更はなく、MCAT解散後の清算期間内においては、依然として2016年2月25日前に発効済みの契約につき使用料の受け取り並びに会員への分配ができるため、利用者は許諾契約関係を契約満期まで維持することを選択でき、本来MCATが管理していた音楽著作は、契約期間中やはり公開演出することができる。

(2016.03 .21 智慧局ニュース全訳)

1-2 2016年4月1日から特許出願におけるAEP、PPH、TW-SUPAの早期審査申請時の早期公開要件は不要
現行の特許加速審査作業方案(AEP)、特許審査ハイウェイ(PPH)及び特許審査ハイウェイ利用支援方案(TW-SUPA)の早期審査プログラムでは、いずれも「早期審査を請求する時に、当該出願がまだ出願公開されていない場合、併せて早期公開を請求しなければならない。」、並びに「早期公開請求手数料1,000台湾元(約3,500円)を納付しなければならない」、と規定されている。
しかし近年、特許出願滞貨解消計画の成果が良好で、審査終了期間も年々短縮しており、未公開(出願から18ヶ月)で実体審査請求される案件も比例して年々増加していることから、PPH審査の開始には早期公開を請求しなければならないとしていることは、PPH制度の利用においても不利となるものである。また、現在PPH制度を採っている国家の規定においても、日本特許庁(JPO)、韓国特許庁(KIPO)、米国特許商標庁(USPTO)等いずれもPPH申請は公開済みでなければならないと規定されていないことが明らかである。
これらの考慮に基づき、2016年4月1日から、特許出願におけるAEP、PPH、TW-SUPAの早期審査申請案件で、まだ出願公開されていない場合、早期公開を請求する必要はなくなる。これは出願人の早期公開請求手数料を免除することができるほか、各種早期審査の利用を更に促進できることとなる。

2. 知的財産権紛争

(2016.02 .23 工商時報第A16面、判決文書の要約)
2-1 武術教室と商標が類似するため登録が許可されなかったヨガ教室が勝訴
シンガポールのフィットネス業者CJグループは、2014年に台湾で「True Yoga Fitness全真瑜珈及び図」商標を登録出願したが、智慧局により登録済みの「全真」商標(中国武術教室の商標)に類似しているとして拒絶査定となり、これを不服としたCJグループは、訴願を経て行政訴訟を提起した。
CJグループは、当該企業の商標は、「True」の字を中心に視覚に訴えており、「全真」の字は、ほんの一部分しか占めておらず、「全真」の2文字だけの商標とは類似せず、業務内容も消費者販売ルートも全く異なり、消費者に誤認・混同は引き起こさないと主張した。
それに対し智慧局は、「True」及び人のマークは識別性を有するが、中国語を母語とする関連消費者は、まず中国語の「全真」に目が行くため両者の主要識別部分は全く同じであることから、外観及び概念も類似し、また両社は、ともにトレーニングで体を鍛えるところであることから、業務も類似すると主張した。
智慧財産法院は2016年2月4日、①両商標には「全真」という同一する部分があるものの、商標全体を観察すると、デザインも図案も異なり、外観、観念、称呼のいずれも異なることから類似度は著しく低い、②フィットネス業者と中国武術は業務内容が異なり、ヨガと中国武術は文化的背景、性質、機能いずれも異なり、ヨガは女性中心で、武術は男性が中心に習うため、消費者群も市場も販路も異なるため、両商標の商品・役務も類似せず、消費者に誤認・混同を引き起こさない、として、CJグループの勝訴とし、智慧局に当該商標を登録査定とするよう命じる判決を下した。

<智慧財産法院の判決>
智慧財産法院判決「104年度行商訴字第140號」 判決日:2016/12/4
判決書検索サイト: jirs.judicial.gov.tw/FJUD/FJUDQRY03_1.aspx
裁判類別:民事 判決字号:104,行政訴,140 裁判案由:商標註冊
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3.模倣品関連

(2016.02 .17) 中国時報第A10面要約)
3-1 模倣品の蜆サプリをネットショッピングで正規品と混ぜて販売した男を摘発
 健康食品界で蜆エキスがビジネスチャンスになることに目をつけ、「立川蜆精生技股份有限公司」が商標登録している「黄金蜆精」商標を模倣し、正規品と混ぜて、著名な《東森》、《森森》等のネットショッピングサイトで販売していたとして、警察は「立川生技開発公司」を設立経営していた呉という男を摘発し2月16日、商標法違反で書類送検した。
 保安警察第二総隊刑事警察大隊偵二隊(以下、「保二総隊刑大偵二隊」と略称)の陳富乾副隊長の話によると、立川蜆精生技股份有限公司が生産した正規品の蜆サプリメント (以下「蜆サプリ」と略称)のパッケージには、”「緑川」黄金蜆精錠”と印字されており、扇形のサプリメントには、三本の曲線模様と背面には「緑川」の文字が刻印されている。模倣品の蜆サプリは、表面が滑らかな楕円形でパッケージには、「立川」と印字されてあり、一般消費者は混同しやすくなっていた。
保二総隊刑大偵二隊は昨年11月、一般民衆からの通報を受け、1ヶ月に及ぶ調査の末、今年1月に捜索を行い、模倣品の蜆サプリ2万8,312シート、立川商標のパッケージ紙箱9箱、注文書・納品書1式、蜆エキス製造比例表1枚、蜆粉3包、コンピューター1台等を押収した。権利侵害額は、450万台湾元(約1,570万円)以上にのぼるとみられている。

4.その他一般

(2016.03 .02 工商時報第A4面要約)
4-1 国民党の曾立法委員が「フィンテック専利公聴会」を開催
 金融(Finance)と技術(Technology)を融合したフィンテック(FinTech)時代が到来する中、世界的にフィンテック専利の出願が熱を帯びている。
国民党の曾銘宗立法委員によると、フィンテック専利には、支払い、銀行、財務管理、資本市場、保険、貸借の項目が含まれるが、フィンテック専利を世界で一番保有するのがVisaで、すでに1,342件の専利を有しており、次いで米国のバンク・オブ・アメリカが1,052件、韓国の新韓銀行も907件有するなど、世界的にフィンテック専利が注目を集めている。中国のアリババグループは台湾で大量にフィンテック専利を出願しており、同社による196件の専利出願のうちすでに36件が登録査定となり、台湾の金融業全ての出願総数よりも多い状況となっている。
 智慧局の統計によると、現在台湾国内の金融業者では、国泰世華、中国信託、富邦、玉山、永豊の5行だけが24件の専利を有するのみ(取得数最多の国泰世華は12件)である。
 台湾がネット金融サービスとフィンテック専利の出願の上で、大幅に世界に遅れを取る中、業者に対し将来的に発展の障壁に直面することのないよう、積極的にフィンテック専利を出願するよう推進するため、曾銘宗立法委員は3月1日、台湾の銀行である国泰世華、永豊、台北富邦、兆豊、第一銀行の5行、それに証券取引所、IBM、資誠会計事務所、喬美国際網路等を招聘し「フィンテック専利公聴会」を開催した。
 公聴会では、参加した金融業者から、政府は専利維持手数料の補助、法規改正による金融業者のテクノロジー人材確保への協力、そしてクロスライセンス・プラットフォームによる台湾業者の専利の統合といった形での協力を期待する、との意見が出された。
 また、智慧局の王美花局長は、ここ5年以内に台湾で出願された「広義の」フィンテック専利は合計5,245件で、そのうち台湾企業の出願数は4,216件で全体の8割を占めるが、核心的な「支払い構造類、金融保険類」の2つの類別では、それぞれ311件、255件で、台湾の金融業者が「主戦場」のポートフォリオにおいて明らかに劣勢であることが浮き彫りとなっている、と分析した。
 なお、金融監督管理委員会は、フィンテック発展の推進だけでなく、フィンテック専利も重視し始め、すでに銀行公会に対し、テクノロジーといかに結合して専利出願するか、及びフィンテックを利用した新しい利益獲得モデルの創造を検討する「専利チーム」を設立するよう要請する書簡を出したことを明らかにした。

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