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知財ニュース321号

発行:特許庁委託(公財)日本台湾交流協会
台湾知的財産権ニュース
(No.321)
発行年月日:2021年11月15日・30日合併号

 

主要ニュース目次

 

1. 智慧局ニュース
(2021年11月15日 智慧局ニュース全訳)
1-1 台韓間意匠出願の優先権証明書類の電子的交換に関する協力覚書に署名
(2021年11月25日 智慧局ニュース全訳)
1-2 「日台優先権証明書類の電子的交換(PDX)作業要点」の第2点、第5点の改訂が2022年1月1日より発効
(2021年11月26日 智慧局ニュース全訳)
1-3 「スマートグリッド」及び「電動アシスト自転車」の専利趨勢分析報告
2. 知的財産権紛争
(2021年11月26日 経済日報電子報全訳)
2-1 UMCとマイクロンの長年にわたる訴訟が和解成立 和解金は未公表

 

1.智慧局ニュース

(2021.11.15 智慧局ニュース全訳)
1-1 台韓間意匠出願の優先権証明書類の電子的交換に関する協力覚書に署名
www.tipo.gov.tw/tw/cp-85-898566-28bc0-1.html
2019年の日台間意匠出願の優先権証明書類の電子的交換(Priority Document Exchange, PDX)の締結に続き、2021年11月12日に台湾は韓国と「意匠出願の優先権証明書類の電子的交換に関する協力覚書」を締結した。台湾経済部智慧財産局(TIPO)と韓国特許庁(KIPO)との相互協力を通じて、意匠出願人の優先権主張が更に便利になる。
優先権証明書類は海外の専利出願に重要な書類で、台韓においては2015年に工業財産データ交換及び優先権電子的交換の協力覚書を締結しており、適用範囲は特許及び実用新案である。実施以来、両国の出願人が広く運用していることを鑑み、サービス対象を拡大する為、TIPOとKIPOは、意匠を優先権証明書類の電子的交換の適用範囲に入れる事を決定し、意匠出願人の書面出願の手間を省き、海外への出願手続を簡素化することで、優先権証明書類の交換メカニズムが更に整備されたものとなる。
TIPOとKIPOは今後、積極的にシステム開発とテストを行い、双方のスケジュールに基づき、2023年7月に正式に施行し、出願人に便利・迅速な審査サービスを提供する見込み。

 

(2021.11.25 智慧局ニュース全訳)
1-2 「日台優先権証明書類の電子的交換(PDX)作業要点」の第2点、第5点の改訂が2022年1月1日より発効
www.tipo.gov.tw/tw/cp-86-899748-92886-1.html
1. より完備した優先権証明書類の電子的交換(PDX)メカニズムを構築し、サービス対象を拡大するため、日台は2019年に「意匠出願の優先権証明書類の電子的交換(意匠PDX)に関する覚書」を締結し、意匠登録出願についてもその適用範囲に盛り込んだ。双方の情報システムのインターフェース調整のため経済部は2021年11月24日、「日台優先権証明書類の電子的交換(PDX)作業要点」(以下、「本要点」と略称)の第2点、第5点の改訂を発表し、並びに2022年1月1日から発効することとした。
2. これにより2022年から、特許又は実用新案の出願人は最先の優先日から16カ月以内に、また、意匠登録出願人は最先の優先日から10ヵ月以内に、日本特許庁が発行したアクセスコードを提出すれば優先権証明書類を提出済みであると見なされる。
3. 経済部が2021年11月24日に発表した改訂公布令、本要点第2点、第5点の改訂規定と対照表(中国語)については上記智慧局リンク先を参照のこと。

 

(2021.11.26 智慧局ニュース全訳)
1-3 「スマートグリッド」及び「電動アシスト自転車」の専利趨勢分析報告
www.tipo.gov.tw/tw/cp-85-899751-0c721-1.html
ネットゼロ政策に対応するため、智慧局は「スマートグリッド」及び「電動アシスト自転車のAI補助動力技術」の専利趨勢分析報告において、より深く専利書類を読み込んで分析し、技術発展の動向及び世界の主要国家及び企業の動向について探った。分析報告については、台湾内の産業界がコア技術の専利グループの詳細な技術情報を理解し、台湾企業が産業の連結及び新しい技術の研究開発を掌握することでカーボンニュートラルの目的を達成すると共に専利の産業価値を創造し競争力を向上させるための参考となるよう提供する。分析報告(中国語)は上記智慧局リンク先からダウンロード可能。
また、智慧局の「グローバル専利検索システム(中国語:全球專利檢索系統(GPSS))」においても「グリーンテクノロジーコーナー」をすでに設置しており、WIPOグリーンの分類に基づいて関連テーマの技術分析報告と世界で推進されているグリーンテクノロジーの現状を提供している。また、台湾の関連業者が研究開発したいイノベーションに関する専利を検索して、関連技術の専利の研究開発を速やかに行うことができるよう、検索条件入力補助機能を有する照会インターフェースも構築したので大いにご利用いただきたい。
*グローバル専利検索システム(GPSS)のグリーンテクノロジーコーナー:
gpss3.tipo.gov.tw/gpsskmc/gpssbkm?!!FUNC240

 

2.法律・制度

(2021.11.26 経済日報電子報全訳)
2-1 UMCとマイクロンの長年にわたる訴訟が和解成立 和解金は未公表
台湾半導体製造ファウンドリの聯華電子(UMC)と米半導体メモリー大手のマイクロン・テクノロジーは26日、両社はグローバルな和解協議に達したとして、双方はグローバルにおける相互間の訴訟を撤回し、UMCは和解金を公表しないが、マイクロンへ一括払いすると発表した。UMCとマイクロンは今後、互いのビジネス協力の機会を追求することとなる。
マイクロンは当初2017年2月台湾において、UMCが中国の晉華集成電路(JHICC)に協力し、マイクロンのDRAM製造工程の機密を窃取したと提訴した。マイクロンからUMCに転職した3名の職員がマイクロンの機密資料を窃取し、これらの機密は後にJHICCに転移されたことが原因である。同年12月、マイクロンは再び米国カリフォルニア州において、UMC及びJHICCに対しマイクロンのDRAM機密を侵害したと訴訟を提起した。
また一方、UMCも2018年初めに中国においてマイクロンの権利侵害を提訴した。双方の争いは最後には更にハイレベルにまで発展し、米国司法省が福建JHICC及びUMCの共謀でマイクロンの商業機密を窃取したとして起訴した。当時の業界人は、マイクロンとUMC間の訴訟が米国政府と中国政府間のテクノロジービジネスの力比べにまで発展したと分析した。
米国司法省の起訴について、UMCは昨年末に商業秘密の窃取に対する罪を認めると同時に米国司法省との和解が成立し、罰金6,000万米ドル(約68億8千万円)を支払うこととなった。
UMCとマイクロンは本日、共同で和解宣言を発表し、双方の数年来にわたる訴訟が正式に幕を閉じた。

 

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