台湾知的財産権ニュース(No.248)
発行:特許庁委託(公財)交流協会
台湾知的財産権ニュース
(No.248)
発行年月日:2017年3月31日発行
主要ニュース目次
1. 智慧局ニュース
(2017年3月17日 智慧局ニュース全訳)
1-1 特許審査の品質管理措置について
(2017年3月17日 智慧局ニュース全訳)
1-2 特許審査の面接制度の改善案を4月~6月に試行実施
(2017年3月22日 智慧局ニュース全訳)
1-3 台米が知的財産権法執行提携の覚書に調印
1. 智慧局ニュース
(2017.03.17 智慧局ニュース全訳)
1-1 特許審査の品質管理措置について
智慧局は近年、滞貨案件の解消だけでなく、特許審査の質の向上に尽力しており、2015年には「特許審査品質チェックチーム」を設け、特許審査の品質チェック業務を行っている。特許審査の品質を更によくするため、2016年8月には「特許審査品質企画チーム」を立ち上げ、各国における特許審査の品質管理制度について分析を進めており、12月末には台湾で実行可能性のある品質チェック案を完成させた。
完成した企画案によると、品質チェック制度は、短期、中期、長期の3つの目標段階に分けられ、順に着実に進めていくことで、品質チェックを品質管理にまで拡大し、周到な品質管理施策の枠組みと措置を順に構築していくものとなっている。
まずは、2017年からの短期目標におけるポイントは次のとおりとなっている。
1. 優秀な審査官を選定してチェック担当者に任命。
2. チェック内容の細分化(四階層)。
3. 「再検索」のチェック態様を明確に特定。
4. チェック項目の詳細化。
5. チェック表の利便性向上。
6. 外部審査官案件のチェック強化。
7. サンプリングのタイミングを「通知書作成後、決裁前」から「決裁後、発送前」に変更。
8. チェック作業に2段階フローを採用。
9. チェック意見が分かれた案件の処理方法を明示的に規定。
10.「特許審査品質チェック作業要点」を規定。
11. チェック担当者の教育訓練を実施。
特許審査の品質チェックの基準を統一するため、現行の「特許初審審査における品質チェック作業規則、基準作業フロー」を基礎とし、現行の品質チェックチームの実務運用を参考にして、チェック担当者と審査官がそれを根拠とできるよう、2017年6月末までに「特許審査品質チェック作業要点」を定める予定である。当該要点に基づき、明確かつ一致した基準を形成するため、毎年定期的に教育訓練を実施する。
(2017.03.17 智慧局ニュース全訳)
1-2 特許審査の面接制度の改善案を4月~6月に試行実施
特許審査の質と効率を向上させ、案件に対する互いの認識の違いを低減させ、当事者と審査官との双方向の意思疎通に協力するため、智慧局は2016年に既存の「面接制度」について全面的に見直しを進め、例えば実施のタイミング、事前準備、面接手続及び記録の作成等の事項の、実務運用上によく見受けられる問題について、各界から広く意見募集を行い、2017年3月に改善措置を完成させた。この改善案は4月~6月に試行する。
面接制度の改善案のポイントは次のとおり:
1. 面接作業要点の改訂:
作業要点の中に「面接の申請は、面接申請書をもって行い、面接事項と説明を明記しなければならない」とする規定を追加。当事者は面接を申請する際に、面接事項と簡単な説明を明記した「面接申請書」を提出して、面接申請の必要性を具体的に説明しなければならない。
2. 「面接申請書」及び「面接通知書」:
「面接の根拠となる補正」、「面接事項及び説明」等の欄を追加し、当事者及び審査官が事前に記載された面接事項に基づいて事前準備ができるようにし、面接時に当該事項に基づいて双方の意思疎通を図り、面接の効果を高める。
3. 面接手続を規定:
内部の訓練教材として「面接の注意事項」を作成し、面接時にとるべき必要な手続、例えば、双方の身分確認と紹介、面接事項の確認、技術の説明、意見交換及び記録の確認等のステップについて説明し、当事者が有すべき面接の権利を保障する。
4. 面接記録表を修正:
現行の面接記録表を修正し、当事者と審査官が進める面接事項と面接手続を誘導する。また、当事者が自己の電子機器を携帯し、本局の「面接記録表」の様式に基づき、陳述した意見を入力できるようにする。
上述した面接制度の改善案のポイントについて、智慧局では今後、台北、新竹、台中、台南、高雄で一連の説明会を開催して説明とPRを行い、また各界からの意見を募集して、施行後に再度検討と改善案の修正を行う予定である。無効審判制度においては、品質の向上のために、口頭審理が国際的な動向となっており、この面接制度改善案は無効審判の口頭審理制度にも応用できるものとなる。
(2017.03.22 智慧局ニュース全訳)
1-3 台米が知的財産権法執行提携の覚書に調印
台湾と米国は2月22日に米国の首都ワシントンにおいて、「台米知的財産権法執行提携の覚書」に調印した。これにより双方の知的財産権違法行為及び貿易詐欺行為の法執行調査連携を強化し、関連する法執行の経験、技術および情報の共有において大いに役立つものとなる。本覚書の調印を通して、台湾と米国は国、分野、専門を超えて提携を行う。これは台米知的財産権保護連携の重要な一里塚であり、台米協力関係を深化する一助となる。
新興テクノロジーとインターネットの発展に伴い、知的財産権に関する犯罪がグローバル化の趨勢にあるだけでなく、犯罪手法も絶えず新しくなっており、今日の知的財産権の法執行は厳しい挑戦に直面している。「台米知的財産権法執行提携覚書」の協力の枠組みの下、台米双方は法執行における技術と実務の交換、情報の共有、訓練協力、模倣品輸出入と著作権海賊版撲滅の専門知識の強化といった具体的な連携事項を共同推進する。将来的には、台湾の法務部、法務部調査局、内政部警政署(警察庁に相当)、財政部関務署(財務省関税局に相当)等の検察・警察・調査機関及び税関機関と米国が、国境を越えた新型犯罪に対しての捜査協力と関連技術・実務の共有において更に緊密となり、更に有効的に知的財産権犯罪を撲滅し、関連する法執行能力の構築の一助となる。
台湾はこれまで一貫して知的財産権の保護を重視してきており、「台米知的財産権法執行提携覚書」の調印により、台米双方の関連法執行連携を更に一歩深まり、知的財産権の法執行が更に現実化し、産業イノベーション及びカルチャークリエイティブ発展における知的財産保護環境の構築に資することができると信じている。
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