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知財ニュース398号

発行:特許庁委託(公財)日本台湾交流協会
台湾知的財産権ニュース
(No.398)
発行年月日:2026年1月15日発行

主要ニュース目次

1. 智慧局ニュース
(2025年12月29日 智慧局ニュース全訳)
1-1 「特許PPH審査申請書」の改訂を公告し、2026年1月2日より発効する
(2025年12月31日 智慧局ニュース全訳)
1-2 本日より、本局の「専利オンライン出願システム」に特許及び実用新案の新規出願機能が追加される。大いにご利用いただきたい。
(2026年1月2日 智慧局ニュース全訳)
1-3 専利ポートフォリオと技術応用力の向上のため、企業の産業専利知識プラットフォーム導入を支援
(2026年1月6日 智慧局ニュース全訳)
1-4 台湾とイスラエルが2026年1月2日に特許審査ハイウェイ(PPH)を開始
(2026年1月9日 智慧局ニュース全訳)
1-5 ジェロンテクノロジー産業の合同指導を活用し、企業が産業の機先を制することを支援

2. 法律・制度
(2025年12月23日 経済日報全訳)
2-1 AI基本法が最終可決 労働権益を保証し、社会秩序の破壊を禁止

3. 知的財産権紛争
(2025年12月17日 経済日報全訳)
3-1 義隆電子が訴訟戦略を調整 奕力科技に再び専利権侵害訴訟を仕掛ける
(2026年1月6日 聯合報全訳)
3-2 TSMC機密漏洩事件でエンジニアによる内部スパイが再び発覚し、検察は3人を追起訴
(2026年1月9日 聯合報全訳)
3-3 TSMC機密漏洩事件で新たに内部スパイ発覚 知的財産及び商業裁判所が勾留継続決定

4. その他一般
(2026年1月7日 国科会ニュース全訳)
4-1 2026科学技術顧問会議が終了、AIインフラ、科学研究及び産業への応用が論点

1.智慧局ニュース

(2025.12.29 智慧局ニュース全訳)
1-1 「特許PPH審査申請書」の改訂を公告し、2026年1月2日より発効する
www.tipo.gov.tw/tw/tipo1/799-68823.html
経済部智慧財産局 公告
発行日:2025年12月22日
文書番号:智専一字第11421005190号
主旨:「特許PPH審査申請書」の改訂を公告する。2026年1月2日より発効する。
根拠法:専利法施行細則第2条第2項の規定。
公告事項:「台以特許審査ハイウェイ(TIPO-ILPO PPH MOTTAINAI)」が2026年1月2日から開始されることに伴い、申請書を改訂する。関連ファイルは本局ウェブサイト(首頁(トップページ)/申請專利/申請表單/專利申請表格暨申請須知)からダウンロードして使用すること。

(2025.12.31 智慧局ニュース全訳)
1-2 本日より、本局の「専利オンライン出願システム」に特許及び実用新案の新規出願機能が追加される。大いにご利用いただきたい。
www.tipo.gov.tw/tw/tipo1/799-68846.html
専利オンライン出願の利便性向上のため、本局は2024年12月に「意匠のオンライン出願システム」を対外的に開放し、意匠及び関連意匠の新規出願とその他の出願機能を提供している。スタンドアローンツールのインストールは不要で、ユーザーはブラウザを通じて使用することができ、クロスデバイスにも対応しており、出願作業の柔軟性と効率を大幅に向上させている。
専利オンライン出願サービスを更に充実させるため、本局は2025年度に特許及び実用新案に関する出願機能の構築を完成させ、本日より対外的な提供を開始する。現在オンラインでの申請が可能な項目は以下のとおり:
1. 新規出願:特許、実用新案。
2. 分割出願:特許の分割、実用新案の分割、意匠の分割、関連意匠の分割。
3. 出願変更:特許出願から実用新案登録出願への変更、特許出願から意匠登録出願への変更、実用新案登録出願から特許出願への変更、実用新案登録出願から意匠登録出願への変更、意匠登録出願から実用新案登録出願への変更、意匠登録出願から関連意匠の意匠登録出願への変更、関連意匠の意匠登録出願から意匠登録出願への変更。
4. 初審と再審査の請求:特許の実体審査請求、特許の実体審査繰り延べ請求、意匠の実体審査繰り延べ請求、案件の進捗状況の照会、面接、意匠の加速審査。
5. 出願権と専利権の申請:専利出願権の譲渡登記、専利証書の再発行/差し替え、専利証書の副本。
6. その他の申請:実用新案技術報告書、専利案件の包袋閲覧。

特許又は実用新案を新規で出願したい場合は、「專利線上申請系統」のトップページから「我要申請」をクリックし、関連情報を入力すれば、出願が完了する。皆様に大いにご活用いただき、より手軽に専利出願サービスをご利用いただきたい。

※「專利線上申請系統」へのリンクと簡易操作マニュアルについては、上記リンク先の「相關連接(関連リンク)」、「檔案下載(ファイルダウンロード)」をそれぞれ参照。

(2026.01.02 智慧局ニュース全訳)
1-3 専利ポートフォリオと技術応用力の向上のため、企業の産業専利知識プラットフォーム導入を支援
www.tipo.gov.tw/tw/tipo1/799-68834.html
政府が構築した専利情報ツールを台湾企業が効果的に活用し、技術の研究開発・イノベーション能力を強化することを支援するため、本局は、2025年度も産業指導施策を継続的に推進し、カスタマイズされた指導モデルを通じて、企業がプラットフォームの操作や応用手法に習熟することを支援した。指導過程において、企業が自社のニーズに基づき専利検索テーマを設定し、実際に演習することで簡易的な専利分析報告を完成させ、自主的に専利検索及び分析を実施する核心的な能力を徐々に培っていくよう、指導した。
2025年度はネットゼロ企業4社、化学工業材料企業4社、光電設備企業1社及び人工知能(AI)企業1社を指導した。指導した企業は次のとおり:臺灣化學纖維股份有限公司(Formosa Chemicals And Fibre Corporation)、臺灣永光化學工業股份有限公司(EVERLIGHT CHEMICAL INDUSTRIAL CORPORATION)、光宇應用材料股份有限公司(Semisils Applied Materials Corp., Ltd.)、光鈺科技股份有限公司(MACH TECHNOLOGY CO., LTD.)、安能複材科技股份有限公司(ENERGY COMPOSITE TECHNOLOGY CO., LTD.)、州巧科技股份有限公司(JOCHU TECHNOLOGY CO., LTD.)、亞氫動力股份有限公司(Asia Hydrogen Energy Corporation)、長生太陽能股份有限公司(EEPV CORP.)、莫比綠電股份有限公司(Mobii Green Energy CO., LTD.)、達興材料股份有限公司(DAXIN MATERIALS CORP.)。参加企業一同から、手厚い指導により専利検索と分析を有効に活用することができたこと、経験と感想を各界の参考として情報共有したいことがフィードバックされた。
将来的な技術のブルーオーシャン(新市場)を計画して市場競争力を向上させ、台湾産業にイノベーションの発展能力を注入できるよう、より多くの企業に本局の専利情報プラットフォームを活用していただきたい。

※詳細(中国語)については、上記リンク先の「相關連接(関連リンク)」を参照。

(2026.01.06 智慧局ニュース全訳)
1-4 台湾とイスラエルが2026年1月2日に特許審査ハイウェイ(PPH)を開始
www.tipo.gov.tw/tw/tipo1/799-68911.html
智慧財産局とイスラエル特許庁(ILPO)は、2026年1月2日から台以特許審査ハイウェイ(TIPO-ILPO PPH MOTTAINAI)プログラムを正式に開始することを発表した。これにより両庁間の専利審査プロセスが大幅に加速され、出願効率が向上し、革新技術の国際的な保護が促進される。

本プログラムの実施に伴い、智慧局は本局ウェブサイトに台以特許審査ハイウェイコーナー(首頁(トップページ)/申請專利(専利出願)/專利審查高速公路(PPH))を新設した。このコーナーには、台以特許審査ハイウェイ作業方案(中国語版及び英語版)や、台湾からイスラエル特許庁にPPH申請する際の参考ウェブページの情報が含まれている。また、PPH申請書フォーマットを使用時のニーズにより適合させるため、「特許PPH審査申請書」の改訂も公告した(申請書URL:https://www.tipo.gov.tw/tw/patents/469.html)。参考にしていただきたい。

台湾出願人は、台湾で登録査定済みの専利に基づいてイスラエル特許庁にPPHを申請することができる。これにより審査が迅速化され、専利取得の可能性が高まり、技術ポートフォリオが強化され、製品の市場投入までの時間が短縮される。それと同時に、出願コストと行政の負担も軽減でき、国際競争力の向上にもつながる。

台湾とイスラエル双方は、今後も引き続き知的財産権の国際協力を強化し、より多くの国際投資と技術交流を誘致して、産業の成長を促進していく。

(2025.01.09 智慧局ニュース全訳)
1-5 ジェロンテクノロジー産業の合同指導を活用し、企業が産業の機先を制することを支援
www.tipo.gov.tw/tw/tipo1/799-68923.html
台湾のジェロンテクノロジーの発展を促進し、企業のコア技術の開発と専利ポートフォリオ能力を向上させるため、本局は2025年も引き続きジェロンテクノロジー企業の合同指導を実施した。「スマートモビリティ支援機器」及び「ホームセキュリティ」の二大応用分野に焦点を当て、専利出願動向とポートフォリオ分析を共有するとともに、実践的な指導方法と組み合わせることで、業者の専利先願検索とポートフォリオ分析能力の育成を支援した。計30社の関連企業が積極的に参加した。
今回指導した内容には、専利基礎知識、専利検索技術、本局の検索システムの操作紹介が含まれており、企業が専利文献や専利ポートフォリオ分析報告を深く解析できるよう着実に指導し、企業が産業の技術発展動向を把握するための支援を行った。また、実践的なカリキュラム設計を通じて、企業が自社専用の専利ポートフォリオ分析報告を作成する力の強化、企業内の専利の検索・分析人材の育成、企業の研究開発・イノベーション能力の強化を図った。
また、本局は2025年も引き続き、「ジェロンテクノロジー推進プラットフォーム」にジェロンテクノロジー関連ニュース、専利文献、専門家コラム及び産業動向分析を統合した。企業が技術動向を迅速に把握することを支援するものになっているので、大いにご利用いただきたい。

2.法律・制度

(2025.12.23 経済日報全訳)
2-1 AI基本法が最終可決 労働権益を保証し、社会秩序の破壊を禁止
立法院院会で23日、《人工知能基本法》(AI基本法)が三読通過(最終可決)した。条文では、公布日から施行されること、中央主管機関は国家科学及技術委員会(国科会)であること、行政院が国家人工知能戦略特別委員会を設立することが明記されている。三読条文では、AIの応用による人民の生命の侵害、社会秩序や国家安全の破壊、偽情報の作成を回避すべきである旨、それと同時に積極的にAIを運用して労働者の労働権益を確保する旨を規定している。
8月末にAI基本法草案が行政院会議を通過した。行政院版の提案説明によると、各国の制定方法を考慮し、かつ台湾の状況に合致したものとするため、台湾のAI発展の基本法は、イノベーションの奨励を主軸にすると同時に人民の権益保障とのバランスにも配慮し、基本原則や政府が推進する重点事項等の観点から基本的価値、ガバナンス原則及び施政方針の構想を提示するものである。
主管機関については、中央は国科会、地方は直轄市・県市政府とすることで、19日に立法院院会で承認された。本法が定める事項が各目的事業の主務管機関の所管に関わる場合は、各目的事業の主管機関がこれを処理する。
三読条文では、AIの応用による人民の生命、身体、自由又は財産の侵害、社会秩序、国家安全又は生態環境の破壊、偏見、差別、虚偽広告、誤解を招く情報や偽情報の作成等といった法規に違反する事案を政府が回避しなければならない点が明文化された。
三読条文では、政府は児童に最も利益をもたらすことを原則とし、中央の目的事業主管機関が「デジタル発展部」と協議の上で高リスクの応用であると認定したAI商品又はシステムには注意事項又は警告を明確に表示しなければならないことが指摘されている。デジタル発展部及びその他関連機関は、各目的事業の主管機関の円滑な業務執行のため、評価検証ツール又は方法を提供又は提案すべきである。
三読条文の規定では、行政院が「国家人工知能戦略特別委員会」を設立し、行政院長が産官学の者を招聘し、国家人工知能発展綱領を制定しなければならない旨が規定されている。毎年1回以上会議を開催し、国会人工知能発展綱領を審議する。突発的な緊急の事態や重大な事件が発生した場合には臨時会議を召集する。委員会の事務作業は国科会が実施する。
三読条文では、政府は財政能力の範囲内で幅広く予算を計上し、必要な措置を講じ、AI政策の推進に必要な経費を確保すべきであるとされている。AIの研究開発、応用及びインフラを積極的に推進し、AI関連産業の補助、委託、出資、投資、奨励、指導の実施や、租税や金融等の財政優遇措置を提供し、年度ごとの実績報告制度を設置しなければならない。
三読条文では、関連する法規の解釈と適用がその他の法規と齟齬する場合、AI基本法第4条の基本原則に合致する前提の下で新技術の促進とサービスの提供を優先することを原則とする旨が明記されている。各目的事業の主管機関は、イノベーティブなAI商品又はサービスについて、AI研究開発及び応用サービスのイノベーションの実験環境を構築又は整備することができる。
三読条文では、各目的事業の主管機関が個人情報保護主務官庁と協議し、AIの研究開発及び応用の過程における不必要な個人情報の収集・処理又は利用を回避し、個人情報の保護を初期の設定や設計にデフォルトで導入することや関連施策又はメカニズムを構築することを促進すべきであると強調している。
三読条文では、政府が積極的にAIを運用して労働者の労働権益を確保すべきであると指摘されている。AIの発展による技能の格差を解消し、労働への参画を促進し、経済的な安全を保障するとともに、労働の尊厳を実現する。AIの利用により失業した者には、その仕事の能力に応じた就業の指導を行う。
三読条文はまた、デジタル発展部は国際基準又は規範を参考にして、国際的な動向と整合したAIリスク分類の枠組を推進すべきであると指摘している。各目的事業の主管機関はリスクベースの管理規範を制定し、関連産業が自主的に産業のガイドラインや行為規範を制定することを支援すべきである。人民の生命・財産の侵害、社会秩序の破壊、偽情報の作成等の状況においては、法令に基づき制限又は禁止すべきである。
三読条文には、高リスクのAI応用について、政府は責任の帰属及び帰責条件を明確にし、救済、補償又は保険メカニズムを構築すべきである旨が示されている。AI研究開発が実際に応用される前の段階においては前項の規定は適用されないが、実際の環境試験時や研究開発成果を活用した商品、サービスの提供時においては、この限りではない。

3.知的財産権紛争

(2025.12.17 経済日報全訳)
3-1 義隆電子が訴訟戦略を調整 奕力科技に再び専利権侵害訴訟を仕掛ける
IC設計大手の義隆電子股份有限公司(ELAN MICROELECTRONICS CORPORATION、義隆電子)は17日、同じく台湾IC設計業である奕力科技股份有限公司(ILI TECHNOLOGY CORP.、奕力科技)とその代理店である碩望科技股份有限公司(NEOVIEW TECHNOLOGY INC.、碩望科技)に対して中華民国専利証書番号I380207の特許権に関する訴訟を提起し、それと同時に、今年7月に提起した中華民国専利証書番号I425402に関する特許権訴訟を取り下げたことを発表した。

義隆電子は今年7月に奕力科技とその代理店である碩望科技に対し特許訴訟を提起したことを発表していた。義隆電子は当時、奕力科技が製造及び販売する静電容量式タッチコントローラチップが自社の特許権を侵害していると指摘していた。委任専利弁護士の判断によると当該静電容量式タッチコントローラチップは義隆電子が有する中華民国専利証書番号I425402の特許権の範囲に該当すると認められるため、知的財産及び商業裁判所へ奕力科技と碩望科技に対する専利権侵害民事訴訟を提起した。

義隆電子は、上記I425402専利訴訟の審理過程において、被告が提出した被疑侵害品の静電容量式タッチコントローラチップの技術資料から、当該チップが義隆電子の別件特許である中華民国専利証書番号I380207の特許権を侵害している疑いがあることを発見したと発表した。知的財産権の保護と専利権侵害行為の持続的発生の防止のため、義隆電子は中華民国専利証書番号I380207の権利侵害行為に関し、奕力科技と碩望科技に対する二件目の専利権侵害民事訴訟を知的財産及び商業裁判所へ提起し、被告による権利侵害行為の排除及び停止並びに損害賠償を求めた。同時に訴訟戦略全体を調整するため、義隆電子は弁護士に依頼してI425402の専利訴訟を取り下げた。上述した訴訟に関する義隆電子からの発表について、奕力科技はコメントしていない。

義隆電子は、同社が長期的に技術イノベーションと研究開発に尽力し、タッチパネル分野で多数の専利を取得しており、その専利権を侵害するいかなる行為に対し、会社と株主の権益を保障するため法に基づき専利権を正当に行使していく旨を強調した。

※台湾知的財産権ニュース389号に関連記事あり(2-2 義隆電子が奕力科技を権利侵害で提訴)。
台湾知的財産権ニュース389号URL:https://chizai.tw/mailmagagine/%e7%9f%a5%e8%b2%a1%e3%83%8b%e3%83%a5%e3%83%bc%e3%82%b9389%e5%8f%b7/

(2026.01.06 聯合報全訳)
3-2 TSMC機密漏洩事件でエンジニアによる内部スパイが再び発覚し、検察は3人を追起訴
台湾高等検察署がTSMCの2nm先端プロセスのコア技術機密漏洩事件を捜査したところ、元エンジニアの陳力銘が東京エレクトロンに転職後、当時エンジニアだった呉秉駿と戈一平を買収して「エッチング装置」の量産試験に必要なパラメータの調整に関する情報を盗んでいたことが明らかになり、3人は昨年、国家安全法違反で起訴された。検察の捜査の過程で、TSMCの別の陳というエンジニアが陳力銘にコア技術を提供し、東京エレクトロンの盧という従業員が証拠隠滅に関わった疑いが浮上し、昨日、3名と東京エレクトロンを追起訴した。

起訴状によると、陳力銘が捜査中に犯行を認めて共犯者の陳について供述したことで検察による陳という男を容易に逮捕できたため、懲役7年を求刑した。裁判所が国家安全法の減刑の規定に該当すると判断すれば、法に基づき刑期の短縮を求める。共犯者である陳は犯行後の態度も良好ではなかったため、懲役8年8月を求刑した。

陳力銘の不正行為がTSMCに発覚したことを知った盧という従業員は、陳力銘がアップロードした関連ファイルを削除し、刑事事件の捜査を妨害する行為を行い、また犯行を否認したため、懲役1年を求刑した。東京エレクトロンは本件の捜査過程において関連の証拠の提供に協力し、事件の真相解明に貢献したため2,500万台湾元(約1億2,430万円)の罰金を求めた。

台湾高等検察署は、検察官による捜査中、会社のクラウドストレージに依然として国家核心重要技術の「項目19」、すなわち「14nm以下のプロセスにおけるIC製造技術とその主要なガス、化学薬品及び装置技術」に関する営業秘密データが保存されていることが発見され、詳細な調査の結果、これは陳という従業員によって窃取されたものであることが判明したと指摘した。

台湾高等検察署は、去年11月10日に調査局を指揮して陳の住居を捜索し、面会禁止の勾留を申請し認められた。検察側は今週、追加の起訴状と事件ファイルを、TSMC 2nm機密漏洩事件を担当する知的財産及び商業裁判所に送付し、次の強制的な処分を決定する予定である。

(2026.01.09 聯合報全訳)
3-3 TSMC機密漏洩事件で新たに内部スパイ発覚 知的財産及び商業裁判所が勾留継続決定
台湾高等検察署知的財産分署が捜査しているTSMCの2nm機密漏洩事件について、元TSMCエンジニアである陳韋傑は会社のコア技術を窃取して東京エレクトロンに転職した元同僚の陳力銘に漏洩した疑いがあり、東京エレクトロンの幹部の盧怡尹は証拠隠滅に関わった疑いがあるため、今月5日、陳韋傑、盧怡尹は追起訴された。本事件は昨日知的財産及び商業裁判所へ送られた。陳韋傑については、供述が矛盾しているため、裁判所は勾留継続と面会禁止を決定した。

知的財産及び商業裁判所は次のとおり指摘した。陳韋傑は、何も事情を知らない同僚のアカウントを使ってTSMCのデータベースにログインして国家核心重要技術に該当するTSMCの営業秘密情報を無断で複製・入手し、陳力銘に送信したことを認めたものの、国家安全法違反については否認した。

また、起訴された犯罪の内容やその手段に関する陳の説明は矛盾し、詳細については重要な点を避け些細な点を説明しており、さらに、陳力銘やその他の被告が捜査対象となっていることを知ると、直ちに個人の携帯電話と業務用パソコンを交換し営業秘密の複製・転送に使用した機器を廃棄又は破壊して、証拠隠滅を図った可能性があり、共謀者との証拠隠滅の懸念があると認められた。これらの犯罪行為については、勾留中の共犯者である陳力銘とその他の証人の証言、関連する電磁的記録等のさらなる検証や比較が待たれる。

合議体は、陳韋傑は個別企業の利益だけでなく国家安全、産業競争力、経済発展にも損害を与えており、本事件にはまだ審理手続きが残されているため勾留の必要性があると判断した。

4.その他一般

(2026.01.07 国科会ニュース全訳)
4-1 2026科学技術顧問会議が終了、AIインフラ、科学研究及び産業への応用が論点
www.nstc.gov.tw/folksonomy/detail/8f3f8066-5975-4c81-9386-aafa1c53f066?l=ch
行政院の2026年科学技術顧問会議は本日(7日)夕方、正式に閉会した。中央研究院の廖俊智・院長、金出武雄・教授、孔祥重・院士、王寳貫・院士、侯永清シニア副総裁、蔡力行・副董事長兼CEO、張世富・院長、廖弘源・所長、Prof. Dawn Freshwater等の国内外の産学研のリーダーにより結成された科学技術顧問団と関係省庁や部会の代表らとの二日間に及ぶ深い交流と討論の後、首席顧問である廖俊智・院長が閉会式で行政院の卓榮泰・院長に対し最終報告を行った。

国内外の科学技術顧問の専門的知見を統合し、台湾のAI発展についての政策提言を提出

今回の行政院科学技術顧問会議の議論のテーマは、科学技術研究開発及び国家発展におけるAIの重要な役割であった。出席した科学技術顧問らは、国内外の重要トレンドと実務経験を共有し、AIはすでに国家安全と経済競争力を構築する鍵になっていることを指摘し、会議において、先端AIを開発・活用し、次世代の科学技術、中小企業及び主権AI(ソブリンAI)の発展を推進するとともに、大衆福祉サービスへの応用を推進するという展望を示した。さらに、会議の総括として、以下の五大戦略提案が提示された。
(1) コンピューティングインフラストラクチャに大規模投資する:官民が連携して将来を見据えた大規模AIインフラストラクチャを構築し、台湾のAI研究開発と応用を支援する。
(2) 台湾のハードウェアの強みをいかし、国際パートナーを厳選して、次世代AIを共同開発する:基盤モデルやトレーニングの微調整技術に強みを持つ国際パートナーと連携し、台湾のハードウェアとエッジコンピューティングの優位性と組み合わせて、ハイブリッドクラウド等の方式で次世代AI応用を共同開発し、実用化を促進する。
(3) 国家安全と営業秘密を確保するAIデータ共有プラットフォームを構築する:国家安全と営業秘密を保護するという前提の下、各垂直型産業チェーンのデータ共有プラットフォームを構築する(大企業やリーディング企業が率先して初期データを提供し、関連データの標準を提案して、川上・川下データと規格を整合させる)。このメカニズムは、まずニッチ産業から開始し、モデルケースを構築して、その他の産業に拡大する。
(4) 次世代のAI人材を大規模育成、誘致する:産学協同雇用等の多様化した産学共創メカニズムを構築し、優秀な研究員と産業界の交流を促進する。
(5) 公平、合法、かつ実行可能なデータガバナンス環境を構築する:国際的なトレンドに調和し、AI著作権ガイドラインと関連法規を整備し、AI科学研究と応用の発展の支援のため、政府と民間のデータ開放を積極的に促進する。

官民の協力を先導し、AI発展の方向性を安定的に推進

頼清徳総統は会議に出席し、挨拶において次のように述べた。世界的なデジタルトランスメーションと地政学変化に直面する中、AIはすでに産業と国家発展を駆動する重要な力となっている。台湾は、世界的に傑出したレベルの半導体と情報通信産業を基盤として、AIの全面的な応用発展の段階に移行中である。政府は「AI新十大建設」を推進し、インフラ、重要技術、産業への応用を連携させる。今後、台湾は、開放的で活気に満ちた、ユニバーサルなAIイノベーション・エコシステムを構築し、世界の技術体系における台湾の重要な役割を強化する。
卓榮泰・行政院長は会議において、AIは技術テーマであるだけでなく国家競争力、産業の高度化と社会発展に更に深刻に影響するものであり、台湾は今後、既存の科学技術と半導体を基盤として自主研究開発、データガバナンスと人材育成を継続的に強化し、省庁を横断した協力を通じて先端技術と応用の実用化を推進し、AIを産業への運用と民衆生活に真に浸透させ、世界的な技術競争の新局面に着実に対応していく旨を述べた。
呉誠文・行政院政務委員兼国科会主任委員は、国内外の科学技術顧問による専門的な提言を通じて、政府は国際的な視点から台湾の発展ニーズと課題を結びつけ、台湾のAI発展に関する提案を提出することができ、また、将来の科学研究への投資と産業発展の促進のための重要な参考として、世界の技術体系における台湾の重要な役割を継続的に強化していく旨を述べた。

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