発行:特許庁委託(公財)日本台湾交流協会
台湾知的財産権ニュース
(No.396)
発行年月日:2025年11月28日発行
主要ニュース目次
1. 智慧局ニュース
(2025年11月17日 智慧局ニュース全訳)
1-1 財団法人専利検索センターは2件の専利分析報告を完成させたので、参考にしていただきたい
(2025年11月17日 智慧局ニュース全訳)
1-2 2024年にWIPOが受理したPCT特許出願は0.5%の微増 台湾は概ね例年並みでイノベーションが安定的に発展
(2025年11月17日 智慧局ニュース全訳)
1-3 台湾とイスラエルがPPH及び知的財産協力の2つの協力覚書に署名 双方の知財協力と交流を強化
(2025年11月20日 智慧局ニュース全訳)
1-4 NEXT IS NOW 專利を駆使して世界を視野に 智慧局はスタートアップの成果を集結してイノベーションの実現を加速
(2025年11月24日 智慧局ニュース全訳)
1-5 「商標登録出願の方式審査基準」改訂版が2025年12月1日より発効。
2. 知的財産権紛争
(2025年11月19日 経済日報全訳)
2-1 TSMC退職幹部が2nmの先端製造プロセスに関する機密情報を持ち出しとの情報
(2025年11月19日 経済日報全訳)
2-2 TSMCのベテランが2nm先端プロセス技術をインテルに持ち出したという噂について、経済部部長は「これらの措置が講じられる見込み」と回答
(2025年11月19日 聯合報全訳)
2-3 TSMC機密漏洩事件は米国、エヌビディアの利益に関わる?元エンジニアが多方面の関係を暴露:厄介な事態になり得る
(2025年11月20日 聯合報全訳)
2-4 羅唯仁氏がTSMCの機密資料を持ち出した?葉俊顯 : かなり前に機密に接触できない部署へ異動済み
(2025年11月22日 中国時報第A5面全訳)
2-5 TSMCのベテランの離職で機密漏洩 陳立武が噂を否定
(2025年11月26日 中国時報第A6面全訳)
2-6 羅唯仁氏がインテルへ転職し機密漏洩した疑い TSMCが提訴
3. その他一般
(2025年11月17日 経済部国際貿易署ニュース全訳)
3-1 第15回台以経済技術協力会議 引き続き双方の経済貿易協力を深化
1.智慧局ニュース
(2025.11.17 智慧局ニュース全訳)
1-1 財団法人専利検索センターは2件の専利分析報告を完成させたので、参考にしていただきたい
www.tipo.gov.tw/tw/tipo1/799-65972.html
世界の技術とデジタル応用が加速度的に発展する中、無人航空機とシリコンフォトニクスデバイスは技術革新と産業高度化を推進する重要分野となっている。本局は専利検索センターに委託して、「無人航空機の動力システムの専利分析」及び「シリコンフォトニクスデバイスの先端パッケージングプロセス用の重要材料の専利分析」の2件の専利分析報告を完成させた。産官学界が世界の技術ポートフォリオを把握するための重要な基礎資料として提供する。
無人機分析によると、軍事から商業、農業と物流等の分野に至るまで、その応用分野は拡大しており、動力システムは応用の可能性と市場競争力に重大な影響を与える。台湾の専利出願件数は世界7位で、イノベーションは学術研究部門を中心に生じている。専利の実施許諾、共同研究開発と連盟設立等の方法を通じて技術移転を促進し、「発明」から「商業的価値」に至る完全な専利保護チェーンを構築することが提案されている。
シリコンフォトニクスデバイス分析によると、該技術は低消費、低発熱、高速伝送等の優位性を有し、世界の専利は米国と中国がリードし、台湾は5位で、台湾積体電路製造(TSMC)が主要出願人である。台湾はパッケージング材料とフォトニクス相互接続技術に優位性を持ち、平面光導波路等の重要技術の研究開発を強化し、国際的な専利権者と協力して材料技術のボトルネックを突破することが提言されている。
専利検索センターはこれら2つの研究成果を統合して、技術進化と専利ポートフォリオの分析を通じた台湾の産業チェーンに対する具体的な提言を行っており、政府と企業の将来に向けた戦略策定を支援し、台湾のテクノロジー競争力と国際的地位の強化を図っている。
報告書は専利検索センターより入手可能(※)。ご参考にしていただきたい。
※https://www.psc.org.tw/TC/news_inner.aspx?cid=60&cchk=da6e0208-aa5c-4621-9dc9-036d5fa5b553&id=235&chk=b5a59299-2975-4aad-89c0-102065c87693¶m=pn%3d1
(2025.11.17 智慧局ニュース全訳)
1-2 2024年にWIPOが受理したPCT特許出願は0.5%の微増 台湾は概ね例年並みでイノベーションが安定的に発展
www.tipo.gov.tw/tw/tipo1/799-65974.html
経済部智慧局(TIPO)は本日、「2024年WIPO及びTIPOが受理した特許出願趨勢の比較分析」を発表した。2024年にWIPO(世界知的所有権機関)が受理したPCT(特許協力条約)特許出願件数は約273,900件で、2023年と比べると0.5%の微増となった。TIPOの受理件数は50,823件で2023年と概ね同レベルとなり(-0.1%)、台湾のイノベーション力が安定しており、研究開発力全体の持続的に安定して成長していることが示された(図1参照)。
WIPOが受理した特許出願では中国が最多、TIPOが受理した特許出願では台湾が最多
2024年にWIPOにPCT特許出願した国家(地区)では、中国が70,160件で引き続き1位となり、米国(54,087件)、日本(48,397件)、韓国(23,851件)、ドイツ(16,721件)と続いた。中国は0.9%の微増となり、韓国は前年同期比7.1%増と、最も増加した。米国、日本、ドイツは1.2%~2.8%減となった(図2参照)。
TIPOが受理した特許出願では、台湾人による出願が19,586件で最多となり、日本(12,307件)、米国(6,817件)、中国(3,472件)、韓国(3,365件)、ドイツ(1,035件)と続いた。台湾人による出願件数は昨年並み(-0.2%)、日本、中国はそれぞれ1.6%減、8.8%減となり、米国、韓国、ドイツは1.3%~8.5%の増加となった(図2参照)。
WIPO特許出願の技術分野では「デジタル通信」が首位、台湾では「半導体」が首位
2024年はWIPOへの特許出願件数が最多の技術分野は「デジタル通信」となり、公開件数の10.5%を占め、「コンピュータテクノロジー」(9.7%)、「電子機械エネルギー装置」(8.6%)を超えた(図3参照)。さらに分析すると、「デジタル通信」が全体に占める割合は、2020年~2024年にかけて8.3%から10.5%に持続的に上昇しており、特許出願人が積極的にグローバルな特許ポートフォリオを展開していることが分かる。「電子機械エネルギー装置」も6.6%から8.6%に急増しており、技術が分野横断的に融合していく世界的なトレンドを反映している。これに対し、「コンピュータテクノロジー」は、2020年から2022年にかけて9.2%から10.4%に増加したが、その後年々減少し、2024年には9.7%に減少した(図4参照)。
台湾においては、2024年は「半導体」(15.1%)が引き続き1位となり、「コンピュータテクノロジー」(8.2%)、「電子機械エネルギー装置」(6.8%)がこれに続いた(図3参照)。2020年~2024年にかけて、「半導体」の占める割合は11.9%から15.1%に急増し、台湾が世界の半導体産業のサプライチェーンとして重要な地位を有していることが浮き彫りとなった。一方で、「コンピュータテクノロジー」は9.9%から8.2%に減少し、「電子機械エネルギー装置」の成長率も緩やかになっており(図4参照)、台湾は今後もAI、エネルギー等の新興分野の特許ポートフォリオに注力する必要があることが明らかとなった。
主要国家(地区)のWIPOにおけるポートフォリオ展開は「デジタル通信」、「コンピュータテクノロジー」、「電子機械エネルギー装置」が最多であり、台湾においては「半導体」が大宗を占め、最多
中国(18.0%)と韓国(13.3%)がWIPOでポートフォリオ展開する技術分野に関しては、2024年は「デジタル通信」の割合が最も高かった。米国は「コンピュータテクノロジー」(12.6%)が最多で、日本(11.9%)とドイツ(12.1%)はいずれも「電子機械エネルギー装置」に集中していた。さらに分析すると、「デジタル通信」における2024年の中国、米国、日本、韓国の出願件数は2023年と比較して大幅に増加しており、通信技術において相当なイノベーションが起こり、主要国家がグローバルマーケットで争奪競争を繰り広げていることが分かる。一方、「電子機械エネルギー装置」においては、中国の増加率が最も高く、世界の電池・エネルギー関連技術へ積極的に展開していることが示されている(図5参照)。
2024年の台湾への出願に関しては、台湾(15.7%)、中国(10.5%)、米国(14.6%)、日本(15.4%)、韓国(29.1%)は「半導体」分野への出願が最多であり、ドイツは「基礎材料化学」の比率(8.8%)が最多であった。全体として、2024年の台湾への出願については、米国、韓国の「半導体」の割合が2023年より増加したが、中国は減少し、台湾と日本は比較的安定していた。一方、中国は「コンピュータテクノロジー」の割合が増加し、「製薬」の割合が減少しており、米国は「コンピュータテクノロジー」の割合が減少したが、「製薬」の割合が増加した。各国が重点的にポートフォリオ展開する分野が異なっていることが分かる(図6参照)。
WIPOの特許出願人では中国のファーウェイが首位、台湾ではTSMCが1位
2024年のWIPOが受理したPCT特許出願の上位10出願人については、中国のファーウェイが6,600件で首位となった。韓国のサムスン電子(4,640件)、米国のクアルコム(3,848件)がそれぞれ2位、3位となり、中国の小米移動は1,889件で初の上位10位入りとなった。成長率を見てみると、上位10企業のうち韓国のサムスン電子(+18.2%)と中国の小米移動(+17.8%)の成長が著しい一方、日本の三菱電機は9.1%減少した(図7参照)。
台湾については、TSMCが1,279件で引き続き1位となった。韓国のサムスン電子(1,013件)、米国のアプライドマテリアルズ(864件)と続き、オランダのASML(355件)は台湾で初の上位10位入りとなった。成長の傾向を見てみると、韓国の韓領(クーパン)(+85.4%)が最も著しく、オランダのASML(+37.6%)、韓国のサムスン電子(+35.6%)も顕著に増加した。一方、TSMCは2023年より19.2%減少した(図7参照)。
WIPO及び台湾における特許出願人が集中する分野は「デジタル通信」と「半導体」
2024年のWIPOにおける上位10出願人の技術分野分布をみると、中国のファーウェイ、韓国のサムスン電子、米国のクアルコム、韓国のLG電子、中国の小米移動、スウェーデンのLM艾瑞克生(エリクソン)はいずれも「デジタル通信」分野に集中しており、その割合は32.2%~89.9%となった。中国の小米移動(96.2%)とスウェーデンのLM艾瑞克生(エリクソン)(89.3%)は、上位3技術分野の合計が全体の約9割を占めており、そのポートフォリオは極度に集中していることが示されているが、「デジタル通信」分野が占める割合はそれぞれ89.9%、63.0%となっており、両者の異なるポートフォリオ戦略が反映されている(図8参照)。
台湾での出願については、TSMC、韓国のサムスン電子、米国のアプライドマテリアルズ、日本の東京エレクトロン及び南亜科技(NANYA)はいずれも、「半導体」分野における出願が大宗を占め最多となっており、割合は43.3%~79.9%であった。TSMC(91.4%)、南亜科技(NANYA)(93.7%)の上位3分野の合計が全体に占める割合は9割を超えており、そのポートフォリオが「半導体」に極端に集中していることが分かる。また、韓国の韓領(クーパン)(96.7%)も9割を超えるが、主に「情報管理方法」に集中しており、ポートフォリオ戦略が異なることが示されている(図9参照)。
「2024年WIPOとTIPOが受理した特許出願の趨勢比較分析」については、智慧局専利主題網の「研究報告」「動向統計」(専利主題網→研究報告→趨勢統計)(https://www.tipo.gov.tw/tw/patents/539.html)に掲載されている。参照いただきたい。
※本文中で言及されている図については、上記リンク先の「檔案下載」の「1141113_2024年WIPO與TIPO受理發明專利申請趨勢_圖表」(中国語PDF)を参照。
(2025.11.17 智慧局ニュース全訳)
1-3 台湾とイスラエルがPPH及び知的財産協力の2つの協力覚書に署名 双方の知財協力と交流を強化
www.tipo.gov.tw/tw/tipo1/891-65971.html
本年(2025年)11月17日、第15回台以経済技術協力会議において、台以(イスラエル)特許ハイウェイ(PPH MOTTAINAI)及び台以知的財産協力の2つの協力覚書が、経済部の江文若政務次長、イスラエル経済産業省のRoey Fisher貿易執行委員、智慧財産局の廖承威局長、イスラエル特許庁(ILPO)のMordechay Sorek長官の立ち合いのもと、李雅萍駐イスラエル台湾代表及び游瑪雅(Maya Yaron)駐台北イスラエル経済文化弁事処代表により署名された。台湾とイスラエルの知的財産協力交流の幕開けとなった。
今回のイスラエルとのPPH締結は、米国、日本、スペイン、韓国、ポーランド、カナダ、フランスに続く、台湾にとって8番目のPPHパートナーシップである。台以PPHは来年1月2日に開始する予定である。今後、台湾とイスラエルの双方は、同一の特許出願の重複審査を削減し、双方の検索結果及び審査結果を有効活用することで、双方の出願人の早期の特許権取得を支援していく。
今回、台湾とイスラエルは知的財産協力覚書にも署名しており、今後双方は情報交換、専門家交流、知的財産意識の啓蒙等の課題について協力していく。イスラエルの軍事技術、サイバーセキュリティ、医療、バイオテクノロジー、AI等の各分野の先端技術を台湾の半導体及び情報通信の優位性と組み合わせることで、台湾とイスラエルの双方は知的財産分野における協力関係を深化させることができる。
智慧局は従来からビジネスフレンドリーな知的財産保護制度の構築を目指している。今回の台以間PPH及び知的財産協力の覚書は、双方の実務協力の基盤となるものであり、これにより、双方の特許出願人がより迅速に特許を取得でき、企業の特許ポートフォリオに有利になるとともに、双方の技術的優位性の融合によって協力関係を強化し、産業発展の新たな推進力を共に創出することが期待される。
(2025.11.20 智慧局ニュース全訳)
1-4 NEXT IS NOW 專利を駆使して世界を視野に 智慧局はスタートアップの成果を集結してイノベーションの実現を加速
www.tipo.gov.tw/tw/tipo1/891-65995.html
経済部の何晉滄・次長は本日(20日)、「2025 Meet Taipei イノベーション創業カーニバル」の開幕式に出席した。経済部智慧局は会場に「NEXT IS NOW 專利を駆使して世界を視野に」をテーマとした専門エリアを設置し、専利をエンジンとしイノベーションをエネルギーとして台湾のスタートアップ企業が達成した具体的成果を展示した。
智慧局は、世界的なイノベーション競争の潮流の中、知的財産はすでにスタートアップ企業が市場進出するための重要な推進力となっていることを指摘した。そのため、智慧局は「スタートアップ産業の加速審査計画」を推進し、専利ポートフォリオによりイノベーションの発展を導いて、スタートアップが早期に知的財産保護メカニズムを構築することを支援し、また、産学界と企業資源の連携を強化し、革新技術の実用化と市場参入を加速し、研究開発、認証から商業化までの「イノベーション加速チェーン」を構築する。
今年度計画では「専利加速審査」を重要なポイントとし、スタートアップ企業が知的財産権を後ろ盾にしてイノベーションの成果を迅速に実用化することを支援する。スタートアップ企業は加速審査メカニズムを通じ最短で4か月以内に専利を取得することが可能となり、技術と商品を迅速に市場に投入し、ビジネスチャンスをつかむことができる。これと同時に、同計画では専利検索とポートフォリオ戦略も推進しており、スタートアップ企業に年間40部の検索報告書を提供し、スタートアップチームが技術研究開発の方向性を明確化し専利出願することを支援する。さらに、「スタートアップ企業連合相談グループ」の結成を通じて、中堅・大企業の資源を連携させ、技術検証とビジネスチャンスのマッチングを促進する。市場における多数の実質的な協力案件(技術的解決策の導入とAI応用の認証を含む)の成立を支援しており、スタートアップチームの1.05億台湾元(約5.23億円)の資金投資募集への協力に成功した。
これらの成果は「専利を駆使して世界を視野に」の精神を充分に体現している。知的財産は創造性を保護する盾であるだけでなく、イノベーションを実用化するエンジンでもある。台湾スタートアップは知的財産保護により「NEXT IS NOW」を実践し、世界市場において競争力とイノベーション力を展開させていく。
今回の展覧会は「NEXT IS NOW」をテーマに、台湾のスタートアップが今まさにイノベーションの転換点に立っていることを象徴している。今こそ知的財産保護の実現を把握して、「未来」の考え方を「現在」の行動に変換していかなければならない。展示エリアには計画に初参加のスタートアップ企業が集結した。通信、集積回路、材料科学技術、化学分析、バイオテクノロジー、情報サービス等の多様な産業分野にわたり、NEXT TECH|未来革新、NEXT GREEN|持続可能な推進、NEXT CARE|共創共生を展示の三大テーマとして、ハイテク製造からスマート医療に至るまでの台湾のイノベーション力を示している。
3日間の展示イベントは以下のとおり充実している:
● 11月20日(木)は、「智慧局専門エリアの開幕式」と「スタートアップ技術の情報共有会」を開催し、智慧局の廖承威・局長と産業界代表のスタートアップ総会の王年清・主任委員が共同で開幕式を行い、スタートアップチームの成果展示をガイドし、産業の連携と協力を促進する。
● 11月21日(金)は、「スタートアップ企業におけるイノベーションから専利ポートフォリオ・出願実務まで」、「スタートアップを加速する資源の情報共有」を行い、智慧局の専門家、林口亜湾新創園(Startup Terrace)、クアルコム、StarFabアクセラレーター等を招聘し、知財活用と育成経験について情報共有する。
●11月22日(土)は、「商標保護とポートフォリオ戦略」、「産業イノベーション発展の経験談」を行い、智慧局の専門家、新應材股份有限公司(Advanced Echem Materials Company Limited)の劉瑞麟・シニア副総経理、醫揚科技股份有限公司(ONYX HEALTHCARE INC.)の陳盈德・副総経理が産業イノベーションと知財実務の応用について情報共有する。
展示初日は、産業界、学術研究機関、スタートアップチームから多くが集まり交流し、知的財産により推進される台湾イノベーション力の具体的成果が示された。智慧局は、「NEXT IS NOW 專利を駆使して世界を視野に」の専門エリアを通じて、更に多くのスタートアップ企業が知財の重要性を理解し、専利制度をイノベーションの推進装置として活用し、台湾の技術的ポテンシャルが世界に認められるものとなることを期待すると述べた。智慧局は、知的財産をイノベーション推進政策の基礎として、台湾のスタートアップ企業が「NEXT IS NOW」の精神を実践し、世界のイノベーションの次のマイルストーンに向けて邁進できるよう、引き続き支援していく。
(2025.11.24 智慧局ニュース全訳)
1-5 「商標登録出願の方式審査基準」改訂版が2025年12月1日に発効。
www.tipo.gov.tw/tw/tipo1/799-66026.html
経済部 令
発行日:中華民国114年(2025年)11月24日
文書番号:経授智字第11452800740号
「商標登録出願の方式審査基準」を改訂する。中華民国114年(2025年)12月1日に発効する。
別添:「商標登録出願の方式審査基準」改訂版
部長 龔明鑫
※商標登録出願の方式審査基準(中国語PDF)については、上記リンク先の「檔案下載(ファイルダウンロード)」からダウンロード可能。
2.知的財産権紛争
(2025.11.19 経済日報全訳)
2-1 TSMC退職幹部が2nmの先端製造プロセスに関する機密情報を持ち出しとの情報
産業界で昨日(18日)、今年7月に台湾積体電路製造(TSMC)を退職して10月にインテルに転職した、TSMCの前技術研究開発・企業戦略発展部の羅唯仁・シニア副総経理が、幹部の職権を利用して従業員にTSMCの2nm、A16、A14等の先端製造プロセスの技術レポートの作成を要求し、関連機密資料を持ち出して退職したとの情報が流れた。
昨日の原稿締め切り時点では羅唯仁氏もTSMCも回答しておらず、また、インテルも人事情報を発表しておらず、市場の噂には対応しないと述べた。
TSMCは現在証拠収集中で、まだ検察には告訴していないようだ。TSMCは通常、退職者又は元幹部と競業避止契約を締結し、18か月間は競合企業で勤務してはならないと制限するが、羅唯仁氏は競業避止契約に署名していなかったようだ。
台湾高等検察署知的財産分署では、国家安全保障法や営業秘密法に違反する行為であるか否かを明らかにすべく、すでに事件を担当に回して捜査している。龔明鑫・経済部長は昨日、職員には状況を把握するよう指示したが、TSMCを尊重し、TSMCが説明することが必要だと述べた。
TSMCの関連資料によると、羅唯仁氏は米国カリフォルニア大学バークレー校で固体物理学と表面化学の博士号を取得し、2004年にTSMCに入社し、21年間で様々な重要職務を歴任し、包括的・革新的なソリューションを顧客に提供し、技術的なボトルネックを打破するようチームを導き、世界で1,500件を超える専利を取得した。
2011年には、TSMCの創始者で当時CEOだった張忠謀氏が、羅唯仁氏の「責任を負い、重要な技術的意思決定を行う勇気」を称え、その技術的貢献を高く評価し、「TSMC Medal of Honor(名誉勲章)」を授与した。
羅唯仁氏は、TSMCが10nmプロセス開発のボトルネックを克服する上で重要な役割を果たした人物である。彼は当時「日鷹」と「夜鷹」を統合し、24時間稼働の先端プロセス研究開発センターを構築する「夜鷹計画」を提案し、また、設備メーカーと24時間対応チームを結成し、新設備を共同開発することで、TSMCが10 nmプロセス開発の困難を乗り越えることを支えた。
羅唯仁氏が「銃を持って寝返った」という説については解明が待たれるところであり、TSMCと関係政府機関の注目を集めている。今後の調査が注目される。
(2025.11.19 経済日報全訳)
2-2 TSMCのベテランが2nm先端プロセス技術をインテルに持ち出したという噂について、経済部部長は「これらの措置が講じられる見込み」と回答
報道によると、TSMCの前技術研究開発・企業戦略発展部の羅唯仁・シニア副総経理は、退職前に職権を利用し、2nm等の先端プロセスに関するコピー資料を持ち出した後、古巣のインテルに戻った疑いがある。経済部の龔明鑫・部長は19日、立法院経済委員会に出席する前に行われたインタビューで、この事件が台湾の半導体産業のエコシステム及び顧客関係に影響を及ぼすか否かについて経済部は非常に注視していると述べた。
龔明鑫・部長は、この事件は、第一に国家安全保障、第二に産業界全体の利益、第三に企業の個別の利益という、三つの階層に関わるものであると述べた。
また、台湾高等検察署がすでにこの事件の調査を開始しており、国家安全上の懸念を伴うか否かに関し、経済部は国家核心重要技術管理措置の説明に協力すると述べた。個別企業の利益に関して、経済部は、TSMCによる営業秘密訴訟を提起するか否かの決定を尊重し、必要に応じて協力すると述べた。
産業界全体の利益について、龔明鑫・部長は、経済部でこの事件が台湾の半導体産業のエコシステム及び顧客関係に対する影響を引き続き注視していくと述べた。
龔明鑫・部長は、台湾はすでに国家核心重要技術のメカニズムを構築しており、今後も随時、国家核心重要技術の範囲を更新していくと述べた。
龔明鑫・部長は、今回持ち出された資料が国家核心重要技術に該当するか否かについては経済部が判断して説明し、営業秘密に該当するか否かについてはTSMCが判断すると述べた。
(2025.11.19 聯合報全訳)
2-3 TSMC機密漏洩事件は米国、エヌビディアの利益に関わる?元エンジニアが多方面の関係を暴露:厄介な事態になり得る
台湾積体電路製造(TSMC)で再び機密漏洩事件が発生したと取り沙汰されている。技術研究開発シニア副総経理であった羅唯仁氏は7月に退職し、10月に競合相手のインテルへ研究開発副総裁として転職しており、研究開発機密を持ち出した疑いがもたれ、「国家安全法」違反のおそれがある。元TSMCエンジニアである台北市議員の曾獻瑩氏は、従来TSMCは漏洩事件に対して強硬な法的措置を講じてきたが、今回はインテルに投資しているエヌビディアや米国政府との政治的な関係から、より厄介な事態が起こる可能性があると述べた。
曾獻瑩氏は、羅唯仁氏は副総総経理級の役職にあり大量の先端製造プロセス技術の詳細を掌握することができ、関連資料が流出した場合、社内統制の問題だけでなくTSMCの先進製造プロセスの競争優位にも影響をもたらし、国家安全レベルの国家競争力に関わる可能性があると指摘した。
曾獻瑩氏は次のとおり述べた。両者は協力関係にあるものの、インテルがファウンドリー事業で発展した後はTSMCの競合となった。一方、TSMCとパートナー関係にあるエヌビディアはインテルの大株主であり、また米国政府もインテルに20億米ドル(約3,150億円)の投資を行っている。売上の多くが米国IC設計会社からであるTSMCにとっては、コーポレートガバナンスの危機であるだけでなく、台米関係、産業戦略のポートフォリオ、国際政治のリスクにも関係する。法的措置を講じた場合、必然的に米国及びトランプ大統領を刺激し、複数の重圧に直面することになるだろう。
また曾獻瑩氏は次のとおり説明した。10数年前の梁孟松事件では、韓国と中国の競合企業への機密漏洩についてTSMCは強力な法的措置を講じ、知的財産権侵害を産業のライフラインの戦略的課題とみなした。また、過去には、TSMCの幹部が韓国や中国の半導体業界に転職した場合、権利保護の行動を起こしてきた。しかしながら、今回は産業チェーンのパートナー関係と政治の問題に関係し、これまでよりもずっと複雑な状況であり、相当厄介な事態になり得る。
(2025.11.20 聯合報全訳)
2-4 羅唯仁氏がTSMCの機密資料を持ち出した?葉俊顯 : かなり前に機密に接触できない部署へ異動済み
元TSMCシニア副総経理の羅唯仁氏が2nmの製造プロセスに関する資料を持ち出した疑いがあることについて、民進党の邱志偉・立法委員は、産業への影響と再発防止策を質問した。国家発展委員会(国発会)の葉俊顯・主任委員は、羅唯仁氏は1年以上前に機密に接触できない部署に異動済みであり、影響は大きくないことを明らかにした。
本日の立法院経済委員会での、「AI時代において、台湾の将来競争力にとって重要な、新たな人材争奪戦に、どのようにして勝利するのか?」に対する国発会、経済部等の省庁の報告において、TSMCの機密漏洩の可能性について問われた葉俊顯・主任委員は、TSMCで勤務している友人によると、TSMC内では退職する1~2年前には職員を部署異動させるため、羅唯仁氏は1年以上前に機密に接触できない部署へ異動していたと述べた。
羅唯仁氏が資料をコピーしたかどうかについては、葉俊顯・主任委員は、TSMCが調査することであると述べた。技術漏洩の有無については、同主任委員は、TSMCに対する信頼は厚く、一人の人物によってTSMCが影響を受けることはなく、先端プロセスへの影響は大きくないと語った。
(2025.11.22 中国時報第A5面全訳)
2-5 TSMCのベテランの離職で機密漏洩 陳立武が噂を否定
TSMCの羅唯仁・前シニア副総経理が、センシティブなデータを持ち出しインテルに転職したという噂について、インテルの陳立武CEOは20日、半導体産業協会(SIA)の年度授賞式に出席した際に、これはただの噂で、憶測でしかないと指摘し、これらの噂は全く根拠がないものだと述べた。
陳立武氏は、インテルはルールを順守し知的財産権を尊重していると強調した一方、人事については言及しなかった。協会は、最高栄誉であるロバート・N・ノイス賞をTSMCのCEOである魏哲家氏と元会長の劉德音氏に授与した。
外国メディアによると、現在市場価格が1.15兆米ドル(約180兆円)越えのTSMCは紛れもなく世界のファウンドリーのリーダーで、半導体のパイオニアであるインテルをすでに追い抜いており、TSMCの独自のデータと製造技術は、企業秘密であるだけでなく、台湾にとって戦略的に重要なものである。また、事情に詳しい別の関係者によると、TSMCは羅唯仁氏が許可なく機密情報を持ち出したか否かについて社内調査を開始したが、同社が被る損害について結論に達したかどうかは現時点では不明である。
インテルの陳立武CEOはインテルに招かれて2022年に取締役会に加わり、主要任務はインテルの再生であった。2023年には職務範囲が拡大され、製造業務の監督権限も付与された。
去年8月に陳立武氏は突然インテル取締役の職を辞し、大きなニュースとなった。当時インテルは「救いようがない」と外部から評価されており、当時のインテルのPat Gelsinger CEOとの理念の相違が噂されていた。
陳立武氏は7か月の休止期間を経て、今年3月中旬にインテルに復帰し、CEO就任後初の従業員向け書簡で「インテルを世界一流の製品企業として復活させ、世界一流のファウンドリーへと成長させることに尽力する」と誓った。
陳立武氏はマレーシア生まれ、シンガポール育ちであり、シンガポール南洋理工大学で物理学学士号、マサチューセッツ工科大学で原子力工学の修士号、サンフランシスコ大学でMBAを取得した。2004年から19年間、益華電脳(Cadence Design Systems, Inc)の取締役を務め、2021年から2023年までは同社の執行会長を兼任した。
(2025.11.26 中国時報第A6面全訳)
2-6 羅唯仁氏がインテルへ転職し機密漏洩した疑い TSMCが提訴
トップ企業(TSMC)がもう耐えられない!前シニア副総経理の羅唯仁氏が7月末に退職し、10月末にインテルの副総裁に就任した。TSMCは昨日、すでに羅唯仁氏と交わした雇用契約書、羅唯仁氏が在職期間中に署名した競業避止契約書及び営業秘密法等の規定に基づき、知的財産及び商業裁判所に羅唯仁氏を提訴したと発表した。TSMCは、羅唯仁氏が同社の企業秘密及び機密情報をインテルに使用又は漏洩、開示、提供又は譲渡した可能性が高いため、違約による損害賠償も含む法的措置を講じたと強調した。
知的財産及び商業裁判所は、25日に確かにTSMCからの書状を受け取ったと述べた。経済部もまた、検察・調査局に協力し、本件が国家核心重要技術と「国家安全法」の侵害に該当するか否かを確認するとの声明を出した。羅氏の工業技術研究院(ITRI)の院士資格については、経済部は、現在のところ院士剥奪のメカニズムがなく、ITRIに検討を要請済みであると指摘した。
TSMCによると、羅唯仁氏は2004年7月に副総経理として入社し、2014年2月にシニア副総経理に昇進し、2024年3月には、シニア副総経理として「企業戦略発展部」に異動した。同部は会長と総裁へのコンサルティングを行う幹部部門であり、職務上は研究開発部門の業務を監督・管理する必要はないが、「企業戦略発展部」への異動後も、羅氏は開発中及び将来計画されている先端プロセス技術を把握するため、研究開発部門に会議を開催し資料提供するよう求めていた。
TSMCによると、羅唯仁氏は在職期間中に秘密保持条項と離職後の競業避止条項に署名し、7月22日の退職面談の際、最高法務責任者の方淑華氏は関連する注意事項を示した書簡を提供し、競業避止の義務について説明しており、退社後の計画について尋ねられた羅氏は、インテルへの転職については言及せず、学術機関に勤務すると回答していた。
アナリストの陸行之氏は次のとおり分析した。羅氏のケースでは逃げられない証拠が多く存在している。少なくとも、梁孟松氏と蒋尚義氏(TSMCの元幹部)は退職時に資料をコピーしていなかった。羅氏の10年以上にわたるTSMCへの貢献は完全に消滅した。今後、インテルが関係を断つのか、訴訟に協力するのかを見守る必要があるが、陳立武CEOはすでにTSMCの知的財産権を侵害しないと説明している。
3.その他一般
(2025.11.17 経済部国際貿易署ニュース全訳)
3-1 第15回台以経済技術協力会議 引き続き双方の経済貿易協力を深化
www.trade.gov.tw/Pages/detail.aspx?nodeID=40&pid=808468
経済部の江文若政務次長は今月(11月)17日、オンライン方式の「第15回台湾イスラエル経済技術協力会議」においてイスラエル経済産業部のRoey Fisher貿易執行委員と共同で議長を務め、李雅萍駐イスラエル台湾代表及び游瑪雅(Maya Yaron)駐台北イスラエル経済文化弁事処代表による「知的財産」と「特許ハイウェイ」の2つの協力覚書の署名に立ち合った。
今回の会議では、双方が水資源、人工知能、革新技術、標準化、スマートシティ、環境保護等の分野で広く意見を交わし交流提携を促進するもので、本会議というプラットフォームにより、双方の強みを結び付けて相乗効果を最大化し、経済貿易協力をさらに促進し、双方の経済貿易関係を強化していくことが期待される。
江次長は、世界の経済貿易情勢が急速に変化するなか、各国は、安全で完全な、かつ強靭なサプライチェーンをいかにして構築するか、改めて考えていると指摘した。イスラエルは、スタートアップ企業が密集しグローバル企業が研究開発拠点を構える「スタートアップ大国」として、世界的に知られている一方、台湾は世界最先端の製造技術を有し、双方は互いに補完的な強みを有している。今後、新興技術分野における双方のサプライチェーン協力関係の強化が期待される。
さらに、AIはすでに台湾の経済成長の最大の原動力となっており、台湾が積極的に推進する五大重点産業の一つとして、世界と調和し、先端技術と結びついている。イスラエルもまた積極的にAIの発展を推進している。台湾とイスラエルが双方の強みと経験を結び付けてイノベーションの分野で互恵的なパートナーシップを確立し、共同で世界市場を開拓し、サプライチェーンの強靭性を強化することが期待される。
経済部の統計によると、2025年1月~10月の台湾とイスラエル双方の貿易額は27.2億米ドル(約4,260億円)で昨年同期比38%増に達しており、イスラエルは台湾の28番目の貿易パートナーである。投資面では、2025年9月末までに双方の累計投資額は2.1憶米ドル(約329億円)余りで、台湾企業がイスラエルに投資する主要分野は、集積回路、電子部品、オプトエレクトロニクス等のハイテク産業である。
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