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知財ニュース384号

発行:特許庁委託(公財)日本台湾交流協会
台湾知的財産権ニュース
(No.384)
発行年月日:2025年4月30日発行

主要ニュース目次

1. 智慧局ニュース
(2025年4月16日 智慧局ニュース全訳)
1-1 無限の創造性 専利の付加価値化 台湾専利超級站がイノベーションを応用した新時代を開く
(2025年4月18日 智慧局ニュース全訳)
1-2 本局のe網通「専利公開情報検索」機能にシステムインターフェースサービスを新設 奮ってご利用いただきたい
(2025年4月22日 智慧局ニュース全訳)
1-3 本局の「産業専利知識プラットフォーム」旧版サイトは2025年4月25日をもって閉鎖するため、関連情報を検索する必要がある場合、新版サイトをご利用いただきたい。

2. 知的財産権紛争
(2025年4月25日 経済日報第C4面全訳)
2-1 億光が日本企業から権利侵害で提訴される

3. 模倣品関連
(2025年4月22日 刑事警察局ニュース全訳)
3-1 刑事警察局は域外のプラットフォームを利用しTikTokライブで模倣品ブランドバッグを販売していた事件を検挙
(2025年4月22日 中国時報第A8面全訳)
3-2 海賊版スニーカーで8,000万台湾元を詐取 インフルエンサー16名が告訴に協力

1.智慧局ニュース

(2025.04.16 智慧局ニュース全訳)
1-1 無限の創造性 専利の付加価値化 台湾専利超級站がイノベーションを応用した新時代を開く
www.tipo.gov.tw/tw/cp-87-1006676-67d1a-1.html
「台湾専利超級站TAIWAN PATENT GO」は、2025年4月17日から20日まで開催される「台湾国際創意ギフト文具展(DG Taiwan)」と、4月23日から26日まで開催される「360° MOBILITY Mega Shows–台北国際自動車・オートバイ部品・カーアクセサリー展(TAIPEI AMPA)、台湾国際スマートモビリティ展(E-Mobility Taiwan)」に再び出展する。今回の出展では、上利新科技股份有限公司(SUNLIT NEW TECH CO., LTD.)等の台湾メーカーが受賞した9つの専利を展示し、サロン講座及び専門サービス館等の一連のイベントを提供する。この展覧プラットフォームにより、台湾の優良な専利取得作品が国際マーケットと繋がり、台湾の知的財産分野の発展と競争力が向上し、「台湾発明、無限の繁栄」(Taiwan innovates, prosperity follows)のヴィジョンが実現することを期待する。
専利の種を深耕するため、智慧局は台湾貿易センター(TAITRA)に「優良専利の推進及び展覧会での指導・マッチングプロジェクト」の推進を委託し、「台湾専利超級站」を打ち出した。2024年には専門館で36件の専利作品を出展し、そのうち14社が商談を受けた。専利の商品化を促進し新たなビジネスチャンスを切り開くため、2025年はさらに影響力を深化させ、台湾の優良専利技術が引き続きグローバル市場へ邁進することを支援する。
「台湾専利超級站」は、4月17日から20日に台北世界貿易センター1館で開催される「台湾国際創意ギフト文具展(DG Taiwan)に盛大に登場する。今回の出展には、上利新科技股份有限公司、泛宇科技教育有限公司、明志科技大学、微碳石代永續顧問有限公司、富甲酷客股份有限公司(FUJACOOK CO., LTD.)、緯和有限公司(WELCOME CO., LTD)、闊腦有限公司(KUO NAO CO., LTD.)、廣穎電通股份有限公司(SILICON POWER COMPUTER & COMMUNICATIONS INC.)、樹徳科技大学等が、日常の料理で使う多機能鍋、デザイン性のある調味料入れ、全自動コーヒーメーカー、軍用規格の防水・防震外付けハードドライブ、及びカスタマイズスマートヘルステクノロジーピロー等の9つの賞を取得した専利を展示する。いずれの商品も専利技術と市場のニーズを融合したもので、贈答の用途とそれ例外の用途の両方に適した商品であり、台湾のギフト分野における技術革新の実力を十分に示している。注目に値するものとして、4月17日に大会のステージで行われる「専利の魅力の探索、ギフト文具の新未来発見」というサロン講座がある。観衆に専利の価値と魅力を理解していただけるよう、智慧局のシニア専利審査官が優秀な発明者とともに、専利技術の応用と開発過程を深く分析する。
近年は意匠分野における自動車用部品・カーアクセサリー類の出願件数が1位であることから、智慧局は今年も自動車モビリティ産業を「台湾専利超級站」に巻き込み、4月23日から26日まで開催される360°MOBILITY Mega Showsの展示会場メインステージ横において専利コンサルティングサービスを提供する。また智慧局は、専利を保有するメーカーを表記した「専利マップ」も作成する。参観者が展示会場で専利を保有するメーカーをリサーチしやすくし、専利を理解し、独自性のある専利商品の探索に役立つようにする。台湾の自動車・オートバイ部品・カーアクセサリー及びスマートモビリティ業者のために、専利保護網を打ち出し、国際競争力を強化する。さらに、4月24日には、大会のステージで「専利リーダー、未来を駆け抜ける:電気自動車(EV)のコア部品と熱放散技術分析(中国語:專利領航,疾行未來:電動車關鍵零組件與散熱技術剖析)」をテーマとした講座(http://forms.gle/2sU4Cg1eXyWdwaXv7)を開催する。智慧局の専利審査官が「電池熱放散」、「モーター熱放散」及び「熱管理システム」等のEVコア技術を深く分析し、グローバルな専利の発展趨勢を解析し、専利技術と産業の応用趨勢について理解を深める。関連業者は奮ってご参加いただきたい。
詳細はDG Taiwan公式サイト(www.dgtaiwan.com )及び360°MOBILITY Mega Shows公式サイト(www.taipeiampa.com.tw)を参照いただきたい。参加の事前登録はすでに始まっており、展覧会期間中はQRコードで入場可能である。

(2025.04.18 智慧局ニュース全訳)
1-2 本局のe網通「専利公開情報検索」機能にシステムインターフェースサービスを新設 奮ってご利用いただきたい
www.tipo.gov.tw/tw/cp-85-1006715-de5cd-1.html
民衆の検索効率を向上させ、ユーザーがシステムインターフェースにより専利公開情報を取得する際の利便性を高めるよう、本局は「専利公開情報検索API」を構築し、インターフェース検索サービスを提供している。各界奮ってご利用いただきたい。

※専利公開情報検索APIの登録申請と操作マニュアル(中国語:專利公開資訊API申請及操作手冊)は、上記URLの「檔案下載(ファイルダウンロード)」からダウンロード可能。
※「専利公開情報検索API」:https://tiponet.tipo.gov.tw/S092_OUT/2022/opd

(2025.04.22 智慧局ニュース全訳)
1-3 本局の「産業専利知識プラットフォーム」旧版サイトは2025年4月25日をもって閉鎖するため、関連情報を検索する必要がある場合、新版サイトをご利用いただきたい。
www.tipo.gov.tw/tw/cp-85-1006729-78b1b-1.html
政府のクラウド政策に合わせ、サービス品質を向上させるため、本局は2024年12月18日に新版「産業専利知識プラットフォーム(https://cloud.tipo.gov.tw/S400)」の提供を正式に開始した。新版プラットフォームでは既存のPC版サイトとスマホ版サイトを統合してクロスデバイスブラウジング対応し、ユーザーインターフェースを最適化しており、専利文献検索、専門家コラム、最新の知財ニュース、各国の専利制度等の情報といったサービスを更に便利に提供している。
そのため、旧版サイト(https://ipkm.tipo.gov.tw/)は、2025年4月25日をもって正式に閉鎖する。速やかに新版プラットフォームの使用に切り替えて、引き続き万全な知的財産権情報サービスを入手していただきたい。
新版システムの使用について、サポートの必要性や提案等がある場合、ウェブサイトの聯絡我們(https://cloud.tipo.gov.tw/S400/question/contact-us)よりご連絡いただきたい。

2.知的財産権紛争

(2025.04.25 経済日報第C4面全訳)
2-1 億光が日本企業から権利侵害で提訴される
日本LED大手の日亜化学(Nichia、日亜)は、台湾LEDメーカーの億光電子(EVERLIGHT、億光)とそのドイツ子会社に対する新たに専利権侵害の損害賠償訴訟を、ドイツデュッセルドルフ地方裁判所に提起し、損害賠償額250万ユーロ(約4億518万円)を請求した。今回の訴訟は主として同裁判所が以前億光に対して下した2件の終局判決に基づくものである。
億光はこれに対し、これは日亜が一方的に金額を主張してきたもので、まだ確定したものではないと回答し、世界の多数の国において訴訟を繰り広げている中で、この判決を下したのはドイツ裁判所のみであると強調した。
情報筋によると、過去の2件の判決は、いずれも日亜が保有する重要なYAG専利に関するものである。そのうちの1件の判決では、裁判所は億光による権利侵害を明確に認定しており、もう1件の判決では、億光は日亜の全ての主張を認めている。日亜は、億光が当初、判決の対象外の製品に関する完全な帳簿の提供を拒否していたが、日亜が執行を申し立て、裁判所がこれを支持した後、億光が提出したと指摘した。日亜はこれに基づき合理的な賠償額を250万ユーロ(約4億518万円)と算出し、損賠賠償請求の手続に踏み切った。

3.模倣品関連

(2025.04.22 刑事警察局ニュース全訳)
3-1 刑事警察局は域外のプラットフォームを利用しTikTokライブで模倣品ブランドバッグを販売していた事件を検挙
www.cib.npa.gov.tw/ch/app/news/view?module=news&id=1885&serno=29992cd7-bf9b-4acf-afee-b90e4bf2bc2b
1. 捜査部署:刑事警察局知的財産権捜査大隊
2. 捜査時期:2024年8月2日
3. 捜査場所:彰化県
4. 容疑者:許(女、1979年生まれ)。
5. 押収された証拠物:LV、CHANEL、GUCCI、MK、BURBERRY、YSL、CELINE及びHERMES等の複数の模倣品ブランドバッグ合計665件。
6. 事件の概要:
(1) 刑事警察局知的財産権捜査大隊(偵三隊)は、先ごろインターネット捜査を実施した際に、域内のインターネットオークションの販売者がTikTokプラットフォームを通じライブ配信で模倣品のブランドバッグを大量販売していることを発見した。直ちに積極的な調査を行い、当該インターネットオークションの販売者が中国の域外プラットフォームを利用して模倣品を販売していた事件を検挙した。警察は、Facebookのライブ配信ブームが次第に衰退しているなか、ライブ配信者と販売者のTikTokプラットフォームへの注目が徐々に高まっており、その若年ユーザー層を利用し、AIによる深いビジネス分析を通じて、新しいライブコマースモデルを展開していることを確認した。この変化により違法業者が更に簡単に身分を隠匿することが可能となり、模倣品の販売行為もより追跡しにくくなっており、消費者とブランド商品の正当な権益に対深刻な脅威を与えている。
(2) 本事件の調査により、容疑者の許はLV及びCHANEL等のブランドバッグに夢中になり、こともあろうに自宅をライブ配信部屋に改装し、域外TikTokプラットフォームにアカウント申請をしてインターネットライブ配信を開始し、当該域外プラットフォームを利用してLV、CHANEL等の国際的に知名度のあるブランドバッグの模倣品をあからさまに公開販売し、商標権者と消費者の合法的権益を侵害し、法規範も軽視していたことが明らかとなった。刑事警察局は長期にわたる調査・証拠収集を行い、台湾彰化地方裁判所に捜査令状を請求し、捜査令状を取得し、2024年8月2日に許容疑者を検挙し、その彰化県の自宅の捜索を行い、LV、CHANEL、GUCCI、MK、BURBERRY、YSL、CELINE及びHERMESのブランドバッグ等の証拠物合計665件を押収した。権利侵害市場価格は概算で6,000万台湾元(約2億6,300万円)を超えると推定され、商標法違反の疑いにより、事件は台湾彰化地方検察署へ送られた。
(3) TikTok等のSNSプラットフォームが流行の取引場所となる中、商品を売買する際のリスクについて消費者は特に注意するよう、警察は民衆に対して注意喚起している。域外プラットフォーム上の販売者は域内の法的な監督・管理を全く受けないため、多くの違法業者はこれを利用して詐欺又は模倣品販売を行い、消費者の権益に深刻な脅威をもたらしている。特に正式な認証又は保証がない場合は、著名ブランド及び高額商品を購入する際、商品品質とアフターサービスが保証されない。警察は消費者に対し、騙されることを防ぐため、正規のルートや許諾を受けた店を通じた取引を選択し、販売者と商品の出所を慎重に確認するよう、注意喚起している。

(2025.04.22 中国時報第A8面全訳)
3-2 海賊版スニーカーで8,000万台湾元を詐取 インフルエンサー16名が告訴に協力
凡斯公司の蘇逸(群)(責任者、41歳)と劉致君(販売員、42歳)は中国から海賊版スニーカーを入手し、インフルエンサーに対し合法の真正品であると偽り、事情を知らないインフルエンサーを通じて消費者を騙して、8,068万台湾元(約3億5,400万円)の不正利益を得たとして、台北地検署は、商標法違反、詐欺等の罪で2人を起訴した。WBSCプレミア12の台湾代表チームの潘傑楷選手の妻「Zoe陳伶」等16名のインフルエンサーは、現在共同購入者リストの整理に協力し、騙されたネットユーザーの代わりに訴訟提起の準備を進めている。
この事件は、インターネット上の影響力を利用して有名メーカーのスニーカーを販売するためにインフルエンサーが凡斯公司から企業案件を受け、ネットユーザーがインフルエンサーの共同購入リーダーからスニーカーを購入したが、購入後にNike Air Force 1、New Balance 327等のスニーカーが海賊版ではないかと不審に思ったあるネットユーザーが自費で鑑定して偽物であることが判明したことで、凡斯公司に協力したインフルエンサーは騙された事に気づいて次々に謝罪声明を出した、というものである。
2022年に検察・警察が幾度も捜査し、模倣品の疑いのある凡斯公司のスニーカー3,789足を押収し、鑑定の結果、本物と偽物を混ぜて販売していたことが判明し、模倣品は3,553足に上った。また、同社(凡斯公司)が2021年7月1日から2022年4月26日の間の、2万件を超える商標を模倣したスニーカー、運動靴の取引記録によると、不正利益は8,068万台湾元(約3億5,400万円)を超えることが判明した。
検察は、蘇・劉容疑者が不明な中国ルートから有名ブランドのスニーカー、運動靴の模倣品を入手し、凡斯公司の期間限定共同購入シングルページアウェブサイトで模倣品を販売し、他人を騙して利益を得ており、被害者は401人に上ったと指摘。
検察は、蘇、劉の罪が、消費者とインフルエンサー共同購入リーダー等の被害者に対する加重詐欺、詐欺未遂等に該当し、さらに商標法の「インターネットを通じて商標侵害商品を販売する行為」等の罪にも該当するとして、捜査を終了し起訴したと述べた。

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