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知財ニュース327号

発行:特許庁委託(公財)日本台湾交流協会
台湾知的財産権ニュース
(No.327)
発行年月日:2022年3月15日・31日合併号

主要ニュース目次

1. 智慧局ニュース
(2022年3月1日 智慧局ニュース全訳)
1-1 「専利出願の越境オンライン面接」の新措置を2022年3月1日より実施
(2022年3月25日 智慧局ニュース全訳)
1-2 2022年度商標に関する法律・制度説明会の受付開始
(2022年3月25日 智慧局ニュース全訳)
1-3 2022年度専利に関する法律・制度説明会の受付開始

2. 法律・制度
(2022年2月24日 行政院プレスリリース全訳)
2-1 台湾の専利制度の整備と医薬産業の発展のため行政院が「専利法」第60条の1改正草案を可決
(2022年3月25日 経済日報電子報全訳)
2-2 知財三大法律改正案が立法院の初審を通過

1.智慧局ニュース

(2022.03.01 智慧局ニュース全訳)
1-1 「専利出願越境オンライン面接」の新措置を2022年3月1日より実施
www.tipo.gov.tw/tw/cp-85-902710-65e97-1.html
ITテクノロジーの発展がすでに成熟していることに基づき、また社会情勢の変化にも対応するため、例えば新型コロナウイルス感染状況の影響により当事者が本局に赴いて面接を受けることができない時、テクノロジー設備を利用できることで審査プロセスに資する場合、審査手続きが公平・透明であるという前提で、本局の規定に合う場所及びIT条件であれば、専利出願のオンライン面接を実施できるよう緩和し、本(2022)年3月1日より「専利出願の越境オンライン面接」の新措置を正式に実施する。本措置は主として出願人及び専利代理人が自ら適切な場所を選択し本局が構築した会議システムへアクセスし、直接審査官と3拠点からのオンライン面接を行うことができるものである。例えば、出願人は日本に、代理人は台湾の事務所にいる場合、本局の審査官と直接オンライン面接を行い、直接本局の各地の服務所に赴く必要はなくインターネットを通じて審査官とオンライン面接を行うことができ、移動時間を削減でき、審査及びサービス機能をも向上させることができる。
本局が2022年3月1日に改訂施行する「経済部智慧財産局専利案件面接作業要点」第6点の規定に基づき実施する本オンライン面接作業のポイントは以下のとおり:
一、 当事者が無効審判請求以外の案件で、本局以外の適切な場所での面接を申込み、本局が許可した場合、オンライン面接を実施することができる。
二、 オンライン面接の適切な場所は以下の条件に符合しなければならない。符合しない場合は実施しないものとする。
(一) 非パブリックスペースであること。
(二) 本局が定めるソフト・ハード設備を具備し、良好なオンライン品質を保つことができること。
三、 オンライン面接を実施する場合、本局の職員がその場で面接事項及び質問・回答のポイントを読み上げ、面接記録はテクノロジー設備を用いリモート送信され、オンライン面接出席者の署名又は捺印による確認後、本局へ返送される。
四、 オンライン面接過程において、当事者は写真撮影、録音、撮影をしてはならない。

オンライン面接の申込みに必要な関連の申請書、申請注意事項及び操作マニュアルは、上記リンク先の智慧局サイトの「檔案下載(ファイルダウンロード)」を参照のこと。

(2022.03.25智慧局ニュース全訳)
1-2 2022年度商標に関する法律・制度説明会の参加受付開始
www.tipo.gov.tw/tw/cp-85-903840-70cc6-1.html
今回の説明会のテーマは、「青年イノベーションで必ず知るべきこと/各産業別立場から見た商標出願における商品及び役務の指定のやり方」とし、青年イノベーションが重視すべきブランド及び商標権の正確な観念を提供し、並びに産業の商標出願における商品及び役務の指定に関する戦略分析を強化し、各産業別の自身の本業に対し保護すべき商標権の範囲について、更に正確な認識を持つことができるよう導く。
本局は4月15日~4月25日まで、台南、高雄、新竹及び台北で「2022年度商標に関する法律・制度説明会」を開催する予定で、そのうち台北についてはオンライン説明会とする。
説明会への申し込みは、上記リンク先の智慧局サイトの「相關連接(関連リンク)」の「報名網站(申し込みサイト)」(中国語)を参照。

(2022.03.25 智慧局ニュース全訳)
1-3 2022年度専利に関する法律・制度説明会の参加受付開始
www.tipo.gov.tw/tw/cp-85-903839-c983e-1.html
今回の説明会のテーマは「オンライン面接拡充推進方案」とし、その内容には、専利面接作業要点の改訂説明、改訂された専利面接申請書の申請の際の注意事項、「経済部智慧財産局によるオンライン面接操作マニュアル」が含まれる。
智慧局は4月15日~25日まで、台南、高雄、台中、新竹及び台北で「2022年度専利に関する法律・制度説明会」を開催する予定で、そのうち台北についてはオンライン説明会とする。
説明会への申し込みは、上記リンク先の智慧局サイトの「相關連接(関連リンク)」の「報名網站(申し込みサイト)」(中国語)を参照。

2.法律・制度

(2022.02.24 行政院プレスリリース全訳)
2-1 台湾の専利制度の整備と医薬産業の発展のため行政院が「専利法」第60条の1改正草案を可決
www.ey.gov.tw/Page/9277F759E41CCD91/00f67b9f-5dc3-4ae7-96d2-2839ca1e15e5
台湾の「環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定(CPTPP)」加入を推進するため、当該協定の関連規定に合致するよう、台湾の専利制度を完備させ、医薬産業を健全に発展させるべく、行政院は本(24)日、経済部より起草された「専利法」第60条の1改正草案を可決し、立法院への審議へと送付した。
蘇貞昌・行政院院長は、今回の法改正は台湾のCPTPP加入推進に対応し、当該協定の関連規定に合致するよう、専利制度を完備し、台湾の医薬産業の健全なる発展を図るものであると述べた。本件は、立法院での審議へ送付された後、経済部が立法院与野党と積極的に調整を行い、法改正手続の早期完了を目指す。
経済部によると、台湾のCPTPP加入推進のため、2019年8月20日に施行された「薬事法」には、パテントリンケージ制度がすでに導入されていることから、より完備されたものとなるよう「専利法」も併せて改正すべきとして「専利法」第60条の1改正草案が起草された。今回の改正ポイントは、ジェネリック医薬品が医薬品許可証を申請する際に、新薬特許権の無効の主張、またはそのジェネリック医薬品が権利を侵害していない旨を主張する場合、権利侵害有無の紛争の早期解決のため、新薬特許権者はジェネリック医薬品の審査手続中に訴訟を提起することができ、提起しない場合、ジェネリック医薬品の許可証申請者もまた確認の訴えを提起することができるとしたものである。

当該改正草案第60条の1に新設された内容は以下のとおり:
1. ジェネリック医薬品の許可証申請者は、新薬の許可証所持者がすでに許可された新薬に記載済みの特許権について、薬事法第48条の9第4号の規定により声明した場合、特許権者は通知を受けた後、第96条第1項の規定に基づき、侵害の排除又は防止を請求することができる。
2. 薬事法第48条の13第1項に定めた期間内に前項の申請者に対し特許権者がまだ訴訟を提起していない場合、当該申請者はその申請した医薬品許可証の医薬品が当該特許権を侵害しているか否かについて確認の訴えを提起することができる。

(2022.03.25 経済日報電子報全訳)
2-2 知財三大法律改正案が立法院の初審を通過
「専利法」、「著作権法」及び「商標法」の「知財三大法律」改正草案が昨日(24日)、立法院経済委員会の初審を通過した。専利法の法改正により台湾のジェネリック医薬品業者の研究開発に影響が及ぶのではと懸念する立法委員もいたが、経済部からの説明ののち全ての法改正案が行政院版で通過した。
「知財三大法律」は、台湾が「環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定(CPTPP)」の高スペックな知的財産基準に合致するよう提出された法改正である。専利法第60条の1改正草案では、新薬特許権者はジェネリック医薬品の許可証審査過程において権利侵害訴訟を提起することができ、ジェネリック医薬品の許可証申請者も確認訴訟を提起することができると明文化されており、紛争の早期解決が図られている。
智慧局の洪淑敏局長は、取材の際に次のように説明した。2019年の「薬事法」法改正時にすでにパテントリンケージ制度を導入しており、つまり、ジェネリック医薬品メーカーは、その医薬品が将来的に販売された後に特許権紛争に直面することのないよう、医薬品販売許可証を申請する際には、新薬特許権の権利侵害に係るか否かをクリアにする必要があることを指している。
また、不合理な権利主張を避けるため、当時、薬事法においても、新薬の特許権者が特許権を不当に行使することで、ジェネリック医薬品の販売許可証申請者が当該医薬品許可証発行の一時停止により損害を被った場合、(新薬の特許権者が)損害賠償を負わなければならないと規定された。
かつて特許権者がジェネリック医薬品の販売時に特許権を主張せず、数年経ってから主張したことがあり、ジェネリック医薬品メーカー及び服用していた民衆の損失がより大きくなったことがあったが、今回の専利法改正はこのような状況に対応するものとなった。
しかし一部の立法委員は、専利法第60条の1の法改正後、海外の医薬品メーカーが台湾のジェネリック医薬品メーカーを提訴する際の根拠になり、海外の大手医薬品メーカーによる台湾ジェネリック医薬品メーカーの提訴の助けになるだけで、台湾医薬品メーカーの技術の研究開発を抹殺することになるのではと懸念している。
これについて、洪局長は、当該法改正が海外メーカーからの台湾ジェリック医薬品メーカー提訴の根拠になるのではと懸念する委員もいるが、権利が保証されるのは海外の医薬品メーカーだけではなく、台湾のバイオ産業もすでに発展してきており、法改正が台湾の新薬医薬品メーカー及びジェネリック医薬品メーカーのいずれも保障するものであると考えている、と述べた。
著作権法の今回の改正では、重大な影響を及ぼす権利侵害行為をいずれも非親告罪に盛り入れることに重点がおかれ、デジタル海賊版、頒布及び公開送信行為も非親告罪に盛り込まれた。
商標法の法改正草案では、現行商標法の民事責任の規定において、行為者に要求されていた「明らかに知っていた」とする侵害の主観的要件を削除し、一般の民事権利侵害責任に戻すことで、故意又は過失を主観的な帰責条件とした。また、商標又は団体商標のタグ等を模倣する行為についても刑罰規定を新設した。

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