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知財ニュース268号

台湾知的財産権ニュース(No.268)

発行:特許庁委託(公財)日本台湾交流協会
台湾知的財産権ニュース
(No.268)
発行年月日:2018年5月15日・31日合併号

主要ニュース目次

1. 智慧局ニュース
(2018年5月17日 智慧局ニュース全訳)
1-1 専利法一部条文改正草案を公告
(2018年5月22日 智慧局ニュース全訳)
1-2 新商標検索システムの利便性向上のため新機能を強化
(2018年5月25日 智慧局ニュース全訳)
1-3 2018年度知的財産権業務座談会を7月3日に開催
2. 法律・制度
(2018年5月17日 経済部技術処プレスリリース要訳)
2-1 行政院が「ドローン科学技術イノベーション実験条例」草案を可決
3. 模倣品関連
(2018年4月28日 中央通訊要訳)
3-1 米国が海賊版問題について台湾を名指し
(2018年5月14日 関務署プレスリリース全訳)
3-2 台北税関による知的財産権水際措置研修の実施で職員の摘発力向上

1. 智慧局ニュース

(2018.05 .17 智慧局ニュース全訳)
1-1 専利法一部条文改正草案を公告
台湾の経済法規の規制緩和に合わせ、国際規範との協調を図り、審査実務作業の完備のため、各界からの意見を広く聴取したあと、ここに「専利法一部条文」改正草案を起草した。今回の改正草案のポイントは以下のとおり。
1. 国際優先権を主張できる期間の回復規定を新設する。出願人が故意によらず、最初に法に則って特許出願した後12ヶ月以内に、台湾に特許出願をしなかった場合、期限満了後の2ヶ月以内であれば、依然として優先権を主張することができる。
2. 登録査定後の分割の適用緩和。特許、実用新案及び意匠を含み、且つ初審及び再審査のいずれも適用可とし、分割出願期限を1ヶ月から3ヶ月に改める。
3. 特許出願の実体審査の請求について、3年の期限満了後の2ヶ月以内に請求権を回復できる旨を新設。
4. 専利出願の公開又は公告後の合理的な使用形態に、複製、公開伝送及び翻訳を含む旨を新設。
5. 専利の許諾契約登録後に特許権が移転された場合、許諾契約は譲受人に引き続き存在することを明文化。
6. 無効審判請求人が無効審判請求理由又は証拠を補充提出できる期限、期限に遅れて提出した場合、参酌しないという法的効果、及び無効審判の審理期間の協力規定、専利権者が訂正請求できる制限と例外を明文化。
7. 実用新案の訂正請求できる時期は、当該実用新案が無効審判請求の審理中であり、且つ、法定の事情がある場合、実用新案技術報告書の申請の受理中、及び訴訟事件に係属する時と明文化し、実用新案の訂正の審査には実体審査を採用することに改正。
8. 意匠権存続期間を12年から15年に延長。
9. 現行では、専利包袋の出願書類、明細書、専利請求の範囲、要約及び図面又は図面説明を永久保存しなければならないが、保存価値がある場合は永久保存とし、その他は30年以下に分類して定期保存に改正。
10. その他の法制度事項の整備。
11. 新旧法律の過渡期の適用規定を明文化。
今回の改正草案に対しご意見等があれば7月16日までに書面にてご提供いただきたい。
連絡先:
住所:台北市大安区辛亥路二段185号3F
FAX:(02)2735-1946
E-mail:ipold@tipo.gov.tw
(2018.05.22 智慧局ニュース全訳)
1-2 新商標検索システムの利便性向上のため新機能を強化
「新商標検索システム」の利便性向上のため、2017年のオンラインサービス開始後に寄せられた意見を参考にし、多数の新機能が強化されインターフェースも改善した。新しく追加された新機能には次のものが含まれる。
・ 商標の案件ごとの情報についてプリントアウト機能を提供
・ 検索結果ページと商品コードに全選択機能を追加
・ 商品コードリストの商品コードの表示を6桁まで表示拡大し、商品コードごとの表示機能を追加
・ 同一商品名称が複数の商品コードに跨る場合、システムが自動的に関連コードを提示し、合併検索するか否かを選択可能
・ 英語版の類似検索結果について、旧商品区分の関連商標の表示を追加
・ 拒絶査定で自然人による出願の住所欄を表示しない
より詳しい操作説明については下記リンク先の添付資料(中国語)を参照のこと。
www.tipo.gov.tw/ct.asp?xItem=669241&ctNode=7127&mp=1

(2018.05.25 智慧局ニュース全訳)
1-3 2018年度知的財産権業務座談会を7月3日に開催
智慧局の業務推進状況を報告し、各界とも直接意思疎通を図るために年1回開催されている「知的財産権業務座談会」が、智慧局の洪局長率いる幹部による主催で、7月3日、6日、12日、13日及び18日に台北、台中、台南、高雄及び新竹にて開催される。
今回の知的財産権業務座談会では(1)専利法改正草案の重点説明、(2)専利無効審判の審理における証拠調査の研究分析-書面証拠、実物の証拠、ネット情報、及び(3)グローバル・パテント・サーチシステムの紹介、の3つのテーマについて報告する予定。また、総合座談会の時間を設けて、各界と知的財産権の議題について交流する見込みであるところ、奮ってご参加いただきたい。
当座談会の企画書及び申し込み先については下記リンク先からダウンロード可能(中国語)。
www.tipo.gov.tw/ct.asp?xItem=669536&ctNode=7127&mp=1

2. 法律・制度

(2018.05 .17 経済部技術処プレスリリース要訳)
2-1 行政院が「ドローン科学技術イノベーション実験条例」草案を可決
ドローンの科学技術研究開発および産業発展の促進のため、行政院(内閣に相当)は17日の閣議において、経済部が起草した「ドローン科学技術イノベーション実験条例」草案を可決し、続いて立法院での審議に送った。
経済部は、「本条例は「自動運転車、無人機、自動運行船」等のドローンのレギュラトリーサンドボックス(規制の砂場)について立法を進めるもので、レギュラトリーサンドボックスが作り出す法規制の柔軟性は、現行の関連法規で調整・改正が待たれる箇所を検証し、着実にドローン関連法規の整備と調整・改正を完成させ、法規環境をドローンイノベーション技術と同時に発展させることができるものとなる。」と説明。
本条例における企画実験期間は、2段階に分けることができ、第1段階では、主としてドローンの科学技術・サービス・運営等のイノベーション実験を行い、目的事業主務機関が現行法に改正の必要性があると認定した場合、申請者は第2段階の法規実験を申請でき、申請者が今後レギュラトリーサンドボックスを離れたあとも続けてドローンのイノベーションサービス及び運営行為に従事できるようにするもので、第1、2段階の実験期間は合計4年間とする。また、行政の効率化を図るため、ドローン実験の申請に対し、単一窓口を設け、申請者の行政負担を軽減するほか、省庁を跨いだ審査会議の決議により、実験期間中に法律・法規命令または行政規則の罰則規定を排除できるようにする。この他、科学技術の急速な発展に合わせ、本条例にはさらに、審査会議を経て、科学技術イノベーションに影響を与える可能性のある関連法律を追加排除できることも設ける。

3. 模倣品関連

(2018.04 .28 中央通訊要訳)
3-1 米国が海賊版問題について台湾を名指し
27日に米通商代表部(USTR)が発表した「スペシャル301条報告書」において、台湾は優先監視国又は監視国には指定されていなかったものの、ストリーミング設備を通じた違法放送行為が、スポーツ、ライブパフォーマンス及びその他の合法的ストリーミング及びコンテンツサプライヤーに「直接的な脅威」をもたらし、この類いの権利侵害行為が横行しているとして、USTRは海賊版問題で台湾を名指しした。
これを受け、智慧局の洪淑敏・局長は、「著作権法には、複製行為についての規範が明文化されており、関連の罰則もすでに完備されているため、権利侵害撮影等の海賊版行為を有効的に阻止することが可能である。また、多くのストリーミングビデオサイトの違法放送による権利侵害行為については、Facebook、YouTube等のSNSを介しての放送の場合、直接検挙ができ、基本的に95%以上は放送停止に成功している。」と述べた。
また智慧局は、権利者団体及び広告代理店団体との提携を推進しており、広告代理店に権利侵害行為に至るウェブサイトに広告を掲載しないよう求めている。
このほか、洪・局長は、一部のオンラインストリーミングWebサーバーは米国と中国を中心とした海外に設置されていることから、台湾は米国と「台米知的財産権法執行提携の覚書」を、中国とは「海峡両岸知的財産権保護協力協定」を締結しており、台湾にも「保智大隊(保安警察第二總隊刑事警察大隊)」があり、法律面と取締り面ではいずれも相当完備されているため海賊版行為を有効的に阻止することができると示した。

(2018.05.14 関務署プレスリリース全訳)
3-2 台北税関による知的財産権水際措置研修の実施で職員の摘発力向上
関務署台北税関は知的財産権保護政策の実施、並びに水際管理措置の強化と職員の専門知識の向上のため、2018年5月10日に「2018年税関での知的財産権水際措置研修会」を開催した。研修会では警政署保安警察第二総隊刑事警察大隊の李泱輯・大隊長、及び関務署関務査察組の王瑞鈐・副組長、陳美智・科長、張嘉讌・係員が講義を行い、それぞれ商標の権益保護の法執行事例の紹介、税関で執行する商標権益保護措置に関する法規の紹介と経験共有が行われ、職員達が摘発の実務の上で直面する問題等について互いに熱心な質疑応答がなされた。今回の研修会には約57名の職員が参加し、参加者はいずれも今回の研修会を通して、さらに法規及び実務についての理解が深まったことで、業務効率も向上すると述べており、台北税関の劉國勝・関務長は、各部署がその後関連業務を推進する際に最も正確で効率のよい方法で知的財産権関連の案件を処理することができるよう、研修会後に座談会を開催し、業務執行状況と改善策を検討した。
台北税関は、引き続きこのような研修会を開催して、職員の知的財産権水際管理措置の実施力を強化し、模倣品及び海賊版の摘発の成果を効果的に増進させ、世界の経済貿易における台湾の地位とイメージを向上させたいと示した。

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