台湾知的財産権ニュース(No.245)
発行:特許庁委託(公財)交流協会
台湾知的財産権ニュース
(No.245)
発行年月日:2017年1月13日発行
主要ニュース目次
1. 智慧局ニュース
(2016年12月27日 智慧局ニュース要約)
1-1 「商標法施行細則」第19条付表の改訂予告
(2016年12月27日、12月29日 智慧局ニュースの要約)
1-2 「専利審査基準」の改訂案が2017年1月1日より発効
(2016年12月29日 智慧局ニュース要約)
1-3 2017年1月4日より電子領収書発行のサービス開始
(2016年12月30日 智慧局ニュース全訳)
1-4 専利のグレースピリオドの大幅緩和案が立法院で最終可決
2. 法律・制度
(2016年12月30日 関務署ニュース全訳)
2-1 改訂版「税関による商標権益保護措置実施弁法」が2017年1月1日より施行開始
3. 模倣品関連
(2016年12月14日 中国時報第B2面要約)
3-1 キャラクター商品の模倣品販売で権利侵害額1,000万台湾元以上
1. 智慧局ニュース
(2016.12.27 智慧局ニュース要約)
1-1「商標法施行細則」第19条付表の改訂予告
経済部は2016年12月21日付けの公文書、経授智字第10520034290号にて「商標法施行細則」第19条付表の改訂予告を公告した。
※改訂内容は、下記リンク先の智慧局サイトの「商標法施行細則第十九條附表修正案總說明及對照表」(中国語)を参照。
www.tipo.gov.tw/ct.asp?xItem=609410&ctNode=7452&mp=1
(2016.12.27、2016.12.29 智慧局ニュースの要約)
1-2「専利審査基準」の改訂案が2017年1月1日より発効
智慧局は訂正審判と無効審判に係る「専利審査基準」の改訂案の発効をそれぞれ以下のとおり公告した。
○「専利審査基準第二篇第9章訂正審判(更正)」の改訂
発行日:2016年12月26日
発行番号:経授智字第10520034391号
発効日:2017年1月1日
※改訂内容は、下記リンク先の智慧局サイトの「第9章更正」(中国語)を参照。
www.tipo.gov.tw/ct.asp?xItem=609391&ctNode=7127&mp=1
○「専利審査基準第五篇第1章専利権の無効審判請求(挙発)」の改訂
発行日:2016年12月29日
発行番号:経授智字第10520034400号
発効日:2017年1月1日
※改訂内容は、下記リンク先の智慧局サイトの「第五篇第一章專利權之舉發」(中国語)を参照。
www.tipo.gov.tw/ct.asp?xItem=610102&ctNode=7127&mp=1
(2016.12.29 智慧局ニュース要約)
1-3 2017年1月4日より電子領収書発行のサービス開始
オンライン決済後、紙の領収書を受け取るまでに日数が掛かることを改善するため、2017年1月4日より「約定帳號扣繳(約定口座振替)」又は「eATM」を利用して専利、商標の各費用をオンライン決済する場合、電子領収書の発行が可能となる。
オンライン決済日の翌執務日の正午以降、E-SET電子申請ソフトを通して電子領収書のダウンロードができる。なお電子領収書が15部以下の場合は、本局のシステムが自動的に電子メールで支払人へ送信する。
また電子領収書と紙の領収書は効力が同じであるため、営利事業の税務申告用にも利用が可能である。
(2016.12.30 智慧局ニュース全訳)
1-4 専利のグレースピリオドの大幅緩和案が立法院で最終可決
立法院院会(国会の本会議に相当)は12月30日、専利法一部条文改正草案を可決し、①特許及び実用新案のグレースピリオド期間を、台湾出願の出願日前6ヶ月から12ヶ月に改め、並びに、②特許、実用新案及び意匠にグレースピリオドを適用できる公開態様について、出願人の意図による公開、意に反する公開のいずれも主張することができるように改め、グレースピリオド制度の要件を緩和し、かつ、出願時にグレースピリオドの主張を声明しなければならないとする手続要件を削除した。
今回の改正によるグレースピリオド制度の要件緩和は、出願前に公開した人が専利を受けることができる可能性を拡げ、イノベーション及び技術の流通に利することになる。改正条文は総統令により公布され、その後、施行日について行政院がこれを定めることとなる。
2. 法律・制度
(2016.12.30 関務署ニュース全訳)
2-1 改訂版「税関による商標権益保護措置実施弁法」が2017年1月1日より施行開始
商標権者に対する保護、電子化政府の実施、及び行政手続の簡素化を強化するため、財政部関務署は改訂版の「税関による商標権益保護措置実施弁法」を2017年1月1日より施行すると発表した。
関務署によると、今回の主な改訂ポイントは以下のとおり。
1. 税関が許可する「提示による保護」の期間を1年から商標権存続期間満了日までに延長する。例えば、商標権存続期間満了日まで5年あれば、税関は、提示による保護期間として5年の期間を許可する。これにより、商標権者は毎年税関に資料を添付の上、提示による保護の延長申請をする必要がなくなる。
2. 商標権者は、智慧局ですでに登録延長された文書を提供すれば、税関に対し提示による保護の延長申請ができる。本来、商標権者が提示による保護の期間満了前に延長申請をしなかった場合、新たに申請し直さなければならないとする規定を削除する。
3. 提示による保護に関する情報に変更がある時は、商標権者は税関に変更を申請しなければならない。
4. 台湾域内に住所又は営業所のない商標権者は、代理人に委任して提示による保護に関する処理をしなければならない。
5. 税関は商標権者に、税関に赴いて貨物の真贋鑑定を行うか否かの判断のため、権利侵害疑義物品の写真を提供することができる。
関務署は、提示による保護の期間が長くなったことから、税関の水際取締りに利するよう、提示による保護に関する情報に変更があった場合には、商標権者は税関に対し変更申請し、最新の情報を提供するよう呼びかけている。また、商標権者が申請する提示による保護及び提示による保護の延長について、すでに2014年10月からオンライン申請による処理が提供されており、申請の時間とコストを節約でき、商標権者からも好評である。関務署はさらによいサービスを提供するため、2016年12月から、提示による保護情報の変更と補充についてもオンライン処理できるよう項目を増やしているため、商標権者にはぜひご利用いただきたい。
3. 模倣品関連
(2016.12 .14 中国時報第B2面要約)
3-1 キャラクター商品の模倣品販売で権利侵害額1,000万台湾元以上
基隆市の郭という女(46歳)とその息子は、アニメ市場に目をつけ、ピカチュウ、ハローキティ、ミッキーマウス等のキャラクター商品の模倣品を中国から買いつけ、台湾北部の規模の大きなナイトマーケットの川下業者へ販売していた。
通報を受けた士林地検署、新北市刑大、基隆港務警察総隊は、消費者のふりをして約2ヶ月間にわたり台北市、新北市、基隆、桃園等のナイトマーケットを駆け回り、模倣品を押収。基隆市の倉庫で大量の模倣品を発見した警察に対して郭の息子は、母親が偽物を販売していたかははっきり分からないと供述した。警察は、現在中国にいる郭が台湾に戻り次第、裁判所への出頭を命じる。
サンリオの代表によると、権利侵害額は1,000万台湾元(約3,600万円)以上にも上る見込みで、警察は郭が6年間で販売した模倣商品の権利侵害額は1億台湾元(約3.6億円)以上になると見込んでいる。
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