台湾知的財産権ニュース(No.233)
発行:特許庁委託(公財)交流協会
台湾知的財産権ニュース
(No.233)
発行年月日:2016年4月29日発行
主要ニュース目次
1. 智慧局ニュース
(2016年4月13日 智慧局ニュース全訳)
1-1 著作権法改正草案第四稿への意見募集は5月14日まで
(2016年4月18日 智慧局ニュース全訳)
1-2 2016年熊本、エクアドルの大地震により専利、商標の各出願の法定期間に遅延が生じた場合、原状回復の申請可能
(2016年4月20日 智慧局ニュース全訳)
1-3 新商標法施行細則を公布
(2016年4月22日 智慧局ニュース全訳)
1-4 4月29日に「TPP加入にむけた著作権法改正公聴会」開催
(2016年4月22日 智慧局ニュース全訳)
1-5 通信産業のキー特許情報検索プラットフォームのオンライン利用を開始
2. その他一般
(2016年4月10日 経済日報第A10面要約)
2-1 中国からの台湾特許出願件数が、過去5年で約6,000件
(2016年4月12日 聯合新聞網、2016年4月13日 工商時報第A14面の要約)
2-2 知的財産ビジネス会議(IPBC)が4月12日に台湾で初開催
1.智慧局ニュース
(2016.04 .13 智慧局ニュース全訳)
1-1 著作権法改正草案第四稿への意見募集は5月14日まで
2014年4月に著作権法改正草案第一稿が公布された後、数多くの公聴会、学者・専門家への諮問会議を経て第二稿、第三稿が公布され、今回さらに各界からの意見をもとに改正内容を修正し、著作権法改正草案第四稿を公布した。
今回の改正草案第四稿の修正ポイントには、出資者による利用の規定の変更、法に基づく手続における合理的使用の範囲に関する修正、図書館等の収蔵機関による合理的使用規定の修正、非営利活動における合理的使用規定の修正、時事報道転載における合理的使用規定の修正、法定賠償規定の修正、光ディスク非親告罪に関する条文の復活等が含まれる。改正条文の詳細については、下記リンク先を参照のこと。
なお、第四稿についての意見募集は5月14日まで書面にて智慧局にて受付中。
・著作権法改正条文第四稿(中国語PDFファイル)
www.tipo.gov.tw/public/data/641317264971.pdf
・意見送付先:
郵送:台北市大安区辛亥路二段185号3F 経済部智慧財産局
電子メール:ipocr@tipo.gov.tw
(2016.04 .18 智慧局ニュース全訳)
1-2 2016年熊本、エクアドルの大地震により専利、商標の各出願の法定期間に遅延が生じた場合、原状回復の申請可能
専利、商標の各出願が天災により法定期間に遅延を生じた場合、専利法第17条及び同法施行細則第12条、又は、商標法第8条及び同法施行細則第9条の規定により、原状回復を申請することができ、智慧局では、原則上、個別に具体的状況を見てこれを寛大に取り扱う予定。
(2016.04 .20 智慧局ニュース全訳)
1-3 新商標法施行細則を公布
経済部は2016年4月18日付けで改正商標法施行細則第19条の附表(商品役務の区分表)を公布した。詳細については、智慧局サイトの以下のリンク先からダウンロード可能。
・智慧局サイト「新商標法施行細則公布ページ」:
www.tipo.gov.tw/ct.asp?xItem=586622&ctNode=7452&mp=1
(2016.04 .22 智慧局ニュース全訳)
1-4 4月29日に「TPP加入にむけた著作権法改正公聴会」開催
台湾の「環太平洋パートナシップ協定(TPP)」加入に向けた著作権法改正について、智慧局では2016年4月29日に以下の議題について公聴会を開催する。
時間:2016年4月29日(金)午後2時~
場所:智慧局18F会議室
議長:王美花・局長
議題:
1. 著作財産権の保護期間の延長
2. 技術的保護手段の回避についての刑事責任の新設
3. 非親告罪の範囲の変更
4. 暗号化された番組伝送信号の保護の新設
5. 録音物に関する実演家の保護の見直し
TPP加入に向けた著作権法改正条文の対照表は以下のリンク先からダウンロード可能(中国語):
www.tipo.gov.tw/ct.asp?xItem=586327&ctNode=7127&mp=1
(2016.04 .22 智慧局ニュース全訳)
1-5 通信産業のキー特許情報検索プラットフォームのオンライン利用を開始
特許情報検索結果を利用し産業のキーテクノロジーを分析し、システム化したパテントマップを構築して企業へ参考として提供し、企業の特許戦略管理力を強化するため、智慧局は、財団法人国家実験研究科技政策研究&情報センター(STPI)に委託し、「通信産業キー特許情報検索プラットフォーム」を構築し、本日よりオンラインでの利用が可能となった。
「通信産業のキー特許情報検索プラットフォーム」は、智慧局の「通信産業の特許動向と特許訴訟の分析研究計画」の3年分の研究成果を統合したもので、専門家による技術レポートの閲読を通じ各通信メーカーのLTE(Long Term Evolution:3Gとも呼ばれる)/LTE-A(LTE-Advanced:4G)における、標準必須特許SEP(Standard Essential Patent)の適格性を検討し、またそれらの特許に関連する訴訟事例等に関連した訴訟資料を整理し、Non-SEPの関連特許案にリンクし、資料検索、動態分析及び図表作成の機能を提供するものである。ユーザーは、プラットフォームが提供する簡易検索、又は、ブーリアン検索を利用し、多様なキーワード検索ができるほか、アドバンスト・サーチを通して、直接必要とするSEPの特許情報リストを探すことが可能である。その他、内蔵された基本チャート作成及びアドバンスト図表作成の項目より、ユーザーは、検索して出た特許群について多元的な図表分析が可能となる。マクロ的分析のほか、プラットフォームでは、約7,500のSEP特許レポートも提供しており、その内容には、特許関連情報(例えば、習知欠点、技術的特徴、機能、技術と商品分類等)が含まれ、ユーザーが特許を閲読する時間を節約することができる。
SEP特許情報の分析のほか、このプラットフォームでは、将来の5G技術分野の分類及び潜在力のある特許も紹介しているほか、通信分野の主なメーカー情報と特許ポートフェリオ状況についてもメーカー10社の情報をユーザーへ参考のために収録している。プラットフォームの構築によりメーカーの技術把握への協力、特許の棚卸し及び技術市場分析と特許ポートフェリオ展開に協力し、台湾産業の競争力向上を図る。
・プラットフォームのウェブサイトは、下記を参照。
ticpa.stpi.narl.org.tw/login.php
2.その他一般
(2016.04 .10 経済日報第A10面要約)
2-1 中国からの台湾特許出願件数が、過去5年で約6,000件
中国のレッドサプライチェーンが世界で勢力を増す中、経済部智慧局の統計によると、中国から台湾へ出願された特許件数は過去5年で約6,000件、毎年平均1,000件以上となったことが分かった。
統計によると、出願数が少なく、影響力がはっきりしない技術分野を除いた主要技術分野は計22項目、出願数は合計3,551件にのぼる。その中でも情報処理、半導体装置は、重要な地位にあり一挙一動が全体に大きな影響を与える2大分野であり、タッチスクリーン等の「情報処理技術」分野の出願数は846件(24%)、プラズマエッチング、OLED(有機発光ダイオード)等の「半導体装置」分野の出願数は、602件(17%)を占めた。
工業局電資組の局員の分析では、中国企業の2大主要技術の出願分野から分かるように、現在の中国産業の発展は、タッチパネル、パネル、パッケージング・テスト、半導体設備に集中しており、このような出願結果は「全く意外ではない」としており、半導体は川上のIC設計、川中のウエハOEM、川下のパッケージング・テストに分けられるが、その中のパッケージングの中国業者はほぼ台湾メーカーと肩を並べていることから、関連する特許のポートフォリオ展開も積極的である。また、中国は半導体製造(ウエハOEM)が台湾より約5~6年遅れているが、台湾に追いつこうとする強烈な野心が見える、と分析した。
専利ポートフェリオ業界には、「兵馬未動、糧草先行(何かを行う前には、先にしっかりとした計画と準備が必要)」という諺があり、中国から台湾へ出願している特許の類別と量から中国の積極的に攻め寄せる産業と特許ポートフェリオの野心が伺える。
(2016.04 .12 聯合新聞網、2016.04.13 工商時報第A14面の要約)
2-2 知的財産ビジネス会議(IPBC)が4月12日に台湾で初開催
知的財産ビジネス会議(IPBC:Intellectual Property Business Congress)が4月12日、工業技術研究院(ITRI)と知財専門雑誌IAMの共催で、初めて台北で開催された。
同会議には、智慧局の王美花・局長、ITRI技術移転センターの王鵬瑜・主任をはじめ、グーグルの特許弁護士、メディアテックの許維夫・副総裁兼法律顧問、IBMアジア太平洋地区知財ライセンス部門主任等、各国からテクノロジー業界の法務専門家が参加し、実務経験に基づき、知的財産権の付加価値創造の探求と企業界における知財管理戦略について、知財の収益化と知財のグローバル展開戦略についての経験シェアと討論が行われた。
会議において、王局長は台湾の「IP戦略綱領」がすでに始動したことに言及し、智慧財産局は台湾企業による台湾出願件数の減少について市場調査研究を進め、企業の実質的ニーズを探求していると述べ、現在、米国、日本、スペイン、韓国と特許の早期審査を推進する各種MOUを締結しており、審査期間はすでに短縮され、且つ審査の質も向上しているとして、台湾企業だけでなく、海外企業にとっても台湾での特許出願をグローバルな特許市場のポートフォリオ展開の最適な選択として推進し、台湾を中国及び世界への進出の足がかりとすることができる、と述べた。
また、王鵬瑜・主任は、「IP戦略綱領」は、企業に自発的に標準必須特許を取得するよう奨励するものでもあるが、企業間の相互交流が容易ではないため、ITRIは企業間の交流を図るプラットフォームとしての役割を担い、今回のIPBCを通して国内外のIP分野のトップと交流して知財権協力についてのビジネスチャンスを創造し、知財の運用と流通を強化することで、台湾の知財運用環境を更に整備し、ハイテク特許の知財力を活性化させていきたいと述べた。
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