•  

知財ニュース379号

発行:特許庁委託(公財)日本台湾交流協会
台湾知的財産権ニュース
(No.379)
発行年月日:2025年1月24日発行

主要ニュース目次

1. 智慧局ニュース
(2025年1月16日 智慧局ニュース全訳)
1-1 企業の産業専利知識プラットフォームの導入を支援し、専利ポートフォリオと技術応用力を向上させる
(2025年1月16日 智慧局ニュース全訳)
1-2 本局の電子出願関連サービスサイトを本日より更新する 多いにご利用いただきたい

2. 模倣品関連
(2025年1月13日 刑事警察局ニュース全訳)
2-1 レトロな任天堂ゲームが海賊版の商機に!不法な旧懐
(2025年1月15日 刑事警察局ニュース全訳)
2-2 刑事局は台湾最大の海賊版ポケモンガオーレカード工場を摘発 権利侵害市場価格3億台湾元

1.智慧局ニュース

(2025.01.16 智慧局ニュース全訳)
1-1 企業の産業専利知識プラットフォームの導入を支援し、専利ポートフォリオと技術応用力を向上させる
www.tipo.gov.tw/tw/cp-85-993087-b8414-1.html
台湾企業が政府提供の専利情報ツールを効果的に運用し、技術研究開発イノベーション力を強化するため、本局は2024年度も引き続き産業指導を推進した。カスタマイズ化した研修形式により、企業がプラットフォームの操作と応用プロセスを熟知できるようにした。実際のトレーニングにおいては、企業が自らのニーズに基づいて検索テーマを設定して簡単な専利分析報告を完成させることで、自ら専利検索及び分析を行うためのコア能力を培うことができるようにした。
2024年度は、皇廣鑄造(TEMC METAL & CHEMICAL CORP.)、明曜科技(ETICA BATTERY INC.)、力鋼工業(LIH KANG INDUSTRIAL CO., LTD.)、高力熱處理(KAORI HEAT TREATMENT CO., LTD.)、創奕能源(TRON ENERGY TECHNOLOGY CORPORATION)、聚恆科技(HENGS TECHNOLOGY CO., LTD.)、立碁電子(LIGITEK ELECTRONICS CO., LTD.)、協同能源(UNION STORAGE ENERGY SYSTEM LTD.)、群翌能源(HEPHAS ENERGY CO., LTD.)、達擎科技(※)の、ネットゼロカーボン関連企業9社及びAIoT企業1社を指導した。参加企業一同からは、内容の濃い指導により専利検索及び分析をより効果的に活用することができ、各界の参考のため経験と感想を積極的に情報共有したいとの声が聞かれた。
更に多くの企業が本局の専利情報プラットフォームを活用することを歓迎する。未来の技術のブルーオーシャン戦略をいち早く展開し、市場競争力を高めることは、台湾産業にイノベーション発展の力をもたらすこととなる。

※智慧局ニュース原文では「達擎科技」となっているが、「達擎科技股份有限公司」ではなく「達擎股份有限公司(AUO Display plus Corporation)」を指していると思われる。

産業指導の情報共有/産業専利知識プラットフォーム等については、上記リンク先の智慧局サイトの「相關連接(関連リンク)」からダウンロード可能(中国語)。

(2025.01.16 智慧局ニュース全訳)
1-2 本局の電子出願関連サービスサイトを本日より更新する 多いにご利用いただきたい
www.tipo.gov.tw/tw/cp-85-993081-8fd58-1.html
電子出願サービスの品質と利便性の向上のため、本局は智慧財産権e網通の会員登録、会員センター及び出願前準備等の機能を本日より更新した。各界に多いにご利用いただきたい。
変更項目には以下が含まれる:
1. 出願前準備に、出願方式の推薦機能を追加する。簡易Q&Aにより最適な出願方式を推薦する。
2. 会員登録に、電子出願マニュアルのポップアップウインドウを追加する。電子出願の前に必要な事前手続を提示する。
3. 会員センターを構築し、会員データの修正・変更の操作手順を簡素化するとともに操作の案内を強化し、ユーザーがより直感的に修正、変更、更新できるようにする。

2.模倣品関連

(2025.01.13 刑事警察局ニュース全訳)
2-1 レトロな任天堂ゲームが海賊版の商機に!不法な旧懐
www.cib.npa.gov.tw/ch/app/news/view?module=news&id=1885&serno=09fe975a-6905-4185-9335-a336068d82c8
1. 捜査部署:刑事警察局知的財産権捜査大隊
2. 捜査時期:2024年8月22日
3. 捜査場所:嘉義市西区。
4. 容疑者:陳(男、2003年生まれ)。
5. 押収された証拠物:USB1個、NASサーバー1台、ゲーム機1台、メモリーカード9枚等の関連証拠物。
6. 事件の概要:
(1) 刑事警察局知的財産権偵査大隊(偵三隊)は、近頃レトロブームが起き、大量のレトロゲーム商品の海賊版が市場に出回り、消費者を混乱させているだけでなく、取引秩序を破壊し、ゲームメーカーの合法的権益を深刻に侵害していることを把握し、2024年2月初旬、不法業者がインターネット上で安価に未許諾の海賊版任天堂ゲームソフトを販売していることを発見し、商標法及び著作権法違反の疑いで関連情報を調査したところ、陳容疑者及び居所を突き止めた。台湾嘉義地方裁判所に捜査令状を請求し、同年8月に捜査を行い、陳容疑者1名を逮捕し、NASサーバー1台、メモリーカード9枚、USB1個及び携帯型ゲーム機1台等の証拠物を押収した。調査により、陳容疑者は海外のサイトからBatoceraオープンソースシミュレーションソフト及び海賊版ゲームファイルをダウンロードし、それをメモリーカードに複製し、メモリーカード1枚につき1,100台湾元(約5,200円)などの価格で不特定の買い手に販売しており、買い手が購入後に携帯型ゲーム機又はコンピューターでメモリーカード内のプログラムを実行すれば海賊版ゲームを使用できることが判明した。権利者による鑑定後、権利侵害されたゲームファイル数は1万個を超え、権利侵害市場価格は1億台湾元(約4.73億円)を越えた。著作権者及び商標権者の権益侵害は深刻であり、著作権法及び商標法違反の疑いで台湾嘉義地方検察署に送検された。
(2) 多くの民衆は、昔の古い海外のゲームは台湾の著作権法の保護を受けないものと誤解しているが、台湾は2002年の世界貿易機関(WTO)加盟後、「知的所有権の貿易関連の側面に関する協定(TRIPS協定)」に基づいて全ての加盟国の国民の著作物を保障しており、著作権はその著作者の生存中及びその死後50年間、著作者が法人の場合は公表後50年保護される。警察は、不法業者に対し法律を無視して悪事を試そうとしないように注意喚起し、民衆に対し、不法行為を助長しないよう、海賊版商品を購入しないように呼びかけている。創作者を尊重し、真正品を支持することが良好な市場環境を維持するキーポイントであり、警察は引き続き関連の事件の捜査を強化し、全力で台湾の知的財産権保護を守る。

(2025.01.15 刑事警察局ニュース全訳)
2-2 刑事局は台湾最大の海賊版ポケモンガオーレカード工場を摘発 権利侵害市場価格3億台湾元
www.cib.npa.gov.tw/ch/app/news/view?module=news&id=1885&serno=09e51cf5-c43e-47eb-a04e-0404904df7ff
1. 捜査部署:台湾新北地方検察署、刑事警察局知的財産権捜査大隊、新北市政府警察局新店分局
2. 捜査時期:2024年7月18日、11月13日
3. 捜査場所:新北市土城区、三重区、五股区、蘆洲区。
4. 容疑者:羅(男、1975年生まれ)、羅(男、1979年生まれ)、黄(女、1986年生まれ)、羅(女、1977年生まれ)、陳(男、1972年生まれ)、陳(男、1970年生まれ)、廖(女、1973年生まれ)、連(男、1980年生まれ)、周(男、1974年生まれ)ら9人。
5. 押収された証拠物:ポケモン商標入りの完成品カードの模倣品7,000枚余り、半製品1万5千枚余り、半製品シール16万枚余り、特殊鋼製金型1組、デジタルプリンター機1台、ホストコンピュータ、USB等の証拠物を押収した。
6. 事件の概要:
(1) ポケモンガオーレは近年台湾全土で流行しているゲームで、デパートからコンビニまでどこでも大人・子供が並んで遊んでいる姿が見られる。悪質な台湾の売り手と中国業者が共謀し、不法な方法で画像ファイルを取得し、印刷業者やプラスチック射出成形工場を通じてレアなポケモンシールとカードを大量生産し、インターネットプラットフォームを利用して公開販売し、莫大な利益を得ており、知的財産権を著しく侵害した。
(2) 警察は通報を受け、プロジェクトチームを立ち上げた。調査の結果、インターネットプラットフォームに出品場所を開設した羅という男の関与が疑われた。プロジェクトチームはまず2024年7月に新北市土城区で模倣品ポケモンカード工場を発見し、押収された証拠物を分析した結果、上述の権利侵害商品はこともあろうに羅容疑者と台湾の印刷業者及び関連メーカーが協力して2022年より台湾で生産、販売を開始したものであって、4,000万台湾元(約1億8,900万円)の不法な利益が得られていたことが判明した。
(3) プロジェクトチームは引き続き2024年11月に捜査第二弾を実施し、新北市三重区、五股区、蘆洲区のカード工場、シール印刷工場、加工工場及び倉庫の捜査を同時進行で実施し、台湾最大の模倣品ポケモンガオーレカードサプライチェーンを破壊した。本件で押収したポケモン商標入りの完成品カードの模倣品7,000枚余り、半製品カード1万5千枚余り、半製品シール16万枚余り、鋼製金型1組、デジタルプリンター1台、ホストコンピュータ、USB等の証拠物の合計の権利侵害市場価格は3億台湾元(約14億1,900万円)超とみられている。調査の後、商標法第95条、第97条及び刑法第210条の私文書偽造の疑いで、台湾新北地方検察署に送検された。
(4) 知的財産権保護のため、警察は民衆に対し、類似の権利侵害商品を不法なルートで購入して犯罪行為を助長しないよう、またネット上の模倣品について積極的に通報するよう、呼びかけている。警察は引き続き関連捜査を強化し、全力を挙げて積極的に模倣品を取り締まることで、台湾の知的財産権保護の確保を完全なものにする。

知財ニュース アーカイブ

最新記事はこちら

<知財ニュースメールマガジン配信の登録・停止>

下のフィールドに受信可能なメールアドレスを入力し「登録する(登録解除)」をクリックして下さい。

協会より入力したメールアドレス宛に認証メールが届きます。

メールに記載されたURLをクリックする事で正式に配信登録(解除)されます。


 

公益財団法人 日本台湾交流協会 台北事務所

日本台湾交流協会台北事務所では、台湾の知的財産に関する情報の収集、関係者に対する助言や相談などを行っています。
各種問い合わせ、相談、訪問をご希望の方はご連絡ください。

お問い合わせフォーム